日々の覚書

MFCオーナーのブログ

ミ・アモーレ

2023年07月30日 20時36分12秒 | 音楽ネタ

唐突だが、中森明菜が去年デビュー40周年だったそうな。早いものである。彼女が登場した時のことは、正に昨日の事のように覚えている。アイドル歌手豊作の年と言われた1982年、小泉今日子、石川秀美、堀ちえみ、早見優など錚々たる顔ぶれが同期にいたが、その中でも中森明菜の実力とスター性は際立っていた。当時、周囲の男どもが、週刊誌のグラビアを見て大騒ぎしていたのを思い出す(笑) 僕はというと、彼女の実力は認めつつも(えらそーに)、彼女自身や歌ってた曲が興味の対象ではなくて、テレビに出てれば見る、程度の存在でしかなかった。ま、その頃の僕のイチ推しは松本伊代だったので^^;、なんとなくお分かり頂けるかと(笑) それが一転したのが「飾りじゃないのよ涙は」だった。

元々、本人の見た目のイメージもあったのだろうが、中森明菜は同年代の歌手と比べると大人びていたというか、歌のテーマもアイドルらしからぬものがあった。それがより顕著になり、明らかに他の歌手と明確に差別化されたのが「飾りじゃないのよ涙は」であり、実際曲自体も衝撃的だったし、その次の「ミ・アモーレ」がこれまた歌謡史に燦然と輝く超名曲だったこともあって、僕にとって中森明菜は一気に注目の存在となったのである。以降、中森明菜はシングルで名曲を連発し、他の歌手たちとは完全に違うステージに進んでいったのだ。

中森明菜は、デビューした頃から、シングル曲の選定や衣装、振り付け等、かなり自分の意見を反映させていたらしいが、それはアルバム制作に関しても同様だったらしい。早い時期から、シングルとアルバムは別物と捉えていたようで、70年代から、歌謡曲の歌手でも、アルバム=シングル集みたいな作り方をしない人たちが増えていたけど、中森明菜はさらにコンセプチャルな方向に向かっていった。ま、要するに、いわゆるアーティスト的なアプローチでレコードを作っていた訳だ。本当は、裏にプロデューサーがいて、彼女は言われるがままに、アーティストっぽく振る舞っていただけではないの、なんて声は当時も聞かれたし、たかがアイドル歌手、なんて言う人も当然多かったし、何が本当なのか、こっちには分からないけど、ただシングル曲の完成度の高さ、ビジュアルも含めてコンセプチャルに作られたアルバム、などから窺えるのは、たとえ有能なブレーンがついていたとしても、中森明菜の作品には確実に彼女の意志が反映されていたのではないか、ということ。当時だって、無理や背伸びをしてる雰囲気はなかったし(同時期に路線変更を余儀なくされた他の歌手には少なからず感じられたが)、その後の一切のぶれや迷いを感じさせない活動を見ても、自身の明確な意志とコンセプトを持っているのは分かる。中森明菜は当時から単なるアイドル歌手ではなかった。

彼女のアプローチで度肝を抜かれたのは、1986年のアルバム『不思議』である。このアルバムで中森明菜が打ち出したコンセプトは、とても歌謡曲系の歌手によるものではない、というか、他のジャンルの歌手でもこういう事はしないであろうものだった。打ち込みを多用した退廃的なサウンドはともかく、ボーカルのレベルをバックトラックと同じにしてしまうなんてね。もちろん、普通に聞いてると歌が聞こえないのだが、歌詞カードを見ながらだと、歌詞やメロディが聞こえてくる、というのも正に不思議。最初、このアルバムを聞いた時は、ちゃんと聞いた事はないが^^;、吉田美奈子のアルバムを連想してしまった。実際、この『不思議』に吉田美奈子も曲提供してるのだが。

と、そんな中森明菜なのであるが、前述したようにデビュー40周年ということで、過去のアルバムが順次再発されている。それも、ワーナー・パイオニアとユニバーサルの両方からである。80年代に所属したワーナーからは、デビュー・アルバムから1988年の『Stock』までが、最新リマスター・ボーナストラック・カラオケCD付きで再発された。まだ続くはず。ユニバーサルからは90年代以降のオリジナル・アルバム9作とカバー・アルバム12作が廉価で再発されている。大変喜ばしい事ではあるが、ワーナー再発のカラオケCDはいらないなぁ(笑) その分、ユニバーサルより高くなるし(笑) カラオケCD付きバージョンと無しバージョンの両方で発売してくれたらいいのに。

という訳で、最近買ったCDから。もちろん明菜です(笑)

CD'87/中森明菜

中森明菜の1986年のシングルすなわち「DESIRE-情熱-」「ジプシー・クイーン」「Fin」「Tango Noir」の4曲とそのB面曲を収録したミニ・アルバム。タイトル通り、当時はCDのみの発売だった。今はLPも出てるらしい。で、今回の再発にあたり、1986年の「ノンフィクション・エクスタシー」が追加収録されている。余談だが、この曲カセットのみで発売されたシングル曲で、当時、この曲の事は全く知らず、後の『Best Ⅱ』に収録された時、ベスト盤用の新曲だと30年以上も思い込んでいた(爆) ま、ここで聴けるのは、個人的には中森明菜が最も充実していたと思われる時期のシングル曲なんで、とにかくクォリティは高いし、申し分ない。ファンならずともお薦めです。

個人的には、「Fin」とB面の「危ないMon Amour」のカップリングがとにかく最高傑作と思っていて、後年聴きたくなってCDを探したけど、「Fin」はともかくB面の「危ないMon Amour」が収録されているCDがなかなか見つからなかったので、この度の『CD'87』の再発は、ほんと嬉しかったです^^ この時期の中森明菜って、山口百恵を思い出してしまう事が多いのだが、「ジプシー・クイーン」のB面の「最後のカルメン」なんて、「謝肉祭」の頃の百恵ちゃんそのものだ。もちろん、良い意味でね。

続いては、

D404ME/中森明菜

1985年の作品。この年、中森明菜は永遠の名曲「ミ・アモーレ」を大ヒットさせ、レコード大賞を獲得したのだが、その「ミ・アモーレ」も本作に収録されてます。但し、シングルとはや違うスペシャル・バージョンだけど。この曲以外はシングル曲未収録のオリジナル・アルバムで、大貫妙子、飛鳥涼、後藤次利、NOBODY、忌野清志郎等々の豪華な顔ぶれが曲を提供しており、実にグレードの高いポップ・アルバムである。中森明菜も表情豊かな歌いっぷりで素晴らしい。特に、大貫妙子提供の2曲(「ENDLESS」「マグネティック・ラブ」)は必聴。

本編に加え、ボーナス・トラックとして「ミ・アモーレ」のシングル・バージョン及びB面の「ロンリー・ジャーニー」、「ミ・アモーレ」のアレンジ・歌詞違いバージョン「赤い鳥逃げた」及びB面の「BABYLON」の計4曲が収録されているのが嬉しい。こういうのをボーナス・トラックの鑑と言わずして何と言うのか(笑) カラオケCDは特に必要ないけど^^; この4曲のボーナス・トラックにより、元々名盤なのにさらに充実度が上がってしまった。どうしましょう(爆)

ところで、何と読むのか分からないアルバム・タイトルだが、当時、このLPを貸してくれた友人は、”出し惜しみ”と読むに違いないと言っていた。で、この度の再発CDには、当時のディレクターによる”制作回想記”が掲載されており、その中にアルバム・タイトルに関する記述がある。それによると、「ちょっと出し惜しみじゃない?」と中森明菜が言ったのが、タイトルのきっかけだった、としっかり書いてある。友人の憶測は正しかった訳だ。ただ、ファンの間では”出し惜しみ(D404ME)”と読むのは知られていたらしい。

最後にこれまた余談だが、中森明菜は1986年の『Crimson』というアルバムで「駅」という曲を発表している。ご存知、竹内まりやの書き下ろしで、後に竹内まりや本人もレコーディングしてヒットした。この「駅」について、今渦中の山下達郎(断るまでもなく竹内まりやの夫である)が、中森明菜バージョンの「駅」に憤慨し、竹内まりやに自ら歌うように、そしてその際のアレンジは自分にやらせてくれ、と働きかけて「駅」のセルフ・カバーが実現した、という話をつい最近知った。山下達郎は、後年、竹内まりやのCDのライナーノーツで、名前は出していないが、とあるアイドル系歌手による「駅」のあまりの解釈のひどさに憤りを感じた、と言ってたそうで、これは誰が見ても中森明菜に対する批判であり、まぁ、公の場でケンカ売ってるみたいなもんで、山下達郎ともあろう人が大人げないというか、いやいや、前からそういう人ですよ、となるのか、ま、ともかく、山下達郎は公然と中森明菜を批判した訳で、よく騒ぎにならなかったものだと感心した次第。中森明菜サイドの反応はどうだったのか? 確かに、この度のジャーズ発言もそうだけど、山下達郎ってそういう人といえばそういう人なんだよね。別にどうでもいいけど(笑)

この「駅」という曲、『Crimson』で初めて聞いたので、本家と比較するも何も中森明菜のバージョンしか知らなかったのだが、第一印象は、暗い曲だなぁ、というもので、中森明菜のカラーにぴったりと言えばぴったり。竹内まりやも、そこいらを見据えて「駅」を書いたらしい。逆に言えば、竹内まりやのカラーではない曲、という気もする。山下達郎は単なるおせっかいか(笑) でも、竹内まりやって、人に提供した曲を後から自分で歌ってるの多いけど、そういうのってどうなの? 提供された歌手にとっては、あまり面白くないのでは、と思うんだけど。ここいらも、山下達郎が裏でけしかけてるっぽい(笑)

という訳で、中森明菜なんである。90年代以降はかなりマイペースな活動になってしまい、カバー・アルバムのシリーズは評判良かったし、充実した活動してるように見えたけど、色々お騒がせな人でもあるみたいで、あまり人前に出てこなくなってしまって、才能があるだけに勿体ない。数年前、NHKの紅白に中継で登場して歌ったのを見たけど、それが実に良かった。老け込んだ様子はないし、声もちゃんと出てたし、まだまだやれる、と思ったけど、また引っ込んでしまった。ほんと、再び表舞台に戻ってきて欲しい、と切に思うのであります。特に熱心なファンではないけど^^;

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MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 220-201

2023年07月22日 18時30分12秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
220位→201位

☆220位☆

Miracle Row/Janis Ian (1977)
奇跡の街/ジャニス・イアン
日本では人気あったジャニス・イアン、本作からもテレビドラマに使われた「ウィル・ユー・ダンス」がヒットした。この曲を含め、収録曲のグレードが高く、また新たな試みもあり、ジャニスはまた一段上のステージに進んだ感があった。タイトル曲は珍しく明るい曲調で始まり、途中からのプログレ的展開には度肝を抜かれる。名盤である。

☆219位☆

Bigger Than Both Of Us/Daryl Hall & John Oates (1977)
ロックン・ソウル/ダリル・ホール&ジョン・オーツ
本作から「Rich Girl」が全米No.1になり、ホール&オーツの人気を決定づけた。"ブルー・アイド・ソウル"の傑作である。ライブでのハイライトとなった「Do What You Want」、二人のソウルフルな掛け合いがカッコいい「Back Together Again」、オシャレな小品「London Luck & Love」等々聴きどころも多い。ホールとオーツのバランスもこの頃は非常に良い。

☆218位☆

Takin' It To The Streets/The Doobie Brothers (1976)
ドゥービー・ストリート/ドゥービー・ブラザーズ
トム・ジョンストン期からマイケル・マクドナルド期への過渡期と言えるアルバム。両方のドゥービーの要素がうまく混在し、非常にコンテンポラリーなロック・アルバムとなっている。カギを握るのは、やはりパット・シモンズか。「8番街のシャッフル」でのギターは注目。「イット・キープス・ユー・ランニン」のようにリズム・ボックスで進行する曲もあってバラエティ豊か。

☆217位☆

All American Alien Boy/Ian Hunter (1976)
流浪者(ながれもの)/イアン・ハンター
元モット・ザ・フープルのイアン・ハンターのソロ転向2作目。ジャコ・パストリアスの参加が意外だが、タイトル曲ではソロも披露したりして、活躍している。音楽的はに特にジャズ的ではなく、シンガー・ソングライター的な作品を、やや都会的なサウンドでまとめている感じ。クイーンのメンバーがコーラスに参加した壮大なバラード「傷心のハイウェイ」は一聴の価値あり。

☆216位☆

Fleetwood Mac/Fleetwood Mac (1975)
ファンタスティック・マック/フリートウッド・マック
バッキンガム・ニックス組を迎えた新生マックの第一弾。1年かけて全米No.1になり、『噂』の下地を作った。実際、音楽的にも本作で確立されたサウンドが『噂』に展開された、と言えなくもない。マックの原点はここにある。「マンデイ・モーニング」「セイ・ユー・ラブ・ミー」「リアノン」といった楽曲が、そのことを証明している。曲の出来も『噂』より上と思う。

☆215位☆

History-America's Greatest Hits/America (1975)
アメリカの歴史/アメリカ
3人のアメリカ人によってイギリスで結成されたアメリカの、デビュー曲「名前のない馬」から1975年までの道程を記録したベスト盤。「アイ・ニード・ユー」「魔法のロボット」「ベンチェラ・ハイウェイ」等々名曲目白押しだが、その頂点で燦然と輝いているのが「金色の髪の少女」である。70年代を代表する名曲。哀愁を帯びたイントロがたまらない。

☆214位☆

The Original Soundtrack/10cc (1975)
オリジナル・サウンドトラック/10cc
名曲「アイム・ノット・イン・ラブ」を含む出世作。この曲と組曲「パリの一夜」ばかりが注目されるが、実は他の曲も佳曲揃いである。スライドがうなる「ゆすり」、ハードに展開する「二度目の最後の晩餐」、映画音楽みたいな「我が愛のフィルム」等、印象的な曲が多い。が、大手移籍第一弾という事で、緊張感もあったのか、やや毒気が薄いのは否めない。

☆213位☆

It's Only Rock 'N' Roll/Rolling Stones (1974)
イッツ・オンリー・ロックンロール/ローリング・ストーンズ
タイトルはストーンズの本懐ってとこだが、アルバム全体としては、いかにもロックンロールみたいな曲は少なく、「タイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン」「マイ・フレンド」のようなスローでメロウな曲の出来が良くて印象も強い。根底には、いつもと違う黒っぽさを感じる。ラストの「フィンガープリント・ファイル」は、これまでになかった曲調で衝撃的。

☆212位☆

On The Border/Eagles (1974)
オン・ザ・ボーダー/イーグルス
本作からドン・フェルダーが加入し、演奏面が強化された。とはいえ、バーニー・リードンによるカントリー風味は残っており、ロック的方向性との双方が共存する貴重なアルバムと言える。「過ぎた事」「ミッドナイト・フライヤー」はカントリー風、「オン・ザ・ボーダー」「地獄の良き日」はロック寄り、「恋人みたいに泣かないで」は隠れた名曲。

☆211位☆

Brothers And Sisters/The Allman Brothers Band (1973)
ブラザーズ・アンド・シスターズ/オールマン・ブラザーズ・バンド
デュアン・オールマンとベリー・オークリーを続けて失ったオールマンズだが、もう一人のギターの代わりにチャック・リーベルが加入したのが功を奏した感じ。カントリー・テイストの曲もあるが、ブルースを軸に展開していく作風に変化はない。「カム・アンド・ゴー・ブルース」「サウスバウンド」といった曲で見せるカッコ良さこそ、彼らの真骨頂と思う。

☆210位☆

Who Do We Think We Are/Deep Purple (1973)
紫の肖像/ディープ・パープル
何故か評価の低いアルバムだが、「ウーマン・フロム・トーキョー」「スムース・ダンサー」など曲の出来も良く好盤と思う。定番となり得るナンバーが少ないので、地味な印象なのは否めないが、きちんと聴けば決して悪くない。少なくとも、発表から今に至るまで、まともに聴かれもせず、評価もされなかった不幸なアルバムである。

☆209位☆

The Singles 1969-1973/Carpenters (1973)
シングルス1969-1973/カーペンターズ
文字通りのベスト盤だが、再レコーディングされた曲やリミックスされた曲もあり、単にシングルを集めたベスト盤ではない。これは賛否両論だっただろう。ただ、意図は分からないが、カーペンターズの世界は十二分に堪能出来る。そして、一見華やかなヒット曲の影にある憂いを巧みに表現するカレンの歌も。彼女こそ正に不世出のシンガーである。

☆208位☆

Naked Songs/Al Kooper (1972)
赤心の歌/アル・クーパー
スーパー・セッションやBS&Tの結成など、ロック界に大きな足跡を残したアル・クーパーは、地味だけど自身の志向を100%反映したソロ・アルバムを出していて、名曲「ジョリー」を含む本作は、その中でも最も有名なのではなかろうか。ゴスペルチックな「自分自身でありなさい」、ピアノによるイントロとオルガンがカッコいい「君はどこへ」など佳曲多し。頼りなげなボーカルも味わい深い。

☆207位☆

Free Live!/Free (1971)
フリー・ライブ!/フリー
若い割にはブルースの求道者みたいなイメージがあるフリーだが、このライブ盤では突き抜けている。実に伸び伸びと演奏しているように思えるのだ。定番曲ばかりだが、オープニングの「オールライト・ナウ」はかなりアレンジを変えていて、正直こちらの方がカッコいいと思う。スタジオ録音の新曲「ゲット・ホエア・アイ・ビロング」にアメリカ志向が見て取れる。

☆206位☆

Tumbleweed Connection/Elton John (1970)
エルトン・ジョン3/エルトン・ジョン
かなりアメリカ南部に接近した音作りとなっている。ザ・バンドの影響もあったらしいが、決して物真似ではなく、エルトンならではのアメリカ音楽であるのが素晴らしい。個人的には「過ぎし日のアモリーナ」が一推しだが、カバーの多い「故郷は心の慰め」やライブのハイライト「布教本部を焼き落とせ」も良い。エルトン初期の名盤。レスリー・ダンカンのカバー「愛の歌」も名曲。

☆205位☆

New York Tendaberry/Laura Nyro (1969)
ニューヨーク・テンダベリー/ローラ・ニーロ
ポップなメロディの曲はあまりなく、暗く静かな情念が渦巻くアルバム。ほとんどのトラックは、ローラの歌とピアノのみで構成されており、決して聴きやすくはないが、一度針を落としてしまうと、最後まで引き込まれてしまう。というか、途中で止める事を許さない何かがある。本作でのローラは聴く者に作品と対峙する覚悟を要求するが、それは決して苦痛ではない。

☆204位☆

Jump Up/Eltpn John (1982)
ジャンプ・アップ/エルトン・ジョン
70年代終わり頃から迷走していたエルトンが放った起死回生の一枚。かつてのエルトンらしさが戻り、収録曲のグレードも高く、躍動感溢れるバンド演奏も相俟って、実に若々しく活気に満ちたアルバムである。久々にバーニーと組んだ「エンプティ・ガーデン」はエルトンの五指に入る名曲。他の曲も捨て曲なし。もっと評価されてもいい名盤。

☆203位☆

Greatest HIts Volume Two/Linda Ronstadt (1980)
グレイテスト・ヒッツVol.2/リンダ・ロンシュタット
リンダがヒットチャートの常連だった70年代後半のシングル曲を集めたベスト盤。悪かろうはずがない。「イッツ・ソー・イージー」「ブルー・バイユー」のようなウエスト・コースト・サウンドと「お願いだから」のようなニュー・ウェーブ路線が、違和感なく同居してしまうのが、歌手リンダの凄いところ。改めてその歌唱力に脱帽である。とにかく聴け。

☆202位☆

8:30/Weather Report (1979)
8:30/ウェザー・リポート
ジョー・ザビヌル、ウェイン・ショーター、ジャコ・パストリアス、ピーター・アースキンという黄金期のメンバーによるライブ盤。スタジオ盤とはひと味違うアグレッシブな感じの「ブラック・マーケット」で始まるオープニングが、とにかく圧倒的に素晴らしく言葉もない。各自のソロ・パートもあるが、基本的にはアンサンプル重視、そしてジャズの枠に収まりきれない多様性が持ち味。

☆201位☆

Down Two Then Left/Boz Scaggs (1977)
ダウン・トゥー・ゼン・レフト/ボズ・スキャッグス
ボズをオシャレなAORアーティストとするなら、そのイメージに一番ピッタリくるのが本作だろう。とにかくオシャレで洗練されててカッコいい。フュージョン的方法論も取り込んだバンド演奏も、オシャレ度アップに大きく貢献している。「ホワッチャ・ゴナ・テル・ユア・マン」など、その典型。「ハリウッド」「1984」といった曲は、オシャレ系ではないがカッコいい。

次回は200位→181位です。いよいよ200位圏内に入ってきました^^

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MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 240-221

2023年07月09日 22時28分01秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
240位→221位

☆240位☆

The Allnighter/Glenn Frey (1984)
オールナイター/グレン・フライ
テレビドラマの元ネタになった「スマグラーズ・ブルース」、一時期AORコンピの常連だった「ラバーズ・ムーン」を含む。ちょっとお調子者で女好き、というグレン・フライのイメージそのまま(個人の感想です)。軽いR&B風味とヤンキーなノリ、漂うB級感。名盤とまではいかないが、手元にいつも置いておきたいアルバムである。

☆239位☆

Sports/Huey Lewis & The News (1983)
スポーツ/ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース
本作で、彼らは80年代アメリカン・ロックの代表的存在となった。オーソドックスな雰囲気の曲が多いが、デジタル風味のサウンドで新鮮に聞こえる。正に80年代。なんといってもヒューイ・ルイスの声が素晴らしいが、他のメンバーもなかなかの力量である。「ハート・アンド・ソウル」「アイ・ウォント・ア・ニュー・ドラッグ」「いつも夢見て」と名曲が並び圧巻。

☆238位☆

Thriller/Michael Jackson (1982)
スリラー/マイケル・ジャクソン
80年代を象徴する大ベスト・セラーであり、9曲中7曲がシングル・カットされたが、残りの2曲「ベイビー・ビー・マイン」「レディ・イン・マイ・ライフ」がこれまた名曲。聴き物は「スタート・サムシング」で、延々と続く無機質なビートに乗ってマイケルの歌だけで盛り上げていく。本当にマイケルは凄い。本作もスタイルとしてはブラコンだが、マイケル唯一無比の世界。

☆237位☆

Foot Loose & Fancy Free/Rod Stewart (1977)
明日へのキック・オフ/ロッド・スチュワート
初めて聴いた時、「ホット・レッグス」「まともじゃないよ」「胸につのる想い」の冒頭3連発に脳天直撃され、すっかり虜になった。B面の「キープ・ミー・ハンギン・オン」「イフ・ラビング・ユー・イズ・ロング」とソウルの名曲カバー2連発も素晴らしい。本物のロッカーがここにいる。この頃のロッドが一番良かったと思ってしまうのは良くないことなのだろうか。

☆236位☆

Balin/Marty Balin (1981)
恋人たち/マーティ・バリン

ポール・カントナーと共にジェファーソンの双頭だったマーティ・バリンが、1981年に突如放った「ハート悲しく」のヒットは、衝撃的であり意外でもあった。が、センチメンタルなこの曲は名曲である。他の曲はセンチな曲は少なく、ロック色の強いAORという雰囲気。案外当時のトレンドだったかも。バリンはカントナーとは違う道を歩んでいったのだった。

☆235位☆

Strangers In The Night/UFO (1979)
UFOライブ/UFO
メンバー変遷の多いバンドだが、この名作ライブ盤のメンバーがベスト・メンバーと思う。とにかく、白熱した演奏にだだただ引き込まれる。マイケル・シェンカーも伸び伸びと弾きまくっているし、収録曲も定番かつ名曲ばかり。最盛期のUFOを完パケしたライブ盤であり、多くのロック少年の人生を左右したアルバムではなかろうか。

☆234位☆

Off The Wall/Michael Jackson (1979)
オフ・ザ・ウォール/マイケル・ジャクソン
プロデューサーは同じクインシー・ジョーンズだが、このアルバムはまだソウルである。ロック系にも訴えるものはあったけどソウルであり、聴き物は「ロック・ウィズ・ユー」。マイケル最高の名曲名演と言っていいのでは。他の曲もダンサブルでメロウで素晴らしい。古き良きモダンなソウル。「あの娘が消えた」はなくてもいいかも。

☆233位☆

Jeff Beck With The Jan Hammer Group Live/Jeff Beck (1977)
ライブ・ワイヤー/ジェフ・ベック
前年の『ワイヤード』の成功で絶頂期を迎えていたジェフ・ベックが、ヤン・ハマー・グループに帯同したツアーのライブ盤。ベック側には無断で出されたらしいが、インスト中心でこの時点での代表曲もたっぷり聴けるし、ヘックとハマーの絡みもあるし、当時のファンからすると有り難いリリースだった。途中に「トレイン・ケプト・ア・ローリン」のフレーズを繰り出す「蒼き風」がカッコいい。

☆232位☆

Greatest Hits/Linda Ronstadt (1976)
グレイテスト・ヒッツ/リンダ・ロンシュタット
なんたってリンダである。悪かろうはずがない。名曲ばかりだし、リンダの歌がまた素晴らしく、まるで自分で書いた曲のように、独自の世界にしてしまっている。実に素晴らしい。いかにもウェスト・コーストという雰囲気の音も良い。モータウン・カバーも良いが、ニール・ヤング、エリック・カズといったシンガー・ソングライター系のカバーがやはり良い。

☆231位☆

Children Of The World/Bee Gees (1976)
チルドレン・オブ・ザ・ワールド/ビージーズ
ビージーズが最初から"ディスコ"として作ったのが、「ユー・シュッド・ビー・ダンシング」だと思う。この曲でスタートする本作は、ハイパーな魅力に溢れた傑作である。シンセ中心のアレンジ、ファルセットの多用、4つ打ちのビート、シンプルでキャッチーなリフレイン、全てが”ディスコ”を目指している。『サタデイ・ナイト・フィーバー』のディスコとは少し違うけど。

☆230位☆

The Hungry Years/Neil Sedaka (1975)
ハングリー・イヤーズ/ニール・セダカ
70年代半ばに復活したニール・セダカ、全米No.1になった「バッド・ブラッド」を含むアルバム。基本的な作風は変わらず、ウェスト・コースト風だったりアメリカーナ風だったり、とバラエティに富んだ曲調にポップなメロディが映える傑作。キャプテン&テニールでお馴染みの「ロンリー・ナイト」もあるが、がらりと雰囲気を変えた「悲しき慕情」のセルフ・リメイクも面白い。

☆229位☆

Prisoner In Disguise/Linda Ronstadt (1975)
哀しみのブリズナー/リンダ・ロンシュタット
この頃、つまり70年代中頃のリンダが一番良かったかもしれない、なんて思ってしまう傑作。この音、リンダの歌、どれも素晴らしい。「ジューク・ボックスの歌」は名曲である。「メニー・リバース・トゥー・クロス」を取り上げているのも当時のトレンドか。ホイットニーでお馴染みの「アイ・ウィル・オールウェイズ・ラブ・ユー」も聴ける。

☆228位☆

Love Is The Ansewr/Van McCoy & The Soul City Symphony (1974)
ラブ・イズ・ジ・アンサー/バン・マッコイ&ザ・ソウル・シティ・シンフォニー
バン・マッコイのアブコでのリーダー・アルバム第一弾。当時のヒット曲のインスト・カバーが中心で、バン・マッコイのオリジナルは1曲のみだが、その1曲が「アフリカン・シンフォニー」であり、後に吹奏楽の定番レパートリーとなった名曲。全体的にちょっとダンサブルなイージー・リスニングといった趣だが、タイトル曲はなかなかの佳曲である。

☆227位☆

Sweet Fanny Adams/Sweet (1974)
スイート・ファニー・アダムス/スイート
チン=チャップマンのプロデュースでヒットを放っていたスイートだが、おそらくオリジナル・アルバムは本作が最初。大半がメンバーのオリジナルで、スイート自体が実力をつけてきたのが分かる。「Set Me Free」「Heartbreak Today」「Sweet FA」などのオリジナルの出来が良い。彼ら独特のスタイルも確立されており、スイートは飛躍の時を迎えていた。

☆226位☆

Music From Macbeth/Thrid Ear Band (1972)
マクベス/サード・イアー・バンド
サード・イアー・バンドの3作目にして、ロマン・ポランスキー監督の『マクベス』のサントラ盤でもある。バイオリンやオーボエを含む、およそロック・バンドとは思えない編成で、ロックというより中世の音楽を再現しているバンドだが、そういう意味ではこの映画の音楽担当にはうってつけ。見ていないが、場面が目に浮かぶようだ。

☆225位☆

Ululu/Jesse Ed Davis (1972)
ウルル/ジェシ・エド・デイビス
ジョージ・ハリスンのアルバムでも名前を見かけるジェシ・エド・デイビスのソロ2作目。アメリカ南部どっぷりの音で、ソングライターとしても有能なジェシのボーカルとギターを堪能出来る、正にアメリカン・ロックの隠れた名盤。感動的なタイトル曲、不気味な雰囲気の「Red Dirt Boogie Brother」、ジョージ・ハリスン作の「Sue Me Sue You Blues」あたりが推しトラック。

☆224位☆

Rubber Soul/The Beatles (1965)
ラバー・ソウル/ビートルズ
前作あたりから表現領域を拡げてきたビートルズが、ビート・バンドとしてのフォーマットで作った最後のアルバム。「ミッシェル」「イン・マイ・ライフ」など、今までになかった作風の曲を、バンド形態で演奏している。他の収録曲も、ビートよりはメロディやハーモニーを強調したものが目立ち、今までにない雰囲気を醸し出している。地味だが名盤。

☆223位☆

Greatest Stars On 45 Vol.1/Stars On 45 (1996)
ショッキング・ビートルズ~スターズ・オン45 Vol.1/スターズ・オン45
1981年、突如ヒットチャートを席巻したビートルズ・メドレーは、各方面に影響を及ぼし、数々の亜流が登場して(中には本家によるものもあったが)チャートを賑わせた。メドレーの本家スターズ・オン45はオランダ発で、メドレーに使用したテイクは短くても録音はフルサイズだった、という話もあり、ユニークなアイデアと綿密な構成はさすがプロの仕事。

☆222位☆

Greatest Hits/The Human League (1995)
ニュー・グレイテスト・ヒッツ/ヒューマン・リーグ
80年代のエレクトロ・ポップの代表格だが、そのサウンドは意外と現在の耳で聴いても、古さを感じさせない。当時から楽曲重視で、最先端に走ったりしなかったせいか。確かに「愛の残り火」「ミラーマン」「ヒューマン」といったヒット曲は、メロディが耳に残る名曲たちであり、だからこそ今でもエバー・グリーンとして生き続けているのである。

☆221位☆

Stage/David Bowie (1978)
ステージ/デビッド・ボウイ
1978年のツアーの音源で編集されたライブ盤。本作が日本発売された直後、ボウイの来日公演が実現し、レコードで体験した世界を日本のファンは生でも体験出来たのだった。レコードと実際のライブでは若干内容が違うらしいが、ライブ盤と来日公演のテレビ放映で感じた、圧倒的な音圧、演奏の迫力、派手な照明等は今でも記憶に新しい。

次回は、220位→201位です^^

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MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 260-241

2023年07月02日 09時12分07秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
260位→241位

☆260位☆

Give Out But Don't Give Up/Primal Scream (1994)
ギブ・アウト・バット・ドント・ギブ・アップ/ブライマル・スクリーム
アルバム毎に方向性を変える事で有名なバンドだが、本作ではあのトム・ダウドをプロデューサーに迎え、アメリカ南部的サウンドを作り上げてしまった。これが案外良い出来で、特に冒頭の2曲はサザン・ロックのバンドと比較しても、ひけは取らないのでは、と思ってしまう。このバンドの本質はどこにあるのか、という事を気にしなければ、アメリカン・ロックとして十分楽しめる。

☆259位☆

Common Thread : The Song Of The Eagles/Various Artists (1993)
コモン・スレッド~ソングス・オブ・イーグルス
ドン・ヘンリーが提唱した森林保護プロジェクトのベネフィット・アルバムで、当時のカントリー界のスターが集結したイーグルスのトリビュート・アルバム。話題性も内容も売上も、90年代に多く出たトリビュート・アルバムの中では一番ではなかろうか。「テイク・イット・イージー」はもちろん「いつわりの瞳」等カントリー風味の曲が多く収録されているのも良い。

☆258位☆

Wandering Spirit/Mick Jagger (1993)
ワンダーリング・スピリット/ミック・ジャガー
ミック・ジャガーのソロ3作目は、リック・ルービンをプロデューサーに迎え、ストレトーなロック路線を打ち出してきた。まだまだミック・ジャガーはこのスタイルで通用する、という事を世間に知らしめる結果になったのでは。全編にみなぎる躍動感が素晴らしい。バンドの音もタイトだし、自身によるオリジナル曲も粒より。「Use Me」「Think」といったカバーもカッコいい。

☆257位☆

Duets/Elton John (1993)
デュエット・ソングス/エルトン・ジョン
1曲を除いてエルトンとゲストによるデュエット・アルバム。当時の若手からベテランまで、豪華なメンバーと共演している。何でも、企画から出演交渉、選曲、レコーディングまで2ヶ月ほどで済ませてしまったらしい。バラエティに富んだ顔ぶれによる、実に楽しいアルバムになっている。特に。エルトン憧れのリトル・リチャードとの「パワー」が聴き物。

☆256位☆

Erotica/Madonna (1992)
エロティカ/マドンナ
タイトルから連想されるようなセクシー路線ではない。しかし、これまでのマドンナとは違うイメージ。ボトムを効かせたバック・トラックが新境地を物語っている。タイトル曲はじめ4曲がシングル・カットされたが、なかでも「Deeper And Deeper」は名曲。ダンス系からの脱皮は成功し、ポップ・クイーンとしてのマドンナの代表作となった。

☆255位☆

Carry On/Crosby, Stills & Nash (1991)
キャリー・オン/クロスビー、スティルス&ナッシュ
CSNの4枚組ボックス・セットを2枚に集約したもの。デビューから1991年に至るまでのグループ及びソロの音源も収録。1977年及び1982年の音源が個人的はに嬉しい。まとめて聴いていると、スティーブン・スティルスの凄さがよく分かり、やはり中心はこの人だったのだな、と実感する。スティルスのソロ「愛への讃歌」は名曲。

☆254位☆

Backlash/Bad English (1991)
バックラッシュ/バッド・イングリッシュ
バッド・イングリッシュの2ndは、ギターを全面に出してハード・ロック色を強めているが、ニール・ショーンはそれでも不満だったらしく、結局本作はバンドのラスト作となった。ハードな中にもメロディアスな曲も多く、ジョン・ウェイトのボーカルも素晴らしい。というか、ジョン・ウェイトのバンドとして、メンバーを変えながらも続けた方が良かったのでは、とつい思ってしまう。

☆253位☆

Wilson Phillipps/Wilson Phillipps (1990)
ウィルソン・フィリップス/ウィルソン・フィリップス
当時は、ブライアン・ウィルソンとジョン・フィリップスそれぞれの娘たちがグループ結成してデビュー、と聞いて時代を感じたものだ。このデビュー作でも親譲りというか、爽やかなハーモニーが心地良く、収録曲も出来が良いので、単なる親の七光りでないことはすぐ分かる。全米No.1となった「ホールド・オン」は名曲だが、他の曲も素晴らしい。

☆252位☆

Mind Bomb/The The (1989)
マインド・ボム/ザ・ザ
ザ・ザの事は何も知らないが、実に緊迫感に溢れたアルバム。ロックではあるが、肉体より精神に訴えかけてくるものがある。特に冒頭4曲(「Good Morning Beautiful」「Armageddon Days Are Here」「The Violence Of Truth」「Kingdom Of Rain」)は完璧。ジョニー・マーらが参加したバンドの演奏も静かではあるがテンション高い。

☆251位☆

The Other Side Of The Mirror/Stevie Nicks (1989)
アザー・サイド・オブ・ザ・ミラー/スティービー・ニックス
スティービーのソロ4作目。ワンパターンと言えばそれまでだが、安定の内容である。80年代的なサウンド・メイクではあるが、曲の雰囲気はアーシーな感じで、スティービー=ロック・クイーンのイメージを貫いているのが、成功の要因と思う。実際、本作は曲のクォリティも高く、スティービーのソロ作の中でも、3本指に入ると言っても過言ではない。

☆250位☆

Rick Springfield Greatest Hits/Rick Springfield (1989)
グレイテスト・ヒッツ/リック・スプリングフィールド
シンガー・ソングライターとしてデビューしたがヒットが出ず、ルックスを買われてテレビ・ドラマに出演したら評判となり、その勢いに乗って出した曲が大ヒット、と福山雅治みたいな経歴のリック・スプリングフィールドであるが、本ベスト盤でも分かるように、曲作りの才能は十分、どの曲もキャッチーでフックが効いていて素晴らしい。

☆249位☆

Gatecrashing/Living In A Box (1989)
ゲイトクラッシング/リビング・イン・ア・ボックス
いわゆる80年代UKソウルのグループで、本作もオシャレでゴージャスに仕上がっているが、決して軟派な雰囲気ではなく、芯の通ったものを感じさせるサウンドと言っていい。収録曲の出来も良いし。どういう繋がりか知らないが、ブライアン・メイが「Blow The House Down」に参加しており、このソロがなかなか名演である。

☆248位☆

Eat Me In St. Louis/It Bites (1989)
イート・ミー・イン・セントルイス/イット・バイツ
イット・バイツの3作目にしてラスト作。曲自体の出来も良く、分かりやすくもプログレ風味たっぷり、ユーモア精神も旺盛で、素晴らしいアルバムと思う。「Murder Of The Planet Earth」「Sister Sarah」も良いが、何と言っても「Still Too Young To Remember」であろう。この曲は名曲である。この曲の存在が本アルバムの価値を高めているのは否定出来ない。

☆247位☆

What You Don't Know/Expose (1989)
恋のダンス・パラダイス/エクスポゼ
3人組ガール・グループ、エクスポゼの2nd。1stのチャカポコ感は薄れたが、曲もアンサンブルも良く、彼女たちの歌いっぷりも素晴らしい。実に聴きやすい好盤である。ルイス・A・マルティニーだけでなく、他のソング・ライターの曲も取り上げているのが功を奏したと思う。「Stop, Listen, Look & Think」「Still Hung Up On You」あたりが聴き物。

☆246位☆

Provision/Scritti Politti (1988)
ブロビジョン/スクリッティ・ポリッティ
このグループは、何故か『キューピッド&サイケ85』の評価は高いが本作は無視されている。曲の出来やサウンドもこちらの方が上と思うのだが。路線としては特に変わらぬデジタルな打ち込みファンク、それにグリーン・ガートサイドの頼りなげな歌が乗ると、独特の世界になる。「Boom! There She Was」「Philosophy Now」あたりが聴き物。

☆245位☆

Reach For The Sky/Ratt (1988)
リーチ・フォー・ザ・スカイ/ラット
メジャー4作目、前作の不評をものともせず、ラットはまた傑作をものにした。新人バンドのようにフレッシュでありながら風格さえ感じさせる出来映えである。曲のクォリティも高く、ラット独特の世界を築いており、そのスタイルは唯一無比。「Way Cool Jr.」でホーンを導入するなど、新機軸も見せているが、そのスタンスはぶれる事はない。ラットンロール!

☆244位☆

Negotiations And Love Songs 1971-1986/Paul Simon (1988)
ネゴシエイションとラブ・ソング1971-1986/ポール・サイモン
ソロ・デビューから『グレイスランド』までの曲が年代順に並ぶベスト盤。スカやアフリカン・ビートを取り込んだり、ニューヨークの一流セッションマンをバックに歌ったり、さりげなく社会的テーマを挿入したり、実はポール・サイモンは変革を続けるロッカーなのであった。「僕とフリオと校庭で」「追憶の夜」など名曲も多い。『ハーツ・アンド・ホーンズ』から3曲は意外な驚き。

☆243位☆

Wow!/Bananarama (1987)
WOW!/バナナラマ
ガール・グループには違いないが、その立ち位置が曖昧だったバナナラマ。本作では当時売れっ子だったブロデューサーチーム、ストック・エイトキン・ウォーターマンと組んで、自分たちの個性も反映させたキャッチーなダンス・ポップを聴かせる。アイドルみたいに見せていたが、実は案外したたかだった。「I Heard A Rumor」は80年代を代表する名曲。

☆242位☆

Three Hearts In The Happy Ending Machine/Daryl Hall (1986)
ドリームタイム/ダリル・ホール
ダリル・ホールにとっては2枚目にあたるソロ・アルバム。デュオとは違い、パーソナルな雰囲気の曲が並ぶ好盤である。「ドリームタイム」がヒットして新たな代表曲となったが、他の曲も良い出来で躍動感溢れるニューウェイブ的サウンドも素晴らしい。あくまでも、ソロとしてのダリル・ホールの姿であり、決してデュオとイコールの世界ではない。

☆241位☆

Volume One/The Honeydrippers (1984)
ボリューム・ワン/ハニードリッパーズ
ロバート・プラントが、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベック、ナイル・ロジャースらをバックに、ロックンロールのスタンダードを歌ったアルバム。元々エルビスのファンだったという事もあり、実にハマっている。フィル・フィリップスのカバー「シー・オブ・ラブ」がヒットしたが、このアルハムで初めてじっくり聴いたような気がする。新たなファンを開拓し往年の名曲に再び光を当てた、実に有意義なアルバム。

次回は、240位→221位です^^;

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