6時半起床。今日は朝から福島競馬場へ行く。昨年の11月に私が初めて1口馬主として出資したスノージュエリー(父・ウインバリアシオン、母・サクラバーベナ、母父・サクラバクシンオー)のデビュー戦を観戦するためである。昨晩競馬新聞を買って、馬柱に父としてウインバリアシオンの名前を見たときは感慨深いものがあった。最後のレースの日のことを思い出すと、彼の産駒がデビューするということ自体が、彼自身の強さと数多く方々の努力によって成し遂げられた奇跡であると思えてくる。
スノージュエリーの鞍上は予定通り藤田菜七子騎手。新聞の評価は高くないが、調教の動きも悪くないし、それなりに勝負になるのではないかと思っている。
7時半前に家を出て、新横浜駅7時19分発の東海道新幹線こだま700号で東京へ出る。スノージュエリーの馬番が7番、鞍上は藤田菜「七」子騎手ということで、縁起を担いで7号車に乗る。
東京駅8時08分発の山形新幹線つばさ127号で福島へ。
朝食はおにぎり。お腹が空いているわけではなく、薬を飲むための朝食なので軽めに済ませる。
福島駅からタクシーに乗り、福島競馬場へ到着。
ちょうど第1レースが始まるところだった。せっかくなのでかぶりつきで見る。馬の走る足音が耳に心地よい。
フードコートへ行き、「肉の上杉」で名物の牛串を食べる。その場で炭火で焼いてくれるので、とても美味しい。
期間限定で開催されている「ノーザンファーム天栄展」を観る。ノーザンファーム天栄というのは、いわゆる「外厩」と呼ばれる施設で、デビュー前の馬の育成をしたり、休養馬の調整をしたりする施設である。近年はこの外厩の重要性が高まっていて、そこでの過ごし方が充実したことによって休養明けの馬でも万全の態勢でレースに臨めるようになり、重要なレースの前にステップレースを使う、俗に言うところの「叩き」というものの必要性が薄れていたり、馬券を買う時の要素に「どこの外厩で育成(調整)されたか」が加わったりと、最近の競馬の在り方を変容させている。その外厩の一番手(しかも断トツ)が、このノーザンファーム天栄である。今年のダービーを優勝したロジャーバローズが非ノーザンファームの小規模牧場出身だとして注目を浴びたりしたが、実は育成先はこのノーザンファーム天栄だったりもする。今回の展示は、そんなノーザンファーム天栄の秘密に迫るものだ。私は主に映像資料をずっと見ていたのだが、やっぱり設備も人も、投資している金額が違う。強い馬を作って稼ぎ、その稼ぎを更に強い馬を作ることに投資している。企業経営のお手本のようなやり方である。やっぱりノーザンファームはすごい。
現役の天栄出身馬の一番手といえば、やはりアーモンドアイだろう。
この映像資料がとっても面白かった。
アーモンドアイが昨年のジャパンカップを世界レコードで制した時のルメール騎手の勝負服とステッキ。
フードコートへ戻り、喜多方ラーメンを食べる。喉越しがまさに透き通る感じのスープ。古き良きラーメンのかなり美味しいバージョン、といった感じである。
せっかくなので普通に馬券も買うことにする。第3レースは丸山騎手(3番人気)と野中騎手(1番人気)の根本厩舎兄弟弟子コンビを中心に。結果は野中騎手が1着に来たのだが、丸山騎手が4着で残念。
しかし、やっぱり競馬場で馬券を買ってレースを観るというのは楽しいものだ。
第4レースは、234倍の馬単が的中。今日の交通費が丸々戻ってきた。中距離ダートを得意とする大野騎手の1着を信じ、本線以外に妻と娘の誕生日の日付に流してみたら、妻の誕生月のおかげで100円分拾うことが出来た。7月に生まれてきてくれてありがとう。
スノージュエリーの馬券を購入し、パドックへ向かう。第5レースの出走前から陣取り、登場を待つ。
パドックでは、彼女の応援幕が飾られていた。誰が作ったのかはわからないが、新馬戦から馬の応援幕が出ることはかなり珍しい。しかも、とっても可愛い。
初めて生で見たスノージュエリーは、とっても可愛い女の子だった。時折厩務員さんに甘えながらも堂々とパドックを歩いている姿を見て、胸が熱くなる。あのウインバリアシオンの血を受け継いだ産駒が目の前を歩き、これから中央競馬の新馬戦でデビューするという事実が嬉しくて仕方ない。しかも、私はこの馬の馬主なのだ。夢のような話である。
本馬場へ移動し、かぶりつきでレースを観ることにする。
本馬場入場でスノージュエリーが紹介される。「父はウインバリアシオン」というアナウンスを聞いて、思わず泣きそうになる。
少しお転婆なところを見せていたが、返し馬もきちんと走れた。
ファンファーレが鳴る。胸が高鳴る。
ゲートが開いた瞬間、「あっ」と思う。反応がワンテンポ遅れ、出遅れてしまった。スプリント戦での出遅れは致命的である。結局そのまま後方を追走し、最後の直線では外に出して追い込んだものの、結果は8着だった。しかし、走りそのものは悪くなかったし、藤田騎手も最後は無理せず追っていなかったので、この着順なら問題はない。贔屓目かもしれないが、どこかでひとつは勝てそうな気がする。それに何より、無事にデビュー戦を終えられたことが一番だ。今日は本当によく頑張りました。ありがとう。しっかり身体を休めて、また元気な姿を見せてください。根本先生や藤田騎手をはじめ、関係者の皆さまもありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願い致します。
「肉の上杉」で牛タン串を食べ、福島競馬場に別れを告げる。
お土産をゆっくり選んでも新幹線の時間まで余裕があったので、駅前の百貨店に入っているフルーツパーラー「フルーツピークス」で休憩。2種類のタルトとドリンクがセットになった「よくばりタルトセット」を注文する。タルトは、定番のショートケーキ的なものと、季節限定の桃とヨーグルトのものを選んだ。飲み物はミックスベリーソーダ。タルトはいずれも甘さ控えめで、果物の味を楽しめるようになっていた。
福島駅14時16分発の山形新幹線つばさ142号に乗り、東京へ。車内販売で米沢駅の駅弁「焼肉ど真ん中」を買えるのではないかと期待して山形新幹線に乗ったのだが、残念ながら車内販売では駅弁の取り扱いを終了してしまったそうだ。
東京駅から東海道新幹線で新横浜へ戻り、買い物をしてから16時半過ぎに帰宅。
駅弁を食べられなかったので、冷蔵のピザでお腹を満たす。
娘をお風呂に入れ、寝かしつけるタイミングで一緒に寝てしまい、そのまま就寝。おそらく21時頃には眠ってしまっていたと思う。