子供たちは、待ちに待った夏休みに入ったようだ。
ちょっと生意気でませている都会育ちの少年が、じいちゃん、ばあちゃんのいる田舎の親戚にやって来た。
従兄弟たちは真っ黒に日焼けして元気一杯の乱暴ものだ。色白で勝気な少年は彼らに負けまいと、仲間外れになるまいと「ボク」から「オレ」に言い替えている。
それは滑稽でもあり、痛々しくもある。そんな少年の「オレ」が全く板についていない、似合わないというのだ。
しかし、子供は柔軟で環境への適応能力が高い。毎日、水遊びして日に焼けていくと、次第に地元の子供との距離が縮まり見分けがつかなくなって、いつの間にか「オレ」が似合ってくる。そして、夏休みが終わるころになれば、少年は一回り大きく成長して逞しくなっているに違いない。
ブーゲンビリア(オシロイバナ科)