私の叔父は鮎釣りが好きだった。解禁になると、横浜から伊豆半島の狩野川までよくやって来た。絵にかいたような亭主関白で、人前だけかもしれないが、叔母をよく「ババー」とか「クソババー」と呼んでいた。ところが叔母は、そう呼ばれても全く平気で、にこにこして「はいはい,何ですか」などと答えているのが実に不思議だった。
たった一人で河原に立ち、何時間も長い竿を垂らしている鮎釣り人を見ると、今でも私はついついあの頃の叔父のことを思い出してしまう。
ヒメギボウシ(姫擬宝珠)
私の叔父は鮎釣りが好きだった。解禁になると、横浜から伊豆半島の狩野川までよくやって来た。絵にかいたような亭主関白で、人前だけかもしれないが、叔母をよく「ババー」とか「クソババー」と呼んでいた。ところが叔母は、そう呼ばれても全く平気で、にこにこして「はいはい,何ですか」などと答えているのが実に不思議だった。
たった一人で河原に立ち、何時間も長い竿を垂らしている鮎釣り人を見ると、今でも私はついついあの頃の叔父のことを思い出してしまう。
ヒメギボウシ(姫擬宝珠)