日々の覚書

MFCオーナーのブログ

MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 【総括】

2024年02月25日 13時42分06秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選【総括】

という訳で、ローリングストーンの向こうを張って、実に無謀な企画に取り組んでしまいました『歴代最高のアルバム500選』ですが、ようやく1位まで発表する事が出来ました。ご声援ありがとうございました(だから違うって)。

結果、僕の歴代いや生涯最高の1枚は『オペラ座の夜』という事になりましたが(笑) 今回は総括という事で、歴代最高のアルバム500選を振り返ってみたいと思います。

まず、ランクインしたアルバム数が多いアーティストは誰か、そんなの多分、分かっておられると思いますが(爆)、結果はこちらです。5枚以上のランクインまで。

21枚・・・エルトン・ジョン
13枚・・・クイーン
9枚・・・ローリング・ストーンズ
8枚・・・ディープ・パープル
7枚・・・ジェスロ・タル、マドンナ、シェリル・クロウ、ビートルズ
6枚・・・ビー・ジーズ、デュラン・デュラン、ジェフ・ベック、イエス
5枚・・・ABC、エアロスミス、ダリル・ホール&ジョン・オーツ、デビッド・ボウイ、デフ・レパード、フォリナー、ジョージ・ハリスン、グランド・ファンク・レイルロード、ローラ・ニーロ、ポール・サイモン、ソウル・アサイラム、オールマン・ブラザーズ・バンド

もちろん、単純に個人の趣味なんですけど(爆)、エルトン、クイーンは別格として、自分で言うのも何ですが、ストーンズの9枚は結構意外だったですね(笑) あと、ジェスロ・タルの7枚とか。マドンナやデュラン・デュラン等の80’s組もさりげなく健闘してまして、全体見ると自分的にはまぁ順当かと(笑) ツェッペリンとかフロイドとかバドカンみたいに、結構枚数聴いてるのに、ランクインしたのは意外と少なかった、なんてのも割に多いです。ま、仕方ないか、500枚の壁は予想以上に厚かったという事で(笑) 逆に、聴いてる年数からすると、シェリル・クロウは大健闘と言えるかも^^;

続いては、ランクインしたアルバムの枚数ではなく、アルバムたちが獲得したポイントを集計して、アーティストの順位を算出してみました。1位=500点・2位=499点....499位=2点・500位=1点、というアレです(笑) こちらは一応20位まで。

1位・・・クイーン
2位・・・エルトン・ジョン
3位・・・ローリング・ストーンズ
4位・・・ディープ・パープル
5位・・・シェリル・クロウ
6位・・・ビートルズ
7位・・・ジェフ・ベック
8位・・・デビッド・ボウイ
9位・・・ソウル・アサイラム
10位・・・フォリナー
11位・・・マドンナ
12位・・・ジェスロ・タル
13位・・・ビー・ジーズ
14位・・・エアロスミス
15位・・・デュラン・デュラン
16位・・・ジョージ・ハリスン
17位・・・キッス
18位・・・グランド・ファンク・レイルロード
19位・・・イエス
20位・・・レッド・ツェッペリン

ほぼ↑のアルバム数ランキングと同じ顔ぶれですが(笑)、ランクインした枚数もさることながら、それらが上位にランクされないと点数が稼げないので、そういう意味でさすがクイーン(爆) 何しろ、13枚がランクインして、うち8枚が100位内、さらに4枚が10位内、と正に向かうところ敵なし(違) 21枚ランクインしてるエルトンでも、100位内は5枚ですからね。という事で、ついでなんで、100位内に複数枚ランクインしたアーティストを集計しますと、

8枚・・・クイーン
5枚・・・ディープ・パープル、エルトン・ジョン
4枚・・・ローリング・ストーンズ
3枚・・・フォリナー、キッス、ビートルズ
2枚・・・エアロスミス、バッド・カンパニー、グランド・ファンク・レイルロード、ジェフ・ベック、レッド・ツェッペリン、パーシー・フェイス、シンプリー・レッド、イエス
参考
サントラ盤・・・3枚、オムニバス・・・2枚

こうしてみると、自分のロックの歴史というのはほとんど、クイーン、エルトン、パープル、ストーンズ、ですね(爆) 色々なデータの上位はこの4組だし(笑) なんとなく予想はついてましたけど(爆)

ま、この4組以外にも、昔から好きだった、ビー・ジーズ、グランド・ファンク、キッスにエアロ、そしてフォリナーあたりも、しっかりとランクインしてるので、安心しました(笑) それと、誰でもそうでしょうけど、やはりビートルズは避けて通れませんね。あと、ロック期以前に好きだったパーシー・フェイス(2枚ランクイン、どちらも100位内)、バン・マッコイ(4枚ランクイン)もしっかり入ってますし、古いサントラのランクインも意外とありました。嬉しいことです。

それと、ジャンル別で分類しようかと思いましたが、難しいので断念しまして(笑)、発表された年代別に分けてみました。

1950年代・・・2枚
1960年代・・・20枚
1970年代・・・196枚
1980年代・・・136枚
1990年代・・・90枚
2000年代・・・40枚
2010年代・・・15枚
2020年代・・・1枚

やっぱり70年代ですね^^; 2000年代のも40枚あった、というのはなんとなく嬉しいです。60年代よりも多いというのもいいですね^^

という訳で、総括になってない『MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選』総括でしたが(笑)、最初に宣言(?)したように、単なる個人の趣味が色濃く反映されてるだけで、ジャンルについてもアーティストについても、かなり偏りがあります。それもまぁいいかな、クイーンとフォリナーが上位を独占する名盤ランキングなんて、多分どこにもないでしょうし(爆)

さて、次の企画はどうしましょうか。やはり、歴代最高のアルバムの日本編とかですかね(笑) 洋楽編以上に無謀な企画になりそうですが(爆)

【MFCオーナーの私的歴代最高の名盤500選】バックナンバーです。
500位→481位480位→461位460位→441位440位→421位420位→401位
400位→381位380位→361位360位→341位340位→321位320位→301位
300位→281位280位→261位260位→241位240位→221位220位→201位
200位→181位180位→161位160位→141位140位→121位120位→101位
100位→81位80位→61位60位→41位40位→21位20位→1位

 

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バンド・オン・ザ・ランも50年

2024年02月18日 10時59分13秒 | 音楽ネタ

皆さんご存知の通り、ポール・マッカートニー&ウィングスの1973年の名盤『バンド・オン・ザ・ラン』の50周年記念エディションが発売されている。『バンド・オン・ザ・ラン』と言えば、2010年頃にデラックス・エディションが出ていたはずで、確かポール・マッカートニーのアーカイブ・シリーズの第一弾ではなかったかと思うのだが、今回は50周年記念エディションなんである。前回のデラックス・エディションとの違いは何か、というと、デラックス版は、イギリス・オリジナル盤を基準にリマスター等されているが、50周年版はアメリカ盤を基準にしている、という点や、デラックス版にはプロモビデオや当時のテレビ出演の映像が収録されてDVDが含まれているが、50周年版はDVD等はないものの、オーケストラなどをダビングする前のバージョンを収録したCDが目玉となっている、等々らしい。ま、さほど熱心なファンではない僕からすると、別にどうでもいいって感じ(笑) 今さらではあるが、デラックス版DVDのテレビ番組用の映像(この時点で未発表だったらしい)には、非常に興味あるけどね。

とはいえ、歴史的名盤である『バンド・オン・ザ・ラン』である。2010年も今回も、それなりに話題になっていないはずがなく、前回のデラックス版の時も、レコード・コレクターズで特集してたはず(特集しない訳がない)と、探してみたらありました。↑の写真の左が2010年12月号、右が最新号である。なんか、最新号の方がそれらしい表紙だな(笑) ついでに言うと、当ブログでもネタにした(爆) こちらです。よろしければどうぞ(笑)

くどいようだが、歴史的名盤の『バンド・オン・ザ・ラン』であり、自分にとっても、想い出の名盤であり、もちろん、ポールの代表作と言ってもいいアルバムだ。今と昔で、それほど評価が変わるタイプのアルバムとは思えない。実際、レココレは2010年と今回と、どちらも特集を組んでいるが、内容はほぼ同じと言っていい(笑) 『バンド・オン・ザ・ラン』が出た頃の音楽界(ロック界)や元ビートルたちを取り巻く状況、制作に至るまでのポールの動向、等々の記述に違いはほとんどないし、何故かレコーディング場所をナイジェリアのラゴスに決めたいきさつとか、そのラゴス出発の前日にメンバー2人が脱退したとか、到着してみたらスタジオはまだ建築中でろくな機材もなかったとか、フェラ・クティからアフリカの音楽を盗みに来たとあらぬ疑いをかけられて一触即発とか、ボールとリンダが強盗に襲われて金とデモテープを持ち去られたとか、ジンジャー・ベイカーのスタジオがラゴスにあったので行き掛かり上そちらも使わざるを得なかったとか、といった有名なエピソードついても変わりなし。

ただ、例のローリング・ストーンの名盤500選では、確実に人気を落としていて、2003年版では418位にランクインしているが、2020年改訂版ではランクインしていない。ま、ロック・ファンだって世代交代しているから、50年も前のアルバムが今でも高い支持を得られる訳ではないと思うので、仕方ないことだろう。僕自身の評価はずっと変わらないけど(笑)

というのもあり、久々に聴いてみた『バンド・オン・ザ・ラン』やはり素晴らしい。で、この際なんで、軽く全曲ガイドなぞ(爆)

A-1. Band On The Run/バンド・オン・ザ・ラン
異なる3曲を繋げて1曲にした曲で、こういうのホールの得意技、という記述は2010年も今回もある。が、僕はずっと、Aメロ→Bメロ→サビ、みたいな感じて聴いてて、メドレーみたいに捉えた事はない。歌い出しから曲調が変わる曲なんて、たくさんあるしね。こういう風に無理なく曲の展開を変えていく、という点に於いては、ポールは凄いと思う。個人的には、♪If I ever get out here~、の部分が好き。シンセのフレーズもいい。出だしのギターとエレピの絡みもたまらん。

A-2. Jet/ジェット
タイトルは犬だか馬だかの名前らしいが、そんなのはどうでもいい。とにかくカッコ良い曲だ。イントロのインパクト、ジェットのコーラスの掴み、♪Ah mater~から本編に戻る展開、簡単そうだけどカッコいい間奏のシンセのソロ、どこを取っても完璧な無駄のない良く出来たポップソングである。あの頃のポールは、こんな曲を連発していたような...ほんと凄かった、あの頃は(爆)

A-3. Bluebird/ブルーバード
個人的には、本作で一番好きな曲であり且つ名曲である。淡々とした感じなんだけど、きっとコード進行は斬新なんだろうね、知らんけど(笑)  パーカッションの使い方がセンスがあって良い。

A-4. Mrs Vandebilt/ミセス・バンデビルト
歌い出しのメロディが1回しか登場しない、とレココレで言われて初めて気づいた(笑) 確かに言われてみればそうだな。ただ、ポールってこういう曲多い気がする。「あの娘におせっかい」だって、最初のメロディはちょっとしか出てこないし。と、それはさておき、この曲も好きだ。同じフレーズを繰り返しているようでも、歌だったり楽器だったり変化をつけてて楽しい。♪ホ、ヘイホ、と一緒に歌ったもんです(爆)

A-5. Let Me Roll It/レット・ミー・ロール・イット
最初に聴いた時は、この曲の印象が強烈だった。あのリフに導かれて進行していくが、サビの盛り上がりはあるものの、あくまてもクールに進んでいくのが、実にカッコ良く感じられた。若い頃、バンドでコピーした事があるが、この手の曲は難しい。

B-1. Mamunia/マムーニア
ずっと人(女性)の名前と思ってたけど、実はアラビア語で”避難所”とかいう意味らしい。アコギのイントロから歌に至るまで、とても品の良いナンバー。マムーニア、マムーニアのリフレインが心地よい。隠れた名曲だ。

B-2. No Words/ノー・ワーズ
本作唯一のデニー・レインとポールの共作。「マムーニア」もだけど、こういうアルバム中の目立たない曲がさりげなく名曲だったりするのが、この頃のポールの凄いとこで、この曲もイントロから歌に入るところとか、実に素晴らしい。

B-3. Picasso's Last Words (Drink To Me)/ピカソの遺言
実は重要曲らしいが、個人的にはさほど重要視してなかった(笑) さすがに飛ばしたりはしなかったけど(笑) 「ジェット」や「ミセス・バンデビルト」のフレーズを挿入してくるあたりはプログレッシブだ。

B-4. Nineteen Hundred And Eighty Five/西暦1985年
正直言うと「ピカソの遺言」よりこっちの方がずっと重要だ(笑) 個人的には、タイトル曲以上にこの曲が本作のハイライトである。ピアノのイントロからして不穏な雰囲気で、その雰囲気は最後まで変わらない。僕自身は、この曲の方にラゴスの影を感じるけど、どうなんでしょう?(笑) ピアノ→歌で進行する構成もいいし、後半のオーケストラを交えた混沌とした演奏もいい。いつ聴いても鳥肌モノのエンディングだ。歌ってるのはデニー・レインだと長年思ってたけど、実はポールらしい(恥)不朽の名盤のラストを飾るにふさわしい名曲。いや、この曲で終わるから『バンド・オン・ザ・ラン』は名盤なのかも^^;

あくまでも個人的見解ですが、「愛しのヘレン」は『バンド・オン・ザ・ラン』にはなくてもいいと思われます(笑)

そんな訳で、やっぱり『バンド・オン・ザ・ラン』は名盤である、と改めて強く思った次第。ちなみに、MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選に於いては、『バンド・オン・ザ・ラン』は122位です(だから?)。

ビートルズ解散から現在に至るまでの、ポール・マッカートニーのキャリアに於いて、ウィングス時代、アルバムで言うと『ワイルド・ライフ』から『バック・トゥー・ジ・エッグ』まで、期間としては1971年から1981年までのほぼ10年、やはりこの10年はポールにとって別格なのではなかろうか。とにかく、この時期のポール(ウィングス)の作品は、本当に素晴らしい。50年近くを経過しているにもかかわらず、決して古びる事のない曲たち、こういうのを真のエバーグリーンというのである。あの頃、ウィングスを率いてポールはビートルズ以来の全米ツアーを行い、30回の公演で60万人を動員したそうで、あまりの勢いに、ウィングスはビートルズを超えた、なんて言われたりもしてたけど、本当にあの頃のポール・マッカートニー(ウィングス)は光り輝いていたと思う。何度も言ってるけど^^; そんな時期の作品たちが悪かろうはずがない。その頂点に立つのが『バンド・オン・ザ・ラン』なのである。これからもずっと。なんだかんだで、やっぱりポールは凄い人なのだ。

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MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 20-1

2024年02月17日 10時24分48秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
20位→1位

ついにやって参りました、ファイナルです(笑)

☆20位☆

Abbey Road/The Beatles (1969)
アビー・ロード/ビートルズ
ビートルズ史上いやロック史上最も有名なジャケットで知られる、偉大なるビートルズの最終作であり最高傑作でもある。メンバー全員が全曲の演奏に参加すること、という条件で制作された本作は、4人がソングライターとして拮抗した初のアルバムとなった。メロディック且つアバンギャルドな名曲たち、そしてシンフォニックなB面のメドレーに至るスリリングな展開、どれをとっても完璧。ビートルズは凄い。

☆19位☆

Tuesday Night Music Club/Sheryl Crow (1993)
チューズデイ・ナイト・ミュージック・クラブ/シェリル・クロウ
毎週火曜日の夜、プロデューサーのビル・ボットレルの家で行われたセッションがベースとなった、シェリル・クロウの記念すべきデビュー・アルバム。カントリー、フォーク、ブルースといったルーツ・ミュージックをベースに90年代らしい解釈も加えたアメリカン・ロックの名盤であり、1stにしてシェリルの最高傑作でもある。サウンドだけでなく短編小説のような歌詞も素晴らしい。

☆18位☆

The Lexicon Of Love/ABC (1982)
ルック・オブ・ラブ/ABC
ニューロマンティックのムーブメントから登場したABCは、このデビュー・アルバムでドラマティックで華やかな80’s風グラム・ロックを提示した。ストリングスのイントロからドラマティックに展開される「Show Me」、音もPVもシアトリカルな名曲「Poison Arrow」、ゴージャスなラブソング「All Of My Heart」そして今でもディスコ・クラシックな「The Look Of Love」等々、どの曲も素晴らしい。名盤である。

☆17位☆

Franke & The Knockouts/Franke & The Knockouts (1981)
スイートハート/フランキー&ザ・ノックアウツ
弱小レーベルからデビューしたフランキー&ザ・ノックアウツは、ほとんど無名だったが、完成度の高い本デビュー・アルバムが証明するように、ボーカルも演奏もソング・ライティングも実力派のバンドだった。あまりルーツ的な物を感じさせない、産業ロック風の感触のサウンドだが、全米TOP10ヒットとなった「スイートハート」に代表されるように、タイトでメロディックで聴く者を虜にせずにはおかない。

☆16位☆

Foreigner/Froeigner (1977)
栄光の旅立ち/フォリナー
フォリナーの登場は正に”衝撃”だった。実績あるベテランと無名だが実力派による混成のバンドは本デビュー作にて「衝撃のファースト・タイム」「冷たいお前」といったキャッチーなヒット曲に加え、プログレ風味もある「スターライダー」「人生は闘い」、分かりやすいハードロック「ヘッドノッカー」、珠玉のメロディが光る「ウーマン・オー・ウーマン」「お前に夢中」など名曲連発で我々を魅了した。

☆15位☆

Black And Blue/Rolling Stones (1976)
ブラック・アンド・ブルー/ローリング・ストーンズ
自分にとってのストーンズは、本作に尽きる。他の作品たちとやや違う雰囲気もあるせいか、あまり本作がクローズアップされる事もないし、本作収録曲がライブで演奏される事もない。しかし、「ホット・スタッフ」で始まる本作は正に衝撃の一枚だ。ギタリストのオーディションとレコーディングセッションが同時に進められ、混沌とした内容ではあるが、ストーンズの全アルバム中最もファンキーでブルージーな作品と言える。

☆14位☆

Rocks/Aerosmith (1976)
ロックス/エアロスミス
1976年の夏は本作のおかげでクレイジーな夏だった。完成度という点では前作の方が上だが、本作の持つ得体の知れないパワーと勢いは、有無を言わせず我々をその世界に引きずり込んだ。「バック・イン・ザ・サドル」の衝撃は永遠、「ラスト・チャイルド」「地下室のドブねずみ」「シック・アズ・ア・ドッグ」といった曲の混沌とした魅力、そしてラストを飾る名曲「ホーム・トゥナイト」の素晴らしさ。不滅の名盤である。

☆13位☆

Dressed To Kill/Kiss (1975)
地獄への接吻/キッス
70年代半ば、クイーン・キッス・エアロスミスの3バンドは、間違いなくロックに新しい概念を持ち込み、今までになかった聴衆を開拓した。本作はキッスの3枚目、代表曲「ロックンロール・オール・ナイト」が収録されているが、それ以外にも「ルーム・サービス」「激しい愛を」「彼女」といったキャッチーな名曲もあり、キッス流エンタテインメントが完成された歴史的なアルバムである。ジャケットも素晴らしい。名盤。

☆12位☆

Blow By Blow/Jeff Beck (1975)
ギター殺人者の凱旋/ジェフ・ベック
全曲インストの本作は、当時勃興していたクロスオーバー的方法論で作られ、これ以降のベックの方向性を変えた。と同時に、ロック畑のミュージシャンだけでこういうアルバムを作ってしまった事自体が衝撃でもある。ロックの新たな歴史が始まったと言ってもいい。ギターだけでなく、バンドとしての強固なアンサンプルで聴かせているので、何年経過しても色褪せる事はなく、いつ聴いても最初の衝撃が蘇るという凄いアルバム。

☆11位☆

Extra Texture/George Harrison (1975)
ジョージ・ハリスン帝国/ジョージ・ハリスン
どことなくセンチメンタルな雰囲気に支配されたアルバムだが、「答えは最後に」「悲しみの世界」といった隠れた名曲も多く、ジョージ本来の持ち味が十分堪能出来る名盤。今後も本作が評価される事はなく、代表作と呼ばれる日も来ないだろうが、それだけに僕は本作に愛着を感じるのである。オープニングの「二人はアイ・ラブ・ユー」ラストの「主人公レッグス」、雰囲気の違う2曲が本作を特別なものにしている。

☆10位☆

Come Taste The Band/Deep Purple (1975)
カム・テイスト・ザ・バンド/ディープ・パープル
個性の強い看板プレイヤーの後釜に入って、自身のカラーを打ち出していくのは並大抵の事ではないと思うが、トミー・ボーリンはそれを2度もやってしまった。やはり並のミュージシャンではない。そのボーリン、そしてカバーデイルとヒューズが主導権を握った本作は、リッチーの幻影を葬り去り、新たなるパープルの誕生を告げる名盤となった。今までのイメージと違い、ファンキーで多彩なリズムに満ちている。

☆9位☆

Sheer Heart Attack/Queen (1974)
シアー・ハート・アタック/クイーン
恐るべき新時代の旗手は、3作目となる本作でヒートルズ直系のポップ・センスを加えて、ブリティッシュ・ロックの伝統を守りながらも、新たなエンタテインメントを構築した。永遠の名曲「キラー・クイーン」を頂点に、絶妙なアルバム構成もあり、ハードロックを基本としつつも、その枠に収まりきらない多彩なクイーン・ワールドが展開される名盤である。クイーンは着実に新たな扉を開いていた。

☆8位☆

The Dark Side Of The Moon/Pink Floyd (1973)
狂気/ピンク・フロイド
ロック史上に燦然と輝く問答無用の大ベスト・セラーであり名盤である。コンセプト・歌詞・楽曲・アレンジ・編集・演奏・録音、全てが最高の状態で結実し、奇跡としか言いようのないアルバムを生み出した。フロイドも凄いが、裏で何か抗いがたい力が働いていたのでは、と勘ぐってしまうくらい、正に神懸かりである。特にB面の狂おしいまでの美しさは筆舌に尽くしがたい。

☆7位☆

The Miracle/Queen (1989)
ザ・ミラクル/クイーン
喧噪と華奢にまみれた80年代を乗り切り、来るべき90年代に向けて、クイーンは新たなる方向性を打ち出した。それが本作であり、そこには今までのクイーンは微塵もなく、楽曲にも演奏にもプロデュースにも、新たな道を指し示すクイーンの姿があった。常に前進し続けるロックバンドとしてのクイーンの矜持である。しかし、それを理解したファンは残念ながら少なく、本作の評価も高くない。悲劇の名盤である。

☆6位☆

The Wild Heart/Stevie Nicks (1983)
ワイルド・ハート/スティービー・ニックス
スティービーのソロ2作目は、正に魔女か小悪魔かそれとも天使か、とにかくひたすら彼女の魅力全開の名盤である。イメージだけでなく、ヒットした「Stand Back」はじめ収録曲の出来も良いし、うっすらと霞がかかったような音も雰囲気たっぷりで素晴らしい。「If Anyone Falls」「Nightbirds」「Sable On Blonde」そして「Beauty And The Beast」...もう抗えない、スティービーの虜になるしかないのである。

☆5位☆

Head Games/Foreigner (1979)
ヘッド・ゲームス/フォリナー
大ヒットした2作に続くフォリナーのサード・アルバムは、ロイ・トーマス・ベイカーをプロデューサーに迎え、よりハードに迫る一作となった。ドラムが大きくミックスされ、サウンドもタイトである。ルー・グラムのボーカルも艶っぽさを増した。「女たち」「17」「レブ・オン・ザ・レッド・ライン」あたりでは新境地を示している。不思議な雰囲気の「灰色の別れ」はイアン・マクドナルドの面目躍如。

☆4位☆

Disolation Angels/Bad Company (1979)
ディソレーション・エンジェル/バッド・カンパニー
デビュー以来、アルバム毎にアメリカ音楽へのアプローチを強めていたバドカンだが、本作でそのアメリカ志向はかなり高いレベルまで到達した。思惑通り、アメリカではベスト・セラーとなり、新たなバドカンの代表作となった。正に定番曲となった「Rock 'N' Roll Fantasy」はもちろん、「Crazy Circles」「Take The Time」「She Brings Me Love」あたりで、アメリカ音楽を彼らなりに咀嚼したロックが堪能出来る名盤である。

☆3位☆

Double Vision/Foreigner (1978)
ダブル・ビジョン/フォリナー
1stに続いて2ndもベストセラーとなり、フォリナーは名実共にアメリカン・ロックのトップに立った。「Hot Blooded」「Double Vision」といったハードなナンバーのなんとカッコ良かったことか。何回聴いたか分からない。哀愁の「Blue Morning Blue Day」や「You're All I Am」「Back Where You Belong」「Love Has Taken Its Toll」といった隠れた名曲たち、ミステリアスなインスト「Tramontane」といった曲もフォリナーの可能性を証明している。

☆2位☆

News Of The World/Queen (1977)
世界に捧ぐ/クイーン
デビュー以来の路線で一時代を築いたクイーンだが、やや行き詰まりを感じると、本作で大胆な方向転換を図った。クイーンが本当に凄いのはここからで、ロジャーやジョンの個性を前面に出す等、今までとは違ったアプローチにより、今や全世界のアンセムとなった「We Will Rock You」「We Are The Champions」を送り出し、新たなクイーンの姿を世に問うた名盤をモノにしたのである。本作がなければ、その後のクイーンはなかったかも。

☆1位☆

A Night At The Opera/Queen (1975)
オペラ座の夜/クイーン
本作こそ、クイーンはもとより、70年代英国ロックが誇るべき名盤である。ロックが登場してから、その表現領域を拡大し、エンタテインメントのひとつとして認識され始めた時代の空気をクイーンは体現していた。多様な音楽性、豊富なアイデア、高い作曲能力と演奏技術、その全てが本作で非常に高いレベルで結実している。それらを駆使して、クイーンは名盤を作り上げたのだ。制作期間が短かった割には完成度が高く、いかにクイーンが充実していたか、そしていかに時代の空気が優れたロック作品を生み出す方向に動いていたか、を如実に物語っている。不穏なピアノのアルペジオに導かれて始まるA面の素晴らしさといったらどうだ。短めの曲を並べた構成が実に見事である。ハイライトはB面の「予言者の歌」から「ラブ・オブ・マイ・ライフ」への実にプログレッシブな展開であろう。そして至高の名曲「ボヘミアン・ラプソディ」から「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」で幕を閉じる感動のクロージング。素晴らしいとしか言葉がない。本作は正に時空を超えた名盤である。

という訳で、構想から足かけ2年、ついにMFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選、完結するに至りました。長い間見守って下さいまして(ないない)ありがとうございます。発表はしてましたが、やっぱり1位は『オペラ座の夜』でした。振り返ると、どうしてもこれになってしまいます(笑)

次回は『総括』となります。お楽しみに(いねーよ)

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