社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

3月11日(土)

2017年03月15日 23時12分53秒 | 2017年

  6時半起床。今日は、福島(会津)で行われる友人の結婚式へ行く。当初は1人で行くつもりだったのだが、前日になって妻が急に「私も行く」と言い出したので、急遽2人で行くことになった。私が結婚式に出ている間に観光するそうだ。うらやましい。

  7時半過ぎに家を出て、梅屋敷駅から京急線と都営浅草線を乗り継いで、浅草へ。

  浅草駅9時00分発の東武線特急きぬ105号に乗り、下今市へ。さすがは東武線が誇る特急スペーシア号だけあって、快適な車両である。

  下今市から、一旦東武日光へ。東武日光始発の快速AIZUマウントエクスプレス号に乗るため、一旦折り返す。

  東武日光駅前にある金谷ホテルベーカリーの「カフェ・ラ・セゾン」で休憩。せっかくなので、自家製マーガリンのトーストを食べる。分厚くてふわふわのトーストである。

  駅へ戻ると、既にAIZUマウントエクスプレス3号が入線していた。景色がよく見える席を確保してから、写真撮影タイムに入る。この電車(正確には気動車)は会津鉄道が誇る観光列車で、鬼怒川温泉(一部は東武日光)と会津若松を結んでいる。編成によっても異なるが、2両編成の内1両の内装が豪華で完全に特急仕様であるにも関わらず、乗車券だけで乗ることが出来る。鉄道ファンから人気の高い電車である。

2両編成で、別の車両が連結されている。

赤いほうが豪華車両。もちろん、こっちに乗る。

白いほうは一般車両。

  11時37分に東武日光駅を発車。先ほど特急きぬ号を降りた下今市を経由して、鬼怒川温泉、尾瀬などを経由して会津若松まで走る。さっそく、車内販売で限定品のアイスクリーム(フルーツほおずき入り)を購入。ジャージー牛乳で作られたアイスは驚くほど軽くてふわふわ。ほおずきの食感ももちろんだが、このふわふわ感が印象的だった。これなら、定番のバニラ味でも十分に特徴を楽しむことが出来るだろう。

  30分ほどで鬼怒川温泉に到着する。通常、都内からこの列車に乗ろうと思うと、私たちが乗ったものよりも1時間遅い特急に乗って、終点の鬼怒川温泉で乗り換えることになる。そのため、ここからたくさんのお客さんが乗ってくる。だから、良い席に座りたかったら、私たちのように東武日光から乗ることをおすすめする。ただ、車内が混雑するのはほんの数駅間で、しばらくすればまた車内は空いてくる。私たちのように、実際に会津地方まで向かう乗客は多くないのだ。

さすがは鬼怒川温泉。たくさんのホテルが所狭しと並んでいる。

ただ、廃墟になっている建物も多い。

  AIZUマウントエクスプレスは、東武線、野岩鉄道、会津鉄道、JR線を経由して会津若松まで走り、その間、様々な車窓を眺めることが出来る。しかも、観光列車なので、見どころでは徐行運転をしてくれ、車掌さんの観光案内も入る。さっきまで快晴で気持ちの良い眺めだと思ったら、いつの間にか雪景色で一面真っ白になっていたりと、景色の変化も面白い。おかげで、目的地の湯野上温泉駅までの約2時間があっという間に感じられた。ちなみに、妻は湯野上温泉駅の1駅手前の塔のへつり駅で降りていった。

  ちなみに、塔のへつり駅で降りた妻からは、こんな写真が送られてきた。塔のへつりを見学した後、大内宿まで足を延ばしたそうだ。おいおい、楽しそうだな。ってか、最新型iPhoneの写真のクオリティの高さよ…。

塔のへつり駅。

塔のへつりは冬季閉鎖中で、橋までは行けなかったらしい。

大内宿。本当は私もここへ行きたかった。

そばがきが美味しかったそうだ。

  私のほうは湯野上温泉駅で降り、送迎バスに乗って披露宴会場の旅館へ。同じく参列する友人たちと合流し、それぞれの近況を話しながら披露宴の開始を待つ。結婚式を家族だけでハワイで挙げた2人の映像を見てから、披露宴が始まる。旅館の披露宴というのはどういうものなのだろうと楽しみにしていたのだが、期待通りの部分と意外な部分の両方があった。前者は、時代もののドラマで見るような厳粛さと温かみのある古風なものだったという意味で、後者は、これといったイベント(ケーキカットとか、お色直しとか、花嫁の手紙とか)が一切なかったという意味である。まさに、披露「宴」。自分の結婚式は、それほどイベントを詰め込んだわけではなくてもかなりバタバタとした記憶があるので、ゆっくりと食事をしながら話が出来るこの形式も良いものだなーと感じた。それに何より、幸せそうなお2人の笑顔を見て、とっても温かい気持ちになった。本当に、おめでとうございます。

  17時過ぎにお開きとなり、日帰りで都内へ戻る友人たちを見送りがてら、湯野上温泉駅へ。日本で唯一の茅葺の駅舎を持つことで有名なこの駅は、外観だけでなく、中に囲炉裏があったりと、本当に良い雰囲気を持っている。これほど画力のある駅に来たのは初めてである。

友人たちはこの列車で帰って行った。お気をつけて。

会津鉄道では、駅や車内の至る所で東日本大震災時の台湾からの支援への感謝を示す張り紙が貼られている。

  今日の宿は、駅のすぐ近くにある「ホテル大島」。到着すると、先にチェックインをしている妻が玄関でお茶を飲んでいた。私が着いたのが18時前だったので、先にお風呂に入れるようにと、宿の方が夕食の時間を19時からにして下さった。しかも、「貸切風呂が空いているから」と、そちらを案内して下さった。このように、ここの宿の皆さんは本当に優しくて、私たちのことをよく考えて色々と融通を利かせてくれた。設備的にも、建物には年季が入っているが清潔感はあるし、むしろ懐かしさを感じられてほっとする。

こたつがあるのが嬉しい。しかも、みかんも用意されている。

  さっそく、宿の向かいの川沿いにある貸切風呂に入る。貸切だがとても広く、洗い場、内湯、露天風呂がそれぞれ独立して設置されている。露天風呂からは、渓流の流れと遠くの山々を眺めることが出来る。温泉は弱アルカリ性でサラサラとしており、長く浸かっていてものぼせない。これは、素晴らしい。こんなお風呂を独り占め出来るなんて。

  ちなみに、夕方にチェックインした妻が一足早く入った時には、また一味違った景色が見られたらしい。

  夕食は、地元の食材を使った和食膳。地元の鱒のお刺身や塩焼き、熱々の茶わん蒸し、山菜の天ぷらやカレイの煮付け、陶板焼きと、美味しいものばかり。披露宴でそれなりにしっかり食べた私も、そんなことは関係なく箸が進んだ。中でも印象的だったのは、きのこの美味しさである。元々きのこ嫌いの私だが、全く臭みがなく、食べやすいきのこは初めてである。また、地元会津産だというお米も美味しかった。お米そのものももちろん、きっと炊き方が上手なんだと思う。大広間の雰囲気も落ち着きがあって、妻と2人でゆっくりと食事を楽しむことが出来た。

  食事を終えて、少し宿の中を散策。食事場所の隣の広間には、お雛様が飾られていた。豪華だなーと眺めていると、その中心に手作りのお内裏様とお雛様のペアがいた。宿のお子さんが作ったのだろうか。2人とも、とても温かい笑顔をしている。どんなに豪華な雛人形も、このペア人形にはかなわない。

  入口の隣にあるロビーには、会津藩のの掟が貼られていた。5番まではまあわかるのだが、6番と7番は今となってはかなり難しそうだ。

   内湯に入ってもう一度温泉を楽しんでから、部屋でまったり。寝ようと思って布団に入ると、湯たんぽが入っていた。食事の間に入れておいてくださったのだろうか。おかげで、ぽかぽかと温かい布団でぐっすり眠ることが出来た。