日々の覚書

MFCオーナーのブログ

栄光のロング・ラン

2021年10月23日 11時58分05秒 | 音楽ネタ

いきなりだが、決してマイナーな存在ではないのに、アルバムが入手困難というアーティストは内外問わず多い。超メジャーではないが、売れていた時期もあったので、ベスト盤なら下手すりゃ数種類出てたりするのだが、オリジナル・アルバムはまず見かけない、というアーティスト(バンド)たち。超メジャー或いは逆にアングラな存在の方が需要が多いのか、そっち方面のアーティストのアルバムはよく見かけるし、5~6年毎に再発されたりもしている。が、そこそこ有名、という程度だと、たまに名盤復活キャンペーンみたいなのに乗じて再発される事もあるが、ま、普段はまず見かける事はない。リマスター盤とかアニバーサリー・エディションという形での再発もほとんどない。タワーやHMVとかのネット通販で探すと、見つかるのだが、注文不可になってたりする。いつのまにか、洋楽(ロック)も歴史が長くなり、作品の数も膨大であろうから、それら全てを商品化するのは不可能なのだろうというのは想像出来るが、もうちょっと何とかならないのか、とオヤジは思うのである(笑)

で、リトル・リバー・バンドである。オーストラリアが誇る国民的バンドであるリトル・リバー・バンドのアルバムも、大半が入手困難だ。ベスト盤なら入手可能だが、オリジナル・アルバム特に70年代から80年代にかけて、つまりヒット連発で全盛期だった頃のアルバムは、まず手に入れるのは難しい。2イン1とかの形態では見かける事もあるが、オリジナルの形ではない。何故なのか。隠れた名盤とか入手困難盤限定復刻、といった企画で再発されたのは過去にもあるが、当然話題にもならないし、レコード会社もキャンペーン張ったりとかして宣伝してる訳でもないので、こっちが知らないうちに予定枚数が終了してたりする。正に、見かけたら買っておけ状態。そんな状況が何十年も続いている訳だが、最近ようやく一枚リトル・リバー・バンドのアルバムを手に入れた。なんたる幸運。ユニバーサルの『続・ロック黄金時代の隠れた名盤 1976-1985編』のラインナップに入れて貰えたおかげです(笑)

First Under The Wire/Little River Band

という訳で、改めて紹介すると、リトル・リバー・バンドが1979年に発表した通算5作目。原題と邦題はほとんど関係ないが、おそらくイーグルスの『ロング・ラン』にあやかったのではないかと(笑) どっちが先に出たか、なんてのは今となっては覚えてないし、どうでもよろしい(笑) このアルバムから「ロンサム・ルーザー」と「クール・チェンジ」の2曲の全米TOP10ヒットが生まれ、アルバム自体もアルバム・チャートで最高10位を記録した。正に、リトル・リバー・バンドの代表作と言っていい。

思い返せば、この頃のリトル・リバー・バンドは、ほんと絶好調で、前年の1978年に「追憶の甘い日々」と「レイディ」の2曲を連続で全米TOP10に送り込んで一躍人気バンドとなっていた。特に「追憶の甘い日々」なんて、あのフランク・シナトラが「70年代最高の曲」と絶賛したくらいの大名曲で、僕も実は「追憶の甘い日々」にノックアウトされてリトル・リバー・バンドに注目したのだが、トドメを刺されたのは次の「レイディ」だった。LP買えないから^^;、ドーナツ盤を買ったのだが、これがなんと「追憶の甘い日々」と「レイディ」の両A面シングルで、めちゃめちゃお得でコスパ最強、毎日のように聴いてたな(笑) 高校1年~2年頃だった(爆)

その勢いに乗って発表されたのが『栄光のロング・ラン』であり、前述したようにベストセラーとなって、リトル・リバー・バンドはスターダムに駆け上がった、と言いたいところだが、売れてる割には地味な感じはあったかな。スターっぽくないというか。『栄光のロング・ラン』の後、ライブ盤を挟んで1981年に出した『光ある時を』も、TOP10ヒットを2曲出してて、当時はアメリカでも確実に人気はあったはずだが^^; 日本では、知る人ぞ知るという感じだったな。ただ、そこそこFMでもかかってたと思う。

ま、とにかく、70年代から80年代にかけての時期、リトル・リバー・バンドは名曲を連発し、ヒットチャートでも成功を収めた。その後、メンバー・チェンジ等もあり、アメリカでは80年代後半からヒットが出なくなったけど、本国オーストラリアでは高い人気を維持し続けて、現在でも国民的バンドとして活躍しているそうな。ただ、全盛期のメンバーはほとんど残ってないみたいだけど^^; アルバムも、90年代以降はすっかり寡作になってしまったが、新作は発表している。

で、ようやく『栄光のロング・ラン』の話になるのだが(笑)、全盛期の頃の作品であるから、素晴らしい内容であるのは当たり前、シングル・ヒットした2曲以外にも、良い曲が多い。ロックと言うには物足りないが、AORと呼ぶにはいなたい、そんな正にソフト路線のリトル・リバー・バンドの世界を堪能出来ます。くどいうようだが、とにかく曲が良い。何度も言ってるけど^^;、ソフト路線または中道路線であるが、よくよく聴いてると、ここまで中道を貫き通したバンドも稀なような気がする。当時もあまりいなかったような。今の耳で聞くと意外と個性的なのかも。個人的には、シングル曲以外だと、「魔力の女」とか「バイ・マイ・サイド」とかお薦め。

リトル・リバー・バンドの旧作、特に70年代の作品をもっと再発して欲しいです。よろしくお願いします(誰に言ってるのか、ってやっぱユニバーサルの重役しかないよね。笑)

他には、こんなのも。

Welcome 2 America/Prince

プリンスが生前に完成させていたアルバムが、今年になって陽の目を見た、と言っていいのか。2010年に録音されていたらしい。こういう場合、亡くなった後に音源とか発見されて、発売するにしても、アルバム・タイトルとかジャケット・デザインとか曲順とかミックスとかアートワークとか、どのようにして決定してるのだろう? プリンスのことだから、そういうのはきちんと指示書とか残してるのかな?^^:

ま、実に多作な人だったから、死後も続々と未発表音源が出てくるのでは、と思ってたけど、本作とか、何故2010年の時点で発表しなかったのだろう? 色々と謎の多い人だ。

僕としては、『1999』とか『サイン・オブ・ザ・タイムス』といった80年代の名作をリマスターで聴いて、改めて凄い人なんだなぁ、なんて認識を新たにしてるうちに、21世紀の作品も聴いてみたいな、なんて思うようになり、この『Welcome 2 America』を買ってみた訳だが、やや違和感はある。悪いというのではなく、さすがに昔とは音や声が違うというあたりかな。昔は必ずと言っていいほど入ってた独特の打楽器(?)の音とか、そういう、ブリンス印みたいなのが聴かれなくて、そこにかすかに違和感があっただけで、内容としてはなかなか。正に、80年代とは違う21世紀のプリンス。作風も少し変わったかな。ただ、なんとなく、油分が抜けたように感じるのは僕だけ?(笑)

同郷のソウル・アサイラムの曲をカバーしてたりなんかして、明らかにプリンスの曲ではないのは分かるんだけど、違和感なく聴かせてしまうのはやっぱり凄い。やっぱりプリンスだけのことはある。良いアルバムと思います^^ ほんと惜しい人を亡くしたものだ、と今でも思う。

Backlash/Bad English

こないだ紹介したバッド・イングリッシュの2ndにして最終作。成功した1stの作風を踏襲しつつも、メロウ系の曲を減らし、ハードに迫る内容。実にロック・バンドらしくて良いアルバムだと思うんだけど、1stとは違い売れなかったようだ。リリースされたのは1991年、ニルバーナの『ネバー・マインド』がベスト・セラーになった年だっただけに、時代の要求には合わなかったのだろうが、CDライナーによると、本作が完成した時、既にバンドは崩壊していて、アルバム発表に伴うプロモーションもツアーも行われなかったらしい。それが原因とも言えるかな。ま、そういう事にしておきましょう、でないと浮かばれない(笑)

ま、とにかく、80年代の産業ロックの流れを汲む作風で、全体的にハードな中にも「Straight To Your Heart」に代表されるように、哀愁漂うメロディがたまらない。それと、1stの時にも感じたけど、とにかくジョン・ウェイトの歌いっぷりが素晴らしい。ほんと、実力派である。結局、バッド・イングリッシュはジョン・ウェイトのバンドだったのだ、と思ってしまうくらい。ニール・ショーンだって弾きまくってるようだけど、メインはジョン・ウェイトなのだ、やっぱり。ここで解散せず、ジョン・ウェイト体制のままメンバーを替えながら続けていれば、違う展開があったような気がする。現に、バッド・イングリッシュ解散後、ジョン・ウェイトはすっかり地味になってしまったので、実に残念だ。もっと高い評価を受けていい人だと思う。

長かった緊急事態宣言も解除され、ここ数日信じられないくらいコロナ新規感染者も減っている。以前のような日常が戻ってくるのも、そう遠くないかもしれない。個人的には、早くマスクしなくてもいい生活に戻りたいな(笑) でも、手指の消毒・席捲で手洗いの習慣は、コロナ禍ですっかり根付いたけど、これはずっと続けるべきと思う。コロナどころか風邪にも有効みたいだし(笑) 

という訳で皆さん、元気出しましょう(笑)

 

 

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90年代のハード&ヘヴィ

2021年10月09日 20時01分54秒 | 本と雑誌

僕は実はTシャツ好きで^^;、街でTシャツが歩いていると、違った、街でTシャツを着た人が歩いてると、そのTシャツをしげしげと見てしまう。もちろんTシャツも実にたくさんの種類があるが、ロックTを着ている人もそこそこ見かける。割合は20人に1人くらいかな^^; その確率5%のロックTの中でも、よく見かけるベスト3が

クイーン
ローリング・ストーンズ
メタリカ

ま、異論はあると思うが、こんなとこかなという気もする。クイーンはその人気からして当然とも言えるが、クイーンのロックT着てる人の大半が、ロゴ文字だけのデザインのもので、もしかすると、違うクイーンのTシャツという事もあり得る(笑) 

ストーンズは何と言ってもあのベロマークである。あれほど分かりやすいアイコンはない。インパクト十分、誰が見てもストーンズ。もちろん、Tシャツをはじめ、ありとあらゆるグッズにも対応可能。デザインした人は凄い。

メタリカは意外といえば意外だが、そっち方面(どっちだよ)の人からすると、意外でも何でもないのかも。メタリカに限らず、HM系ってTシャツになりやすいコンセプトというかイメージというか、ま、よく見かける。HM系のTシャツだけで見れば、クイーンよりずっと多いと思う。その中でも、僕がよく見るのがメタリカなのだ。キッスも多いけどね(笑) なんというか、メタリカというバンドの人気ぶりというか、この世界に於ける地位というか、そんなものが垣間見えるような気がする。

という訳で、メタリカと言ったら「ハード&ヘヴィ」である(強引)。以前にも予告したが、レコード・コレクターズ最新号(と言っても出たのは先月だけど^^;)の特集は「90年代のハード&ヘヴィ アルバムランキング100」だった。3ヶ月連続の「ハード&ヘヴィ」特集だったのだが、さすがに次はないらしい(笑) ちなみにレココレ次号の特集は「レット・イット・ビー」とのこと。

さて、前回ネタにした時と同様、まずこのランキングから紹介させて頂く。

1位・・・パンテラ
2位・・・メタリカ
3位・・・ニルバーナ
4位・・・レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン
5位・・・ナイン・インチ・ネイルズ
6位・・・サウンドガーデン
7位・・・メガデス
8位・・・ガンズ&ローゼス
9位・・・セパルトゥラ
10位・・ジューダス・プリースト

アーティスト別に獲得した点数を集計して順位を出したものだ。メタリカを押しのけてパンテラが1位というのが、凄いというか納得というかよく分からんというか(笑) やはり、80年代とは顔ぶれが随分変わった。80年代と共通してるのは、メタリカ、ジューダス、ガンズくらい。70年代から支持が高かったバン・ヘイレンやモーターヘッドの名前はなくなり、アイアン・メイデンですらトップ10から落ちてしまった。やはり、この世界も変化しているのだ(は?)

ではいよいよ、アルバムランキングのトップ10です^^

1位・・・メタリカ/メタリカ
2位・・・ネバーマインド/ニルバーナ
3位・・・俗悪/パンテラ
4位・・・レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン/レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン
5位・・・スーパーアンノウン/サウンドガーデン
6位・・・ダウンワード・スパイラル/ナイン・インチ・ネイルズ
7位・・・ラスト・イン・ピース/メガデス
8位・・・ペインキラー/ジューダス・プリースト
9位・・・ゲット・ア・グリップ/エアロスミス
10位・・スリップノット/スリップノット

えっと、この中では持ってるの1枚です(なんなんだ。爆)

ま、なんとなく、ある程度予想通りというか納得というか、こんなものかなという感じ。70年代→80年代ときて、やはりハード・ロック或いはヘヴィ・メタルも変化し続けていた。少なくとも90年代までは(笑)

簡単に言ってしまうと、HM系に限った事ではないが、90年代のロック・シーンはグランジなどのムーブメントはあったが、大きく分けるとこんな感じだったと思う。

1.70年代あたりの古き良きロックに回帰する
2.ひたすらメタル道を極めていく
3.70年代~80年代に確立されたスタイルに、新しい要素を加えてさらに進化していく

個人的に、この中でのポイントはやはり3.で、当時(90年代前半)僕もグランジやその後のオルタナのムーブメントに興味を持っていて、今より遙かに情報は乏しい時代だったけど^^;、色々とチェックして買ったりしていた。↑のレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、サウンドガーデン、ナイン・インチ・ネイルズあたりは、あの頃の欲しい物リストにも入ってた(笑) 結局手を出さないままで終わってしまったが。ま、こういうラウド系やインダストリアル系より、もっとオーソドックスなオルタナ系の方に顔が向いてた、というのはあるかもしれない。

で、今回の「90年代のハード&ヘヴィ」で選出されたアーティストを見てると、↑の3パターンのうち、どれかに当てはまるのばかりと言っていいかと^^; セパルトゥラ、スリープ、ヘルメット、カイアスといった初めて聞く名前もあり、これらのバンドは、解説見てても2.に分類されるのでは、と思えるがどうなんでしょ?(笑) 

ダイナソーJr、ソニック・ユースといったバンドがランクインしてるのも、意外な気がしたが、そうでもないのかも。かなり“ラウド”な音と言えなくもないし。あと、ハード・ロックでもいわゆる産業系というか王道というか、要するに“売れ筋”が今回ほとんど入ってない。エアロもボン・ジョビもバン・ヘイレンもAC/DCも1枚しかランクインしてない。オジーやキッスはゼロだ。ディープ・パープルは低迷して(るように見え)たし、オールドなロック・ファンにとっては寂しい時代だったかもしれない。

とまぁ、そんな訳で、いつの間にか80年代だけでなく90年代も遠くなってしまった、というのが実感出来る特集でした(笑) 音楽というかロックの分野に於いては、なかなか面白い動きがあった時代だ思うけど。この辺は、またの機会に書かせて頂くつもりですので、お楽しみに(いねーよ)

最後になったが、ご存知の人も多いと思うが、日本が誇る作曲家・すぎやまこういち氏が亡くなった。享年90歳。僕の中では、GSのタイガースとかのヒット曲を書いた人、という印象だが、若い世代にとっては、なんといっても『ドラクエ』でしょう。先の東京オリンピックの開会式の選手入場時のBGMになっていた事からも、『ドラクエ』の知名度や浸透度が窺える。惜しい人を亡くしました。謹んでご冥福をお祈り致します。

合掌

コメント (2)
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