もう二十年近く前になるが、198年振りに雲仙普賢岳の大噴火、大火砕流による人命にも及んだ大被害は、テレビ映像ではあるが、記憶に生々しい。
長い噴火の歴史を続けるこの活火山に、普賢菩薩の「普賢」と名付けた人々の切なる願いを思うと、実に感慨深いものがある。
つまり普賢菩薩は、悟りの実践的側面(普賢行)を象徴し、知恵を象徴する文殊菩薩とともに釈迦の脇侍であり、女人の往生を助け、増益、長寿の徳がある、とされているのだ。
世界にたった一人の、一生に一度の、父親の死に立ち会う。その日は快晴で、かの普賢岳が鮮明に聳えていた、という。
父の死に対する感情を全面に出さず、淡々と事実だけを語ることは俳句の基本である。それ故に私たちは、作者の深い思いに思いをめぐらすことができるのである。
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