実際あった話。行方不明になった認知症の老人が警察に保護されたが、身元がとうとう分からず、公営の老人ホームに入居して十数年経った。このような身元不明者が増えているという。
家族は、捜索願を出さないで年金を貰い続け、入居費を払わず、一切の介護から解放されるという、甘い汁を吸い続けるという具合だ。
核家族化が進み、おひとり様も増え、孤独死も増えている。この句はそんな中で、家が分からなくなって彷徨する老人を、家族が尋ね人として捜索している。
不幸中の幸い。まだまだ世の中、捨てたものではない。
ビヨウヤナギ(未央柳、美容柳)