4時半起床。今日から3日間は、母と一緒に大阪の祖母の家へ行くことになっている。5時半前に家を出て、東京駅06:20発ののぞみ303号に乗車。ゴールデンウィークなので満席かと思いきや、朝早いためか空席も見られた。車内では大半を寝て過ごし、予定通り8時半過ぎに京都に到着。
京都から近鉄線に乗り換え、奈良へ。近鉄奈良駅から東大寺方面へ少し歩いたところに、西国第9番の興福寺がある。境内に入ると、国宝館への入場を待つ人々が長蛇の列を作っていた。入場まで、1時間待ちとのこと。そのため、国宝館へ寄るのは諦め、まずは東金堂をお参りする。人が多くてあまりゆっくりすることは出来なかったが、大きな仏像を目の前で拝むことが出来た。その後、南円堂へ。一応、西国の札所はこちらの南円堂である。東金堂に比べると小さくて地味だが、六角堂に似た外観は印象に残る。参拝者もそれほど多くはないので、落ち着いてお参りすることも出来るから、個人的にはこちらのほうが好みだ。
東金堂と五重塔
南円堂
興福寺を後にし、再び東大寺方面に向かって歩き始める。途中で、托鉢をしている若いお坊さんから名刺(という表現で合っているのだろうか)を頂く。北海道のお寺の方だが、今は高野山で修行中とのこと。この托鉢も、そうした修行の一環なのだろう。その後、段々と鹿の姿が見えてくる。せっかくなので鹿せんべいを購入したら、周囲の鹿たちが一気に寄ってきて、中には私の腰に噛み付いてせんべいを催促するものまでいた。しかも、せんべいがなくなると、みんな一斉にその場から離れていく。「餌の切れ目が縁の切れ目」である。鹿たちからすれば当然のことなのだろうが、餌がなくなった途端に去られる側は、なかなか切ないものである。
赤信号でも気にしません。
木漏れ日が眩しい。
しばらく歩いて、春日大社の萬葉植物園へ。この時期は藤の花が咲き始めているとのことで、たくさんの人で賑わっていた。この植物園では、自然に近い形で草花が植えられており、どこまでが人工的に育てているもので、どこからがたまたま生えているものなのかがよくわからない。私としては、こういう植物園っぽくない植物園のほうが好きだ。また、藤の花も綺麗に咲いており、まさに見所満載といったところだった。1周するのに、最低でも1時間は必要なところである。
麦
御衣黄(緑色の桜)
麝香藤(香りが強い)
黒龍
横たわった木から、新しい木が生えている。
昼食は、奈良町の「旬彩ひより」で野菜尽くしのランチプレートを食べる。数日前にネットで検索し、口コミの評価の高かったお店だ。料理は、春キャベツのクリームスープに始まり、玉葱やほうれん草、里芋など、とにかく野菜ばかり。肝心の味はというと、「野菜の割にはおいしい」といったところである。特に、玉葱は今まで食べた中でもダントツで柔らかく、甘みも強かった。ただ、私の中では、やはり肉や魚料理には及ばない。
デザートは、自家製のわらび餅。
奈良駅から再び近鉄線に乗り、西大寺、橿原神宮前を経由して壺阪山駅へ行き、駅前からバスに乗って、西国第6番の壺阪寺へ。ここは随分大きなお寺で、見所も多い。また、ここは目に関するお寺として有名で、日本で始めて盲人用の老人ホームが作られた場所でもある。今回は、たまたま「風車祭り」が開催されていたようで、境内の至る所で風車が回っていた。一概に良し悪しは言えないが、随所に参拝者を集めようという積極的な姿勢が見られるお寺である。
本堂
風車祭り
境内の全景
巨大な涅槃像
大きな仏像が多い。
壺阪山駅から、急行に乗って阿部野橋へ。駅前で祖母と待ち合わせ、駅ビルに入っている日本料理屋「月日亭」で夕食。3人でゆっくりと話をする。その後、松原にある祖母の家へ帰り、蓬莱の肉まんやアイスキャンディーを食べながらゴロゴロする。祖母は相変わらず元気そうで、兄弟や友人たちと出掛けたり、太極拳に通ったりと、「おひとりさまの老後」を満喫しているようだった。
壺阪山駅で遭遇した特急さくらライナー。
道の真ん中に陽が落ちていく。