MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
320位→301位
☆320位☆
Sail Away/Randy Newman (1972)
セイル・アウェイ/ランディ・ニューマン
シンガー・ソングライターに分類される人だけど、有名な映画音楽家の家系という事もあるのか、音楽的バックボーンは幅広いように思う。単なるルーツ・ミュージックだけではなく、もっと幅広い何か。だからタイトル曲も「サイモン・スミスと踊る熊」も「ロンリー・アット・ザ・トップ」も、シンプルでありながら情景が見える気がしてしまうのだ。
☆319位☆
Life Goes On/Paul Williams (1972)
ライフ・ゴーズ・オン/ポール・ウィリアムス
70年代半ば頃までは、この人の名前はよく見かけたものだ。本作は、「故郷への道を教えて」が収録されているので買った。クリント・イーストウッド主演の『サンダー・ボルト』の主題歌だ。素朴だけどウエスト・コーストの香りもする名曲である。アルバムも曲が充実しているので飽きる事なく聴ける。カーペンターズやスリー・ドッグ・ナイトでお馴染みの曲もあるので親しみやすい。
☆318位☆
Eagles/Eagles (1972)
イーグルス・ファースト/イーグルス
イーグルスはカントリー系のバンドとしてデビューしたが、その時点でカントリーの枠に収まるバンドではなかった。このデビュー・アルバムも、「テイク・イット・イージー」だけでなく、ダークな曲、もろにカントリーな曲、ハードなロックンロール等バラエティに富んだ内容だ。「早起き鳥」とか「今朝発つ列車」とか、後にやらなくなるタイプの曲に愛着を覚える。
☆317位☆
Look At Yourself/Uriah Heep (1971)
対自核/ユーライア・ヒープ
ブリティッシュ・ハード・ロックを代表する名盤と言える。オルガン主体なのはパープルに近いが、ある意味パープル以上にオルガンの比重は高い。タイトル曲や「七月の朝」など、非常に分かりやすい曲が多く親しみやすいので、パープルに迫る人気だったのも当然。ボーカルのデビッド・バイロンも実力者だったし、こういうところに70年代ロックの奥深さを見る。
☆316位☆
Idlewild South/The Allman Brothers Band (1970)
アイドルワイルド・サウス/オールマン・ブラザース・バンド
ライブだけがオールマンズではない。曲作りやアレンジのセンス、多様な音楽性、といった面でも彼らは非凡な才能を発揮している。本作に於いても、名曲「エリザベス・リードの追憶」をはじめ「リバイバル」「プリーズ・コール・ホーム」「ミッドナイト・ライダー」といった曲で、その才能を見せつけている。オールマンズの本当の強さはここにある。
☆315位☆
Elton John/Elton John (1970)
エルトン・ジョン(僕の歌は君の歌)/エルトン・ジョン
稀代の名曲「僕の歌は君の歌(Your Song)」を含む2nd。文学青年的な雰囲気のシンガー・ソングライターというイメージで、アルバム作りをしたのが功を奏し、エルトンとバーニーは世間に知られるようになった。ピアノを貴重とした簡素なサウンドにストリングスを組み合わせたアレンジも、そのイメージ作りに貢献している。
☆314位☆
A Salty Dog/Procol Harum (1969)
ソルティ・ドッグ/プロコル・ハルム
プロコル・ハルムはヨーロッパ的イメージが強いが、本作はアルバムのテーマといい、曲調といい、アメリカに接近している気がする。ザ・バンドみたいな感じもあるが、それはそれで成功しているように思う。タイトル曲からして、今までと違うアプローチでドラマティックだ。オルガンは相変わらずでよろしい。ロビン・トロワーのブルージーな曲もいい。
☆313位☆
Stand Up/Jethro Tull (1969)
スタンド・アップ/ジェスロ・タル
この2ndの時点では、タルもまだブルース・ロック然としているが、それほど単純でもない。曲調もリズム・パターンも一筋縄ではいかないのがジェスロ・タル。ブルース・ロックのようでいて少し違うのだ。「ブーレ」のような人気曲もあるが、牧歌的な曲もあり、何が出てくるか分からない楽しさがある。一筋縄ではいかないが、カッコいいのは確か。
☆312位☆
Beggars Banquet/Rolling Stones (1968)
ベガーズ・バンケット/ローリング・ストーンズ
一曲目の「悪魔を憐れむ歌」がとにかく強烈だ。ストーンズを代表する名曲である。が、呪術的なリズム・パターンとコーラスのこの曲が終わると、アコースティック・ブルースが展開されるのが、やや意外。当時の彼らの年齢を考えると、かなり深みのある解釈ではなかろうか。素晴らしいことだ。ラストの「地の塩」は感動的な名曲。
☆311位☆
Magical Mystery Tour/The Beatles (1967)
マジカル・ミステリー・ツアー/ビートルズ
A面は映像作品に使われた曲、B面はシングル曲、というアメリカ盤に則った構成が良い。映像の曲は名曲揃いで、「フール・オン・ザ・ヒル」と「アイ・アム・ザ・ウォルラス」が同じ面で聴ける、というのがとにかく凄い。ビートルズには珍しいインスト「フライング」も良い。シングルだと、「ペニー・レイン」や「ハロー・グッドバイ」が嬉しい。「愛こそはすべて」は正直食傷気味。
☆310位☆
Ah Via Musicom/Eric Johnson (1990)
未来への扉/エリック・ジョンソン
ライブでの定番曲「Cliffs Of Dover」を含む本作で、エリック・ジョンソンの才能は余すところなく発揮されている。独特のトーンの音色も、この時点で既に確立されていた。ボーカル曲では「Desert Rose」の出来が良い。そのプレイ・スタイルと音楽性のルーツはどこにあるのか掴みづらいが、別に難解なことをやっている訳ではないので、もっと幅広く受け入れられてもいいと思う。
☆309位☆
Greatest Hits/Night Ranger (1989)
グレイテスト・ヒッツ/ナイト・レンジャー
超絶技巧のギタリスト2人を擁したナイト・レンジャーは、HR/HMにカテゴライズされているが、実質的にはメロディアスでキャッチーなシングル・ヒットが多い事もあり、産業ロック系のバンドと思っている。中でも「ロック・イン・アメリカ」は、カッコ良く分かりやすくギターの見せ場もあり、代表曲と言っていいだろう。「センチメンタル・ストリート」も良いけどね。
☆308位☆
Ready An' Willing/Whitesnake (1980)
フール・フォー・ユア・ラビング/ホワイトスネイク
本作からドラムがイアン・ペイスになり、ベスト・メンバーでレコーディングされた。「フール・フォー・ユア・ラビング」をはじめ「スイート・トーカー」「エイント・ゴナ・クライ・ノー・モア」などの名曲を含む。なんといっても、この頃のホワイトスネイクはブルースを基盤としたハード・ロック・バンドであり、その持ち味が遺憾なく発揮された名盤である。
☆307位☆
Mick Taylor/Mick Taylor (1979)
ミック・テイラー/ミック・テイラー
ミック・テイラーのソロ作は、アメリカ南部的な雰囲気に溢れた好盤である。1曲を除いてミック・テイラーの自作であり、ボーカルも本人。ギターはもちろん、作曲センスも歌も申し分なく、ストーンズ時代の曲作りやアレンジでの貢献度は、かなり高かったであろう事が窺える。ひっそりと聞こえる「タイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン」のフレーズが、そう主張しているような。
☆306位☆
Blow Your Face Out/The J. Geils Band (1976)
狼から一撃!/J・ガイルズ・バンド
やっぱりJ・ガイルド・バンドはライブである。スタジオ盤も悪くないが、ライブでの彼らの魅力を伝え切れていなかったように思う。本ライブ盤で、そんなJ・ガイルズ・バンドの素晴らしさを存分に味わって欲しい。収録曲はどれもスタジオ・バージョンより遙かにカッコいいし、演奏のテンションも高い。暑苦しいと言えば暑苦しいかもしれないが、それがJ・ガイルズ・バンドなのだ。
☆305位☆
Tales Of Mystery And Imagination/The Alan Parsons Project (1976)
怪奇と幻想の物語~エドガー・アラン・ポーの世界~/アラン・パーソンズ・プロジェクト
アラン・パーソンズ・プロジェクトは、本作だけの限定と思っていたら、そうではなかった。タイトル通り、エドガー・アラン・ポーの作品を音像化した、実にプログレッシブな発想の、いわゆるコンセプト・アルバムである。15分にも及ぶ「アッシャー家の崩壊」が圧巻だが、その他の曲も、ポーの作品の雰囲気を上手く表現している。「告げ口心臓」とか聴き物。
☆304位☆
Year Of The Cat/Al Stewart (1976)
イヤー・オブ・ザ・キャット/アル・スチュワート
ヒットを狙って制作されたという本作だが、目論みは当たり、タイトル曲は全米トップ10入りした。この曲はアル・スチュワートのみならず70年代を代表する名曲でもあるが、他の曲も同様にややミステリアスな雰囲気を漂わせた佳曲揃いで、一見穏やかそうなアル・スチュワートの持ち味が十二分に堪能出来る名盤と言っていい。
☆303位☆
Horizon/Carpenters (1975)
緑の地平線~ホライゾン/カーペンターズ
「オンリー・イエスタディ」は名曲であり、この曲の為に本作を買う価値は十分にある。「プリーズ・ミスター・ポストマン」を全米No.1に送り込み、絶頂期のアルバムだが、内容とは裏腹に、ジャケットのカレンの沈んだ表情が気になる。イーグルス「デスペラード」の秀逸なカバー、バンドのギタリストとの共作「ハッピー」等々「オンリー・イエスタディ」以外にも聴き物は多い。
☆302位☆
Red/King Crimson (1974)
レッド/キング・クリムゾン
インプロビゼーションを重視していた時期の作品の割には、タイトル曲は細部まで緻密に構築されている。名曲名演には違いないが、この曲をはじめ「堕落天使」「再び赤い悪夢」と続くA面が、とにかく凄い。B面はどうでもよくなってしまうくらい。クリムゾン風メタリックな解釈と構築美は、後進に大きな影響を与えたのではなかろうか。
☆301位☆
Aerosmith/Aerosmith (1973)
野獣生誕/エアロスミス
デビュー・アルバムでのエアロスミスは、ブルースをベースにした新感覚のハード・ロックという方向性ははっきりしているものの、まだまだ発展途上。とはいえ、「ママ・キン」では既にエアロ独自のスタイルが出来上がっているし、コピーのように聞こえる「ワン・ウェイ・ストリート」もオリジナリティ十分。まんまカバーの「ウォーキン・ザ・ドッグ」はオリジナルみたいな雰囲気。
次回は、300位→281位です^^