一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2238  刈田這う煙にくしゃみ案山子かな  鯨児

2021年11月09日 | 

 黄金色の稲穂が刈り取られると、田の様相は一変する。刈られた稲は、孟宗竹で作られた稲架(はざ)に掛け、天日干し乾燥させる。この句の案山子(かかし)は、スズメやカラス対策として最後のご奉公で立てられているので、稲扱き(いねこき)が終わると処分される運命である。

 私の知っている案山子は、捨てても良いような安直な材料で作られ、へのへのもへじの様な不細工な手描きの顔が多かった。従って、くしゃみしているような案山子もある。

 本来、刈田を煙が這うのは、籾すりの終わった時に出るもみ殻を燃やす煙なのだが、時期がずれているから、稲藁など何か別のものを燃やしているのかもしれない。

 ところが、最近の稲刈りは、コンバインで刈り取り、脱穀、藁の裁断までやってしまうので、便利にはなったが田園風景から案山子や稲架、もみ殻焼の煙も消えてしまった。

ブロッコリー

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