冬山は寒く風が強く、雪が進路を妨害し、滑落の危険があり、多くの登山者が死んでいる。未知の世界に進む冒険家、好奇心の強い向こう見ずのおバカさんだけが雪山に迎えられる。
この句の雪嶺は、山頂というよりは、山頂と山頂を繋ぐ稜線だろう。稜線に向かう登山道をラッセルして歩いているのだ。太陽は天頂近くにあり丁度作者に反射光が当たっていて眩しく感じられるのだろう。登山道の両脇は自然林か熊笹に覆われているかもしれない。
この句の光の道は、天国に向かう霊界の道のようでもあり、神々しく感じられたのである。こういう光景にであうから冬山登山は止められなくなるのだ。上村直巳は、アラスカ、マッキンリーで帰らぬ人になったが、羨ましいくらい幸運な人生だった、と私は思う。
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