日々の覚書

MFCオーナーのブログ

懐かし過ぎる映画のパンフレットたち

2022年06月26日 11時35分10秒 | 映画

前回、ビートルズ映画のパンフレットをネタにしたが、実はビートルズ以外にも古い映画のパンフレットが見つかっていたのである(笑) ビートルズ同様或いはそれ以上に懐かしさで悶絶しそうなパンフレットたちを、是非紹介させて頂きたい(笑)

ご存知ジュール・ベルヌの小説を映画化したもの。ディズニー製作なんで、子供向けかと思いきや、監督はリチャード・フライシャーで、カーク・ダグラスやジェームス・メイスンも出演しているという、結構本格的な映画である。なんで見たのだろう? 多分、親に連れて行かれたのだろうな。1954年の映画なんで、当然僕が見たのはリバイバル上映である。特撮も素晴らしく、子供心にも面白い映画だった。見に行ったのは1973年か1974年だったかと^^;

これは多分、『海底2万哩』と2本立てだったと思う。映像もストーリーも本格的な『海底2万哩』に対して、こちらはドタバタなコメディである。結構笑えた(笑) フランス製のようだ。まぁなんと言うか、フランスの片田舎の青年4人組が巻き起こす騒動を描いた映画で、好評だったみたいで、シリーズ化されて、第二弾(第三弾?)が後に公開されてた記憶がある。本作に関しては、ツール・ド・フランスかどうか知らんが自転車レースが題材になってて、なんかフランスでは自転車レースはあちこちで開催されてる、みたいな雰囲気だった。

こちらもご存知マーク・トウェイン原作の映画化。だが、いつどういう経緯で見たのか、記憶が全くない^^; おそらく親に連れられて見たのだと思う。ただ、今パンフレットを見て気づいたのだが、なんと!あのジョディ・フォスターが出演している。多分、トム・ソーヤーのガールフレンドの役だろう。驚いた。パンフのプロフィールから察するに、『タクシー・ドライバー』に出演する前ではないかと思われる。この映画の時点で10歳だけど、既に7年のキャリアを誇る、とパンフにも書いてあって、知らなかったけど、芸歴長いんだね。で、気になって、ウィキペディアを見てみたら、ジョディ・フォスターの出演映画のリストに『トム・ソーヤーの冒険』も載っていた。なんとなく安心(笑)

いやいや流行ったよね(爆) 1999年7月に恐怖の大王が降臨して人類は滅びる、というノストラダムスの予言が大ブームとなった1974年頃、そのブームに乗って映画も作られた訳だ。当時、僕はノストラダムスの予言に興味を持っていたので、映画化されると聞いて、どうしても見たくて、親に頼んだら、どういう展開か、叔父さんが連れて行ってくれる事になった。念願叶って見れたのはいいが、内容をちゃんと理解出来ていたのかどうか(笑) ま、実際に人類が滅亡するストーリーではなく、当時の様々な問題を取り上げて、このままでは20世紀末には人類は滅亡してしまうよ、だから、そうならないように努力しようね、というコンセプトだったように思うが、久々にパンフレットを見てみると、映画の中では、来たるべき人類滅亡は公害・異常気象・自然破壊等が要因とされていて、考えてみると、現在抱えている問題とほほ同じだ。ただ、映画では、そのせいで人間が違う生物に変化してしまったり奇形児が大量に生まれたりする事になってて、そこいらは当時流行していたパニック映画やオカルト映画の影響だろうけど、環境問題や食糧問題は、1970年代も今も変わらないというのは、何やら示唆的ではある。

これを見た時のことは、よく覚えている。当時、小学6年だったけど、いっぱしの映画好きで(生意気な)、毎日新聞広告を眺めて、あれが見たいこれが見たいと悶々としていたのだが、うちの親も簡単には連れて行ってくれなくて(そりゃそうだ)、ようやく見せて貰えたのが、この『エアポート’75』だった。1975年の暮れの事だ。当時流行りのオールスター・キャストのパニック映画、チャールトン・ヘストン、ジョージ・ケネディ・カレン・ブラックなど、錚々たる顔ぶれが出演していた。『エクソシスト』でブレークしたばかりのリンダ・ブレアや、あの頃人気絶頂だったヘレン・レディも出ていた。映画自体も話題性だけでなく、旅客機の運転席にセスナが突っ込んで制御不能となり、スチュワーデス役のカレン・ブラックが管制からの無線を頼りに操縦したり、救助に向かったヘリからチャールトン・ヘストンが旅客機に乗り移ろうとしたり、とにかく見せ場の連続。大げさでなく、正に手に汗に握って見ていたのを思い出す。いやぁ、やっぱり映画は劇場で見るものだな、と思いました(生意気な)

これも当時世間の話題を独占していた。オールスター・キャストのパニック映画、という点では『エアポート’75』と同じ。ポール・ニューマンとスティーブ・マックイーンという2大スターを筆頭に、フェイ・ダナウェイ、フレッド・アステア、ロバート・ボーン、ウィリアム・ホールデンなど、こっちも凄い顔ぶれだった。ストーリーは知られていると思うが、サンフランシスコに完成した地上138階の超々高層ビルが、竣工披露の当日大火災に見舞われる、というお話。駆けつけた消防隊による消火活動や救助活動の様子を臨場感たっぷりに見せつつ、火災の原因は経費を抑える為に材料費をケチったことにある、なんて話も絡んできて、ビルの設計責任者のポール・ニューマンと消防隊長のスティーブ・マックイーンが反発したり協力したりの絡みも面白く、娯楽映画としては一級品、と当時思った^^; やたらと高い建物を作りたがる愚かしさ、なんて事もスティーブ・マックイーンが口にしており、当時のハリウッドは娯楽映画でも、ちょっとだけ社会的・人道的なテーマみたいなものがあったような気がする。あくまでちょっとだけ、なんだけどね(笑)

やや意外かもしれないが、『カッコーの巣の上で』。パンフレットで分かるだろうか、主演はジャック・ニコルソン、1975年度のアカデミー賞の作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞・主演女優賞の5部門で栄冠に輝いた、当時の話題作であり名作である。今まで↑娯楽作品ばかりだったけど、ここで社会派作品が登場する訳で(笑)、刑務所から精神病院にやってきた服役者(ジャック・ニコルソン)が、その病院で患者たちが不当に抑圧されているのを見て、なんとか現状を打破しようと、あれこれ行動を起こすが、病院側からは要注意人物と見なされ、強制的にロボトミー手術を受けさせられてしまう。ほとんど生ける屍と化したジャック・ニコルソンを見て、仲の良かった患者の一人が彼を窒息死させて逃走する、というストーリーで、いくら社会派とはいえ、今なら、患者をコントロールする精神病院(この呼称もアウトかな)とか、言うこと聞かない患者にロボトミー手術を施すとか、多分映画化は無理でしょう(笑) なんというか、やはり娯楽映画には違いなく、↑の作品とは違った面白さがあり、難しそうなテーマだけど中学生が見ても理解出来るように作っているのは素晴らしいと思う。それにしても、現代では、この映画の評価はどうなっているのだろう? ジャック・ニコルソンの代表作とは言われてない気がする。

こちらもオールスター・キャスト。昔は、戦争映画というとオールスター・キャストが多かった気がする。登場人物が多いからか? しかも歴史上の重要人物もたくさんいるしね。本作は、1944年の9月に決行されたイギリス軍による”マーケット・ガーデン作戦”を題材にしている、という事で、西洋史には疎いので^^;、”マーケット・ガーデン作戦”の事は知らないのだが、オランダやベルギーも巻き込んだ大掛かりな作戦だったらしい。そんな超大作の出演者は、ロバート・レッドフォード、ジーン・ハックマン、ジェームス・カーン、ショーン・コネリー、ライアン・オニール、アンソニー・ホプキンス、ローレンス・オリビエ等々、確かに錚々たる顔ぶれ。ギャラだけでもかなりの額になるだろう、というのは中学生でも察しはつく(笑) 僕的には、正直言うと、日本には馴染みのない題材だし、前述したように西洋史には疎いし、ってんで、実は印象の薄い映画であるのだが、戦闘シーンは迫力満点で、やはりこれも劇場で見るべき映画かな。ほんと、昔はこういう映画多かった。70年代以降、戦争と言えばベトナム戦争を題材にする事が多くなり、この『遠すぎた橋』とか『史上最大の作戦』とか『空軍大戦略』みたいな、史実に忠実ではあるが、戦勝国の国威をアピールするような映画は少なくなったと思う。いい事なのかどうなのか、よくわからんけど^^;

いやいや、ほんと懐かしい。その割には、覚えてないのもあるけど^^; あと、パンフレットはないけど、ジュリー・アンドリュースの『メリー・ポピンズ』のリバイバル上映も見た。少ないのでは、と思われる人もいるだろうけど、小学生から中学生の頃なんて、なかなか劇場まで行けなかったですよ。金もかかるし(笑)

いやぁ、映画って本当にいいものですね^^

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Get Back in 1977

2022年06月18日 20時46分35秒 | 映画

最近、ビートルズの映画(と言っていいのか?)『ゲット・バック』が話題である。いや、もうピークは過ぎたかな?(笑) もちろん、ご覧になった人は多いと思うし、知り合いにもこれを見る為だけにサブスクと契約した人もいる(笑) あの有名な映画『レット・イット・ビー』のリメイクというか、要するに再編集版だが、当時(50年以上前!!)のフィルムやテープといった素材を使って作り直したものなので、悪かろうはずがない(たぶん) ファンならずとも興味を惹かれてしまうのは当然だが、聞いた話だとこの『ゲット・バック』、同じ素材を使っていても、こんなにも印象が違うものなのか、編集者の意向次第でドキュメンタリーなんて、どうにでもなってしまうのだ、とちょっとしたショックを覚える内容らしい。ふむふむ。

ネットで見たのだが、近頃『レット・イット・ビー』をひたすらアゲようとする動きがあるのが気に入らない、と自身のブログで言ってる人がいて、もちろん後追いで僕より一回りくらい下の人だと思うが、この人にとっては、『レット・イット・ビー』は映画もアルバムも駄作であり、ビートルズの黒歴史でしかない訳で、もちろんビートルズ当人も含めて、関係者は皆『レット・イット・ビー』をなかった事にしたいと思っていて、ただ腐ってもビートルズなので闇に葬る訳にもいかず、それで『レット・イット・ビー』の印象を良くする為にリメイク版を作り、古くからのファンはもちろん、新しいファンに対しても『レット・イット・ビー』は実は名作なのだ、と刷り込もうとしている、という事になるらしい。確かに、あの『ネイキッド』が出た時にも感じたが、ビートルズ周辺には今さら『レット・イット・ビー』の評価を上げようとする(印象を変えようとする)人がいるようだな、とは僕も感じていた。僕も今になって『レット・イット・ビー』をひたすら持ち上げようとする風潮は気に入らないが、前述のブログの人のように、黒歴史は黒歴史のままにしておけ、修正は不要、という主張とは異なる。僕の場合は

『レット・イット・ビー』は今も昔も名作である。今、名作にする必要はない。何故ならずっと名作だからだ。

改めて皆さんに問いたい。『レット・イット・ビー』は駄作ですか? 全く聴く価値はないのですか? ただのゴミですか?

皆さんご存知の通り、人気絶頂の中ライブ休止宣言をしたビートルズは、スタジオに籠もって、素晴らしい作品を次々と発表していくのだが、反面、バンドとしての結束は緩んでいく一方だった。それを危惧したポール・マッカートニーが、初心に戻ってバンドとしてリスタートしよう、という意図で始められたのが、『レット・イット・ビー』のセッションであり、「ゲット・バック・セッション」として知られている。その時の素材が映画とLPの『レット・イット・ビー』となった。LPもさることながら、僕個人は映画も好きだった。確かに明るいトーンの映画ではなかったけど、冒頭、スタジオにグランドピアノを運び入れる場面が妙に印象に残っている。映画を見たのはテレビで、確か中学生の頃と思うが、最初から最後まで彼らのあまりのカッコ良さに言葉もなかったのを思い出す。特にあのルーフ・トップ・セッション。カッコ良かったなぁ。暗かったのはトーンだけで、あの有名なギター・プレイをめぐってのポールとジョージの口論にしても、僕は双方にプロ意識を感じてたし、遊んでるんじゃないんだから、口論するのも当たり前と思って見てた。メンバーの仲は険悪で、いつケンカ別れしても不思議ではない、雰囲気も最低で、そこにいる誰もが逃げ出したがっていた、みたいな論評を聞くと、そう感じる人もいるのか、てな感じだった。人それぞれ、感じることは違うのだ。

ところが、その『レット・イット・ビー』から50年を経た今、改めて編集された『ゲット・バック』では、その印象が一変してるらしい。現場は緊張感が漂うものの和気藹々とした雰囲気で、休憩時間にはメンバー同士ダハコを吸いながら談笑するシーンもあるそうな。50年前のビートルズは決して仲が悪かった訳じゃないんだよ、ただ、当時のスタッフが悪意を持って編集しただけなんだよ、とでも言いたげだ。ま、僕は見てないので何とも言えないけど、そういうもんじないの、って気がする。仲良くもあり悪くもあり、というのがバンドってもんだ。確かに、仲悪い映像ばかり見せれば、ビートルズは仲悪いんだ、と誰しも思う。『レット・イット・ビー』はそういう印象を与えたかったのか。

アルバムの方も、「ゲット・バック・セッション」の音源を基に、グリン・ジョンズが編集したアルバムが『ゲット・バック』として発表される予定だったのだが、お蔵入りとなった。そして、ほったらかしにされた音源を再編集して、再度アルバムとしてまとめたのが、あのフィル・スペクター。こちらもポールと共に悪人にされているが(苦笑)、『レット・イット・ビー』に関しては、素晴らしい仕事をしたと僕は思う。このアルバムのどこが駄作なのか。確かに「レット・イット・ビー」と「ゲット・バック」が目立つのは仕方ないが、他の曲だって素晴らしいではないか。「トゥー・オブ・アス」「ワン・アフター909」「フォー・ユー・ブルー」どれも隠れた名曲だ。「アイ・ミー・マイン」「アイブ・ガット・ア・フィーリング」もある。スペクターが勝手にストリングスをダビングしたと言われる「ロング・アンド・ワインディング・ロード」だって名曲だし、後にポールがソロのライブでこの曲を披露した時、シンセでこのストリングスを再現してたという話もある。本当に怒ってたのか? 確かに、あの頃からマイナスの情報もあったけど、ちゃんと聞けば誰でも分かる。『レット・イット・ビー』は名盤だ。

という訳で、『ゲット・バック』には罪はないと思うが、何故今これを公開したのか、というのには疑問を感じる。そんなに『レット・イット・ビー』を葬りたいのか。また、同じ素材でも編集次第で印象が変わる、というのもある意味怖い。日々テレビで見るニュース映像も、マスコミの都合の良いいように編集されているのかも。

と、つい『ゲット・バック』というか『レット・イット・ビー』について長々と語ってしまったが^^;、今回メインのネタはこちらである。

 

なんと、今を去ること45年前(!)、ビートルズの映画が公開されたのだ。『シェア・スタジアム』と『マジカル・ミステリー・ツアー』の2本立て。↑は当時のパンフレットだ。そう、この時僕も見に行ったのである。時は1977年、僕は中学3年生だった。夏休みのある日、友人と4人くらいで横浜まで行った。あの頃まだ都会に慣れていない若造だった我々は、横浜には着いたものの、上映している映画館が分からず、あちこちで尋ねながら探し歩いた記憶がある。

↑のパンフレットは、もちろんその時買ったもの。左が表で右が裏。すっかり忘れてたけど、先日実家で偶然発見した。ほんと懐かしかった。色々な事が頭の中をよぎって一瞬時が止まったね(笑)

『シェア・スタジアム』『マジカル・ミステリー・ツアー』どちらもファンならずとも、よく知られた作品と思う。前者は、1965年8月15日にニューヨークのシェア・スタジアム(近頃では、シェイ・スタジアムと言うらしい。笑)で行われたビートルズのコンサートの記録映画である。なんでも、史上初の野外スタジアムでのロック・コンサートだったらしい。ビートルズは何でも先駆けだった。ま、スタジアムでのコンサートが当たり前となった今からすると、ステージも音もしょぼかった、というのは1977年当時も感じたように思う。あの頃、ビートルズのハリウッドボウルでのライブ盤が出たばかりで、特定の世代の人は覚えておられると思いますが(笑)、オープニングが「ツイスト・アンド・シャウト」で2曲目が「シーズ・ア・ウーマン」だったアレなんだけど、映画も似たような構成だったような。

 

『マジカル・ミステリー・ツアー』は元々テレビ放送用だったのだが、この頃劇場映画として公開されたらしい。賛否両論あるけど、純真な中学生は映画館ですっかり虜にされてしまった(笑) あれこれ難しい事を考えなければ、フツーに面白い映画と思う。

 

この2本とも、45年前に映画館で見て以来、全く見てない。記憶も怪しいな。どちらも今なら割と簡単に見れるのだろうか。ただ、『マジカル・ミステリー・ツアー』って映像作品としては出てないような気もする。

ビートルズって、やっぱり良い。そして凄い。

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クイーン三昧の日々

2018年12月02日 23時03分54秒 | 映画
既に皆さんご存知の事であるが、今、日本では降って湧いたようなクイーン・ブームである。きっかけは、『ボヘミアン・ラプソディ』の公開であるのは、これまた皆さんご存知。今さら説明するまでもない、クイーンというかフレディ・マーキュリーの伝記映画だ。僕の記憶では、今年の2月頃、映画の紹介と共に11月に日本公開決定とのアナウンスが流れ、その時点でもう話題沸騰だった。これもやっぱり、皆さんご存知(笑)

と、フレディ(クイーン)をテーマにした映画という事で、内容は見る前からだいたい想像はつく訳で、素直に見たい!という心境でもなかったのは、フレディがどのように描かれるか、がなんとなく想像がつくだけに、見るのが怖い、というのがあったからだ(笑) でも、考えてみると、ミュージシャンそれもロック・ミュージシャンの伝記映画なんて、意外と少ない気がする。僕はドアーズくらいしか思いつかなかった。ストーンズみたいにドキュメンタリーを作ってるの例はあるけど、全くの創作劇というのは記憶にない。ビートルズもジミヘンも映画にはなっていないし。ジャニス・ジョプリンをモデルにした映画はあったかな。ブライアン・ジョーンズの映画もあったけど、言っちゃ悪いが、ちょっと地味だ。そういう意味では、フレディなんて映画の題材としては格好の人物であるし、興味だけは非常にあったのだが、でも怖かった。フレディがただの変態みたいだったらショックだし、かといって聖人君子みたいに描かれてたとしてもヘンだし、ま、とにかく、複雑だったのだ(笑)

そんな中、10月も終わりを迎え、公開が迫ってきた。



実は、僕よりも嫁の方が、この映画に関しては興味津々で、見たい見たいとしきりに言っていた。やはり見に行かねば。それにしても、この映画のプロモーションは凄くて、テレビCMをはじめとするメディアの露出もやたら多かったし、TOHOやらイオンやらで全国一斉ロードショーだし(上映館は全国で100いや150箇所以上になるのでは?)、何故、こんなに力を入れているのだろう? なんて不思議に思ったりもした。しかも、広範囲でやたらと盛り上がってるし。今さらだが、クイーンってそんなに人気あるのか。80年代のクイーン不遇の時代(笑)を知ってる者としては、実に意外。クイーンの映画でこんなに盛り上がるなんて、嬉しいけど信じていいのか、どっかでどんでん返しがあるんじゃないか、って気分^^;

都内では、宣伝カーも見た。

 

ま、公開に先駆けてサントラ盤が発売されるので、見る前にサントラを買おう、と思っていたら、こんなのが出た。



ディアゴスティーニの『クイーン・LPレコード・コレクション』。第一回配本は『オペラ座の夜』だ。ご存知のように、マガジンとLPがセットになっていて、LPは180g重量盤とのこと。最近、重量盤LPってよく聞くけど、何が違うの?と思っていたが、かがみさんによると、通常のLPより重いので、盤が反ったりせず、従って、安定して聞けるLPなのだそうな。分かるような分からないような^^;

このシリーズ、クイーンのオリジナル・アルバム15枚に加え、フレディの死後に発売された発掘音源も含むライブ盤7枚、グレイテスト・ヒッツ3枚、の計25枚(全てLP)が、だいたい月2枚ペースで発売され、お値段は1枚物2,759円+税、2枚物3,694円+税、3枚物4,620円+税、と結構お高いのである^^; ファンはそれでも買ってしまうのか?(笑)

で、僕はどうしたかというと、第一回が『オペラ座の夜』であること、初回のみ特別価格で1.980円(税込み)という事もあり、第一回配本のみ買ってみた。もちろん、本屋で買った(笑)



 

LPは重量盤だけあって、ずっしりと重い(気がした)。が、結構反ってたよ(爆) ずぅっと前に買ったLPよりカッティンク・レベルが高いような気がするが、音質はそんなに違いはないような。期待してたマガジン部分は、特に目新しい記述はなかったが、当初このアルバムからのシングル・カットは「ボヘミアン・ラプソディ」とは違う曲を考えていて、「予言者の歌」が候補だった事もあった、と書かれていたのは、へぇ~、て感じ。

続いてこういうのも。



なんと、ロッキンオンの最新号でクイーン特集である。これ、嫁が本屋で偶然見つけて、買ってきてくれた。ロッキンオンでクイーン特集なんて...もしかして初めてじゃないの?(爆) そうでもないのか。いやはや、ロッキンオンとクイーンなんて意外過ぎて^^;

で、読んでみた。提灯記事とまでは言わないが、ひたすらクイーンを賛美する内容になってたので、意外の連続(笑) 先のディアゴスティーニと同様、特に目新しい記述はないけど、賛美しまくりが楽しい(爆)

と、そうこうしてるうちに、ついに『ボヘミアン・ラプソディ』が公開された。初日から駆けつけた知り合いも結構いて、改めてクイーン人気の凄さを実感した次第。そして、公開から3日目、ついに我々も見たのである。『ボヘミアン・ラプソディ』を。



実は、3週間後に2回目を見たのだが(笑)、1回目の印象でいうと、実に面白かった。フレディ役のラミ・マレックは、フレディというよりミック・ジャガーに似てると思ったけど、映画が進むにつれ、間違いなくフレディになった。似てるとか真似してるとかではなく、フレディを演じているのだ、と感じた。劇中の歌うシーンでも、口パクではなく、レミック自身が歌ってると思われる箇所も多く、見事なまでに、フレディを自分のものにしていたと思う。素晴らしい。彼の演技のおかげで、冒頭にも書いた懸念が払拭され、僕は素直に映画にのめり込む事が出来た。

物語は、フレディがクイーンの前身のスマイルに加入してから、1985年のライブ・エイドまでを描いている。その間、ブライアンとロジャーが監修しているにもかかわらず、時間軸がおかしかったりするが、まぁ気にするほどではない(笑) フレディは、当初心配したほど、エキセントリックな人物として描かれてはおらず、破壊的な言動も見せてはいない。フレディを語る時、彼の性的嗜好を避けては通れないが、そこも曖昧にせず、きっちりと描いているのは良いと思う。でも、成功して名声を得て、豪邸も建てたけど、反面寂しかったのかな、なんて思ったりもした。当初は苦楽を共にしたメンバーたちも、成功するにつれ家庭を持ったりして、バンド一筋ではなくなるし、メアリーも離れてしまうし、あれじゃ、パーティ三昧にもなるよな。実際のところは、どうだったのか分からないけど。

フレディのゲイ仲間で、結果として、フレディと他のメンバーたちとの仲違いの原因を作ってしまうポールという男については、僕は全くその存在を知らなかった。何を考えてたのか分からない。フレディを独り占めしたかったのか、金儲けの道具として見てたのか。なんとなくだけど、悪意はなかったような気がするのは、僕だけか?^^;

この映画の最大の見せ場は、なんと言っても、ラスト20分間に渡って繰り広げられる、ライブエイドでのクイーンの演奏シーンだ。正直、演奏が始まった途端、涙が溢れてきた。何故だか良く分からなかったけど^^; おそらく、ライブエイド前に自分がエイズに感染している事を知ったフレディが、メンバーに打ち明けて、自分は死ぬまでパフォーマーであり続けると宣言した事で、ライブエイドでのステージも、フレディにとって残されたわずかなパフォーマンスのひとつである、という事が分かってしまったからだろう。文字通り、今後フレディは自らの命を削りながらステージに立つ。歌う度に、演奏する度に、彼は死に近づいていく。これが泣かずにいられるか。

この『ボヘミアン・ラプソディ』、ファンは当然と言えば当然だけど、ファンでもない人たちでさえ、関心を示し、映画館に足を運び、そして絶賛している。絶対クイーンなんて聞かないだろう、なんて思ってた人が、この『ボヘミアン・ラプソディ』を見て、素晴らしかった、感動した、と言っているのだ。意外と言えば意外だが、とりもなおさず、この映画が単なる伝記ではない、エンタテインメントとして優れた作品である事の証明であろう。

フレディの事ばかり書いたけど、他のメンバー、ブライアン、ロジャー、ジョンも、俳優たちは名演技だった。特にジョン、寡黙だけど、時々発する一言はとても辛辣、というファンが持っているイメージを、見事に表現していたように思う。

ま、素晴らしい映画であったのは確かだけど、色々意見もあるだろうし、これ以上僕があれこれ言うのは止めておく(笑) ただ、ライブエイドの場面でずっと涙が止まらず、そのままエンドロールになっても涙していたのだが、その後「ショー・マスト・ゴー・オン」が流れてきたら、一気に涙が乾いてしまった(爆)

そんな、映画の感動も冷めやらぬ中、恒例の、くまさん率いるクイーンのコピバン、ムスターファのライブに行ってきた。



 

奇しくも、ライブの日はフレディの命日。偶然だったらしいけど。相変わらず、マニアな選曲で、楽しませて貰いました。おそらく、来年もライブすると思うので、楽しみにしてます^^

ムスターファのライブ後、打ち上げの前に、六本木ヒルズ(あ、言い忘れたけど、ライブ会場は六本木だった)に、期間限定でクイーングッズを扱うカフェがオープンしたというので、行ってみた。

 

トートバッグといい、Tシャツといい、ファン心をくすぐる商品ばかりで、どれも欲しくなってしまうのだが(笑)、全部買う訳にはいかないし(少々お高めだし。爆)、悩んだ挙げ句。トートバッグを買ってきた^^; それにしても、映画関連グッズ等が買い占められて、ネットのフリマで売れられている、なんて話を聞くと腹立たしい。クイーン人気の証明ではあるのだが。



でもって、打ち上げ後、五反田のバー、ストーン・コールドでクイーンのイベントやってる、というので、帰りに寄らせて貰った。わいわいとクイーンの曲をセッションしてたような気がするのだが、酔っ払ってたせいか、あんまり覚えていない(爆) マスターごめんなさいm(_ _)m



Bohemian Rhapsody - The Original Soundtrack

最後にサントラである。映画を見てなくても楽しめる内容と思う。基本的には、映画で使われた曲のオリジナル・バージョンが収録されているが、ブライアンのお馴染みギター・オーケストレイションによる「20世紀フォックスのテーマ」みたいな珍品もある(笑)

映画の中で演奏されていたスマイルの「ドゥーイング・オール・ライト」だけど、このサントラに収録されたのは、なんとブライアン、ロジャーにオリジナル・メンバーのティム・スタッフェルを加えた3人による新録らしい。ティムは今何してるのか? つーか、かなり前だけど、スマイルの音源が発掘されて発売されたけど、それを聞いて、あまりの質の高さに、ティム=フレディ説なんてのも飛び出したりしてたなぁ。今回、改めて聞いてみても、ティム・スタッフェル素晴らしい。ほんと、スマイル辞めてから今まで何してたんだろう、実力あるのに、と思ってしまう出来映えだ。

ライブ音源はもちろんフレディによるものと思うが、映画の中では、ラミ・マレックが歌ってたのもあったような気がする。ライブエイドでの演奏は、ほんと素晴らしいが、これも映画ではラミ・マレックだったのでは? と1回目に見た時は思ったけど、2回目には分からなくなってきた(笑)

と、そんな訳で、クイーン三昧の11月だったのであった。ここまでクイーン一色だったのは、40年以上のファン歴を誇る僕(笑)でも、ちょっと記憶にない。昔の事を思うと感無量だけど(笑)

やっぱりクイーンはいいな^^
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女優たち

2017年09月03日 00時39分41秒 | 映画
唐突だが、僕は決していわゆる「鉄オタ」ではないと思っているが、電車に乗るのは好きである。数時間程度の電車移動なら、ほとんど苦にならないが(昼間に限る。夜の電車移動はつまらん。笑)、こんな企画だとどうかな?(笑)

【55歳以上限定】新幹線で北海道から九州へ!日本縦断ご夫婦フルムーンの旅5日間

つまり、5日間で全ての新幹線に乗ってしまおう、というツアーである。行程を見てるとなかなに凄い。夜は温泉旅館に宿泊するものの、基本的に観光等は一切なく、ひたすら新幹線(時々在来線やバス移動もあるが)に乗り続けるのだ。↑のURLにスケジュールも掲載されているので、確認してみて欲しいが、とにかく新幹線。昼食は5日間共駅弁という、ナイスな企画はあるものの(笑)、ずっと新幹線に乗りっ放しだと退屈しないかな、なんて思ったりもする。でも、好きな人にはたまらない企画かも(笑) 個人的には非常に興味ある。ただ、55歳以上の夫婦、という参加条件を満たしていないので、実際にはツアーを体験する事は出来ないのだが。

このツアー、スケジュールをよくよく見てると、日本の9つの新幹線(北海道、東北、上越、北陸、東海道、山陽、九州、山形、秋田)全てに乗ると謳ってるけど、実際には乗らない区間があるので(東北新幹線の仙台-福島、金沢新幹線の高崎-上越妙高)、完全制覇とは言い難いような気がする(笑) 別に、どこにも完全制覇とは書いてないが(笑)

所で、全く話は変わるが、先日フランスの女優、ミレーユ・ダルクが亡くなった。享年79歳。慎んでご冥福をお祈り致します。

と、言っても、実は僕はミレーユ・ダルクが出演した映画は見ていない。厳密には、1本だけ見ているが、それがアラン・ドロンの『ボルサリーノ』とのことで、この映画を見た記憶はあるが、内容は全く覚えていないので、見てないも同然。申し訳ないが、ミレーユ・ダルクの記憶もない。覚えてるのは音楽だけ(笑) その他ミレーユ・ダルクのフィルモグラフィーによると、『恋するガリア』とか『ジェフ』あたりにも出ていたそうで、ここいらは名前は知ってるけど、やっぱり見てない。『恋するガリア』も音楽の記憶しかない(笑) 後年、監督をやってたのも知らなかった。

実は、そういう人多いのだ。名前や顔は知ってるけど、映画はほとんど見た事ない女優たち。前にも書いたけど、僕は中学生の頃映画少年で(なんか、↑の記述見てると、映画好きというより映画音楽好き、って感じ。笑)、借りてきた『スクリーン』や『ロードショー』をよく見ていて(決して『キネマ旬報』ではないのがミソ。笑)、当時の人気女優たちが登場するグラビアを毎号見てたので、顔と名前は知ってたのである。

グラビアに登場するくらいだから、いわば当時の旬で皆若く美しく、特に好きとか好みとかではなくても、自然と写真に釘付けになってしまうだけの魅力とオーラを放っていた。例えば、こういった人たち。

ジャクリーン・ビセット


キャンディス・バーゲン


キャサリン・ロス


ミレーユ・ダルク


ナタリー・ドロン


オリビア・ハッセー


スーザン・ジョージ


シドニー・ローム


彼女たちは、当時高い人気を誇っていたと思うのだが、反面、演技者としての評価は今イチだったのかも、なんて思ったりもする。当時旬の美人女優というと、フェイ・ダナウェイもそうなのだが、こちらはあまりグラビアには登場しなかったような気が...^^; 彼女は、演技でも、この頃既に評価を確立していた(『チャイナタウン』でオスカーにノミネートされてたし)からだったのだろうか。う~む、でも、だとしたら、それは差別だな(爆)

↑の女優たちは、1940年から50年頃の生まれの人が多いので、当時(70年代半ば)ならだいたい30代。今の感覚だと、男女問わず30代はまだまだ若手という感じだが、あの頃は今よりもっと大人という印象だった。中学生だった僕からすると、↑の女優たちは、かなり年上のオバサン(失礼!)な訳だが、そんな感覚は全くなかったな。写真を眺めた後、生年月日を聞いてたまげる、ってパターン(笑) 

個人的には、ジャクリーン・ビセットは好きで、映画も何本か見ているが、それ以外の↑女優に関しては、グラビアで見てきれいだな、と思う以上の存在ではなかった。ただ、今見ても(なるべく若い頃の写真を拾ってきたのだが)皆さん魅力的である。なんというか、“品”みたいなのを感じるな。ま、こっちも若かったけど(笑)

この度のミレーユ・ダルクの訃報を聞いて、40年以上も昔、映画に興味を持ち、テレビで見て、ラジオで音楽を聴き、雑誌や新聞広告で情報収集する、という生活をしていた日々を懐かしく思い出してしまった。あの日に帰りたい、とは思わないけど、良き日々だったな、と思う。思い出は、このようにして整理され検証され収納されていくのである。次、引っ張り出すのはいつなのか?

いい機会だし、『ボルサリーノ』今度DVD借りてみようかな。
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マグニフィセント・セブン

2017年05月30日 23時18分39秒 | 映画
大物ミュージシャンの訃報が続いているが、映画界も例外ではない。ロジャー・ムーアが先日亡くなった。享年89歳。慎んでご冥福をお祈り致します。

ロジャー・ムーアは3代目ジェーム・ボンドとして知られている。1973年の8作目『死ぬのは奴らだ』から14作目の『美しき獲物たち』までの7作に出演し、出演数は歴代最多だそうな。ワイルドな雰囲気のショーン・コネリーとは異なる、知的な二枚目というボンド像を作り上げて、007シリーズ人気の長期安定化に貢献した。4代目以降のジェームズ・ボンド役の俳優たちは、ショーン・コネリーかロジャー・ムーアのどちらか、或いは両方をイヤでも意識せざるを得なくなってるらしい。ま、確かに、この二人のイメージ強いよな。

失礼ながら、正直言うと、ロジャー・ムーアは007でしか見た事ない。キャリアが長い人で、ショーン・コネリーよりも年上だった、ってのを聞いて驚いた記憶があるが、007以外の映画は全く見ていない。ただ、前述したように、人気のあった前任者から役を引き継ぐなんて、かなり大変で、出来れば引き受けたくないのでは、なんて思ってしまうが、結果的には違うイメージのボンドを作り上げてしまった、というのは凄いことだ。このエピソードだけでも、なかなかの人だったのだろう、という気がする。

所で、007シリーズだが、第1作『ドクター・ノオ』が1962年公開なので、もう55年も続いている訳だ(ちなみに、僕と同い年。関係ない?爆)。最新作『スペクター』まで24作、寅さんほどではないが、かなりの本数である。最初の頃のプロデューサーは、既に亡くなってるというし、『ドクター・ノオ』の監督テレンス・ヤングも、音楽担当のジョンバリーも、この世の人ではない。当時を知らぬ全く新しい人たちによって、007シリーズは存続しているという事になる。これまた凄いというか、何というか。

僕はスター・ウォーズ・シリーズは一本も見た事ないが、007シリーズは何作か見ている。が、『ロシアより愛をこめて』と『女王陛下の007』を除けば、どれも同じに思えて区別がつかない。だから、何作か見た事はあるが、何を見たか、が分からない(笑) 困ったもんだ(意味不明)。

スター・ウォーズ・シリーズは見た事ないけど、『荒野の七人』はシリーズ全部見てる。と言っても、全部で4作しかないけど(笑) ただ、これはちょっと珍しいかもしれない。スター・ウォーズ・シリーズを見た事がない、というのと同じくらいに(笑)

という訳で、『マグニフィセント・セブン』を見た(長い前振り)

ご承知の通り、『荒野の七人』のリメイクである。リメイクと言っても、基本設定は同じだけど、登場人物は全然違うし、リメイクと呼んでいいのかどうかは疑問。けど、無法者から村を守るために、村民がガンマンを雇うという設定も、ミッションを託すリーダーを決めて、その男が連れて行く仲間を集める導入も、村民たちは最初はガンマン達を敬遠するものの、そのうち一緒に戦うようになるという展開も、犠牲者を出したものの、敵の首領を仕留めてガンマンと村民チームが勝って、ガンマンたちは村を後にするというラストも、ほぼ『荒野の七人』と同じ。だけど、『荒野の七人』と『マグニフィセント・セブン』は似て非なる映画である。

いや、決して、僕自身が『荒野の七人』に強い思い入れがあるもんだから、リメイクを認めたくないんだろう、なんて事は全くなくて、それどころか『マグニフィセント・セブン』は実に面白い。終始映画を支配する緊迫感がなかなかだし、ガンファイトはオーソドックスだけど迫力満点。画面も綺麗で風景も美しく、最後まで飽きる事なく、時間の過ぎるのも忘れて見入ってしまう、極上のエンタテインメントだ。素晴らしい映画である。

デンゼル・ワシントンなんて、カッコ良すぎるのでは、なんて思ってしまうが、そのガンマンたちが、白人だけでなく、黒人、アイルランド人、東洋系、メキシコ系、インディアン、と様々な人種で構成されているのも、今時のグローバルな世界観の表れなのだろう(は?) ガンマンのリーダーは黒人だし。

けど、『マグニフィセント・セブン』は認めつつも、やっばり『荒野の七人』とは違う。何が違うのか。これは、時代の違いと言ってもいいのかもしれないが、映画の雰囲気がまるで違う。悪玉一味対ガンマンの戦い(撃ち合い)を描いたという点では同じだが、『荒野の七人』には全編に、どこか牧歌的な雰囲気が漂っていた。もちろん、緊迫する場面はあるのだが、なんかこう、のんびりしてる感じがあったんだな。そこいらが、ストーリーの割には凄惨な印象になっていない要因なのではないか。のどかな風景や大らかな音楽の影響もあると思う。

ま、50年以上も前のハリウッドと、現在のハリウッドは全然違うだろうからね。同じネタで映画を撮っても、違う物になってしまうのは仕方ないし、それが気に入らないとか、昔の方が良かったとか、そういう事を言うつもりは、さらさらない。『荒野の七人』を知らなくても『マグニフィセント・セブン』は面白いし、『荒野の七人』を知ってるなら、このキャラはこっちではこいつだな、とか、ユル・ブリンナーとデンゼル・ワシントンの新旧のリーダーを比較してみるとか、そういうのを楽しむのもいいと思う。あと、安い報酬で危険な仕事を受けるガンマンたちは、一体何を考えているのか、とかね。単に”男のロマン”なのか、そうではないのか。

そうか、”男のロマン”か。『荒野の七人』が女性にはほとんどウケない理由が、なんとなく分かったような気がする。今さらだけど(爆)

という訳で、『マグニフィセント・セブン』久々にオススメです。是非、見て下さい。で、もし『マグニフィセント・セブン』を面白いと思ったら、『荒野の七人』も見てやって下さいね(笑) 
コメント (5)
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