一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

1916 第258回 2月 岩戸句会  

2018年03月02日 | 岩戸句会

春霞沖行く船のエンジン音     海人 

野には野の海には海の春来たり

     

表札を持たされている雪だるま   歩智 

美容室どの鏡にも黄水仙

 

春の宇治飛び跳ねている好奇心   さくら

菜の花忌行きつ戻りつ時空旅

 

したたかな軒の氷柱や宿明かり   いよ

初雪を眺めてしばし白き闇

 

もぞもぞと貝よく動く四温かな   貞次

日脚伸ぶ太極拳のゆるやかに   

 

待ち針のパールが光る針供養    薪

凍空の皆既月食酔うており

     

骨董市より我家に来たる豆雛    稱子

手鏡に映る背丸し二月尽 

    

日溜にむしろをひきて梅ソフト   美部

寒桜目白とカメラが目白押し

 

薄氷の鉢に被せしやつれ茣蓙    豊春

春きざす鴎群立つ観光船

 

春寒しスカーフ一枚首に足す    清海

春きざすうっすら桃色山の峰

     

風呂吹や舌喉胃まであっつ熱       洋子

焼き芋は英字新聞にまかれおり

 

ゴミ置場小児マスクの数減りぬ   炎火

春の海豪華客船横たわる

 

手袋を狐に似せて塀に下げ     余白

公園も冬ざれ誰も訪れず

 

遠来の友を帰さぬ春炬燵      鞠

春寒の海際凛と一羽鷺

 

河豚鍋の湯気あいづちの聞き上手  佳津

和菓子屋のはやばや春の和菓子かな

 

打たせ湯も散って秘境の朧月    沙会

夕焼けてサーファー染める磯の春

 

雪掻きをしてもやっても雪積もる  貴美

やっと春ついに来た春これで春

 

鶯を空耳で聞く二月かな      雲水

陶雛の見つめる宇宙兜太死す

コメント
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