一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

88   爪たてば命したたる蜜柑かな

2010年12月08日 | 

これも、20年位前のこと。 

 

ある小さな広告会社の経営者Sさんに、何のお礼か忘れたが蜜柑を送ったところ、この俳句が書かれた葉書が届いた。

Sさんは、俳句をやっていなかったので、私はとても驚いた。お礼の言葉として、素晴らしい俳句だからだ。但し、本人の作かどうかは、未だに分からない。

 

 「、爪(が)たてば」という表現が少しおかしい。「、爪(を)たてれば」が正しいのではないかと思うが、字余りになる。

蜜柑を食べる頃になると、この句を思い出し、1と2のどちらがいいのか、考えるのだが、未だに結論が出ない。「爪たてば」でも十分意味が分かるからだ。

 

 それはそれとして、「命したたる」がいい。それこそこの句の「命」とも言える。

 

 その後しばらくして、Sさんの会社は倒産したらしく、行方不明になった。どうやら、家族を捨ててフィリピンに逃亡したらしい。

 

 

 

 


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