社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

3月19日(日)

2017年03月24日 00時18分45秒 | 2017年

  6時起床。3連休の中日なのでそれほど電車も混まないだろうということで、今日は妻と一緒に水戸の偕楽園へ梅を観に行く。しかし、水戸にだけ行くのも面白くないので、茨城の南のほうを回って行くことにした。

  7時前に家を出る。ところが、京浜東北線が人身事故で止まっている。これはまずい。仕方がないので東急池上線で五反田へ出て、山手線で新宿へ。時間は何とか間に合った。余裕を持って家を出ておいて良かった。

  新宿駅で駅弁を購入し、8時05分発の臨時快速おさんぽ成田・佐原号に乗る。最初の目的地は、佐原。「北総の小江戸」とも呼ばれ、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている街並みが有名な観光地である。所要時間は2時間15分。快速電車なので停車駅が多く、また途中駅での待ち時間も多いため、結構な時間が掛かる。しかし、特急型車両のE257系が使われているので、快適に過ごすことが出来る。

朝食は、奮発して雲丹や数の子、いくらが満載の駅弁を買った。朝から高カロリー過ぎるか。

  京浜東北線での人身事故の影響がここへも出て、佐原には10分ほど遅れて到着。シンプルだが、なかなか味のある駅である。

  駅から歩いて10分ほどで、小野川の川沿いに出る。江戸時代に水運を利用して「江戸優り」と評されるほど繁栄していた頃の街並みが、そのまま残っている。良い意味で建物に統一感がなく、歩いているだけで面白い。中には、江戸時代からずっと続いているお店もあって、その中のひとつの金物屋さんでは店舗裏にある蔵を一般開放していた。飲食店やお土産屋さんも充実しているし、街の雰囲気にも溶け込んでいる。散策している観光客も多く、観光船もたくさん運航されていて、周辺一帯が賑わっている。文化保存と商業化のバランスがよく、相乗効果が出ているようだ。また、この時期は至る所にお雛様が飾られていて、それもまた街の風景とよく合っていた。結局、1時間以上ぶらぶらと散策してしていたと思う。

  佐原の駅へ戻り、駅前の観光案内所で落花生のアイスクリームを購入。ピーナッツバターをそのままアイスにしたような濃厚な味だが、後味はすっきりしている。

  佐原駅12時17分発の鹿島神宮行きにのり、終点の鹿島神宮へ。鹿島神宮駅ではsuicaが使えないため、精算のため窓口に長蛇の列が出来た。私たちは切符を持っていたのですぐに出られたが、なぜこの駅だけsuicaに対応させないのだろう。鹿島臨海鉄道と共有しているからだろうか。

鹿島神宮駅の直前で霞ヶ浦を渡った…のかと思いきや、後から調べたらここは霞ヶ浦の東にある北浦という湖だった。

関東圏でsuica対応していない駅では、こういうことになるのは致し方ない。

  駅から10分ほど歩いて、鹿島神宮に到着。今日はかなり温かいが、境内に入ると急に涼しさを感じる。寺社仏閣独特の凛とした空気が漂っている。特に、本殿から奥宮へ続く道の雰囲気が素晴らしかった。これほど存在感抜群の木々に囲まれた道というのも、なかなかないだろう。

本殿。実際の本殿はこの建物(拝殿)より結構奥にある。

奥宮。小さいが、周囲の木々が織りなす雰囲気と、その間から差し込む木漏れ日で、何とも神秘的な雰囲気に包まれている。

  奥宮の目の前にあるお茶屋さんで休憩。これまで食べるタイミングがなかったので、昼食も兼ねて、味噌おでん、煮込みおでん、抹茶ぜんざいを頂く。抹茶ぜんざいに関しては味が合うのか疑問だったのだが、抹茶の苦みの後から小豆の甘さが追いかけてきて、甘さが引き立っていた。

  鹿島神宮駅へ戻り、13時45分発の鹿島臨海鉄道の普通水戸行きに乗る。所要時間は約1時間15分。鹿島臨海鉄道は、車両に味がある。ディーゼルエンジンの振動が座席まで直に伝わってきて、心地よい。ただ、今日は少し不運なことがあった。通常、この列車は水戸行きなので、当然ながら水戸まで運転される。しかし、今日は大洗でアニメ関係の大きなイベントがあり、多数の乗客が想定されるとのことで、大洗で車両を2両編成から3両編成のものへ交換するというのだ。大洗での乗り換えそれ自体は同一ホームなので楽なのだが、恐れていた通り既に車両は満員になっていた。大洗から終点の水戸までは15分くらいの距離だから大きな問題ではないのだが、より遠くから来た乗客を蔑ろにするというのは、車両運用の都合等の事情があるにしても、企業としての姿勢に疑問を感じる。

  水戸駅からバスに乗り、偕楽園へ。梅の開花ピークを過ぎてはいるものの、様々な種類があり、開花のタイミングも異なるので、綺麗に咲いている梅をたくさん見ることが出来た。見た目の華やかさだけでなく、園内に梅の香りが漂っていたのも印象的である。春といえば桜だが、梅もそれに負けないくらいの魅力がある。

  帰りは、歩いて水戸駅を目指す。その途中、偕楽園と水戸駅のちょうど中間くらいのところにある郷土料理屋「山翠」で夕食。妻と付き合い始めた当初、私が初めてあんこう鍋を頂いたお店である。前回同様、今回もあんこうのフルコースを注文。追加で、活きあんこうのお刺身も頂くことにする。ここのあんこう鍋は古くから伝わるどぶ汁風ではなく、それに工夫を加えた醤油ベースで、それもまた独特の美味しさである。あんきもを加えていった時の風味の変化も絶妙で、最後の雑炊まで飽きさせない。

あん肝豆腐。味は濃厚で、さっぱりとしたあん肝を食べているようだ。

あんこうは身や肝だけでなく、皮や内臓も美味しく食べられ、残すところがないと言われている。

あんこうのフルコースでは、やっぱりあん肝は外せない。濃厚。

初めて食べたあんこうのお刺身。身が分厚くてしっとりしており、よく寝かせた白身魚のような甘みととろみがある。これは美味しい。

あんこう鍋。あらの部分で出汁を取って頂く。そのようして食べると、野菜が本当に美味しくなる。

柳焼き。ほっぺたの部分のお肉がぷるぷる。実はこれが一番のお目当てだったりもする。食べづらいが、美味しすぎる。

〆は雑炊。出汁の美味しさをストレートに味わえるという点において、最後にこれを食べないとフルコースを堪能したとは言えない。

  お腹いっぱいでお店を出て、再び歩いて水戸駅を目指す。途中、私たちが指輪を購入した京成百貨店の前を通る。懐かしい。

  水戸駅近くにある「ProCafe」で休憩。ここは変わった飲み物が多い。今回は、デザート代わりにソフトクリームの乗ったコーヒー(私はラム酒入り)を頂いた。アルコールは一切ダメな私も、ここのラム酒入りは(量は少なめにしてもらうのだが)美味しく感じる。

  駅でお土産を買ってから、水戸駅19時27分発の常磐線特急ひたち26号に乗り、帰途につく。隣の妻を含め、この時間になると大半の乗客が眠っているので、車内は不気味なくらい静かだ。

  帰宅は21時半前。 朝が早かったので、さすがにクタクタである。スマホの万歩計を見たら、軽く20,000歩を超えていた。そりゃあ足もパンパンになるわけだ。こういうハードスケジュールは、三連休の中日だからこそこなせる。