MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
160位→141位
☆160位☆
Tell No Tales/TNT (1987)
テル・ノー・テイルズ/TNT
本作で、TNTはポップなハード・ロックに路線変更した。元々、曲作りには長けたバンドであったので、その路線変更は成功し、キャッチーな曲で溢れた傑作となったが、残念ながらワールドワイドな成功を収める事は出来なかった。「As Far As The Eye Can See」「Desperate Night」「Child's Play」「Northern Lights」等々名曲は多いのだが。
☆159位☆
Richard Marx/Richard Marx (1987)
リチャード・マークス/リチャード・マークス
大ヒットとなったデビュー・フルバムで、リチャード・マークスは産業ロックとAORを微妙にブレンドし、タイトでメロディアスなロックを志向した。ジョー・ウォルシュ参加の「ドント・ミーン・ナッシング」も、サザン・ロックの要素を取り込んではいるが、都会的スタイルのロックになっている。そういった、絶妙のさじ加減で完成した決して軟弱ではなく泥臭くもないロックは、実にカッコいい。
☆158位☆
Into The Fire/Bryan Adama (1987)
イントゥー・ザ・ファイア/ブライアン・アダムス
このアルバムで、ブライアン・アダムスは新たな方向性を模索した。それまでの“青春ロック”路線から離れ、表現の深みを増した曲が並ぶ。冒頭の3曲「In The Heat Of The Night」「Into The Fire」「Victim Of Love」は特に素晴らしい。確かに、それまでより地味だが、その後のオトナのロッカーとしての矜持も見えて、ブライアン・アダムスにとって、正に分岐点となった重要作。
☆157位☆
The Cars Greatest Hits/The Cars (1986)
カーズ・グレイテスト・ヒッツ/カーズ
異論はあろうが、カーズはヒット曲集を聴いている方が楽しい。キャッチーで取っ付きやすく、少し捻れたポップ感覚は、本当にくせになる。80年代には、斬新なアイデアで度肝を抜いたPVと連動してヒットを放ったが、それ以前の曲も捨てがたい。「燃える欲望」「レッツ・ゴー」「シェイク・イット・アップ」等々。ほぼ全曲で聴けるエリオット・イーストンのギターソロも聴き物。
☆156位☆
Dancing Undercover/Ratt (1986)
ダンシング・アンダーカバー/ラット
それまでのアルバムと違って、目立つ曲はないが、その分、各曲のクォリティの差はなくなり、アルバム全体の完成度は上がっている。独特のノリとボーカルを前面に出したラット節に一段と磨きがかかり、風格さえ感じられる仕上がりだ。似たようなタイプの曲が続くものの、逆に統一感を高めているのもいい。個人的にはラットの最高傑作と思っているが、前2作ほど売れなかった。
☆155位☆
Fore!/Huey Lewis & The News (1986)
FORE!/ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース
前作同様大ヒットとなったが、こちらの方が、ストレートにアメリカン・ロックを感じさせる。「すべてを君に」「アイ・ネバー・ウォーク・アローン」「愛しき人々」といった、大らかでルーツ・ロック的な雰囲気漂う曲が続いて、ラストの「シンプル・アズ・ザット」でドラマティックに幕を閉じる。お馴染みの大ヒット「パワー・オブ・ラブ」の追加収録が余計と思えるくらい、充実したアルバムである。
☆154位☆
Mr. Bad Guy/Freddie Mercury (1985)
Mr.バッド・ガイ/フレディ・マーキュリー
フレディの初ソロは、ソングライターとてしの優れた素質を世間により知らしめる内容となった。クイーン的でありながら、決してクイーンではない世界。「メイド・イン・ヘブン」「明日なき愛」といったバラード調にもダンサブルな「レッツ・ターン・イット・オン」にもポップな名曲「ボーン・トゥーラブ・ユー」や「リビング・オン・マイ・オウン」にも、フレディの才能が息づいている。
☆153位☆
Islands/Kajagoogoo (1984)
アイランズ/カジャグーグー
リマール脱退(解雇)後、カジャグーグーはレヘル42にも通じるジャズ・ファンク的な音楽性を打ち出した。それはファンキーな「ビッグ・アップル」や、シャカタクみたいに聞こえる「オン・ア・プレイン」、プログレッシブなインスト「ザ・ループ」などに顕著である。デビュー時からのアイドル的イメージを払拭出来ずに苦労したようだが、内容は素晴らしい。
☆152位☆
Arena/Duran Duran (1984)
アリーナ/デュラン・デュラン
デュラン・デュラン初のライブ盤である。ライブでの演奏力の低さを指摘されていたが、決してそんなことはない、というのは本作を聴けばすぐ分かる。特に、ジョン・テイラーとアンディ・テイラーの貢献度は高い。ノリの良いヒット曲も良いが、「ニュー・レリジョン」「7番目の男」といった曲での演奏に、らしからぬ円熟味を感じる。サイモン・ル・ボンも素晴らしい。
☆151位☆
Uh-Huh/John Cougar Mellemcamp (1983)
天使か悪魔か/ジョン・クーガー・メレンキャンプ
ひとりストーンズ的な雰囲気がたまらない。本家よりも下世話でヤンキーな雰囲気が漂っているのもいい。こういうチープな感じのロックンロールが、この人の真骨頂と思う。「Play Guitar」「Serious Business」「Warmer Place To Sleep」等々実に素晴らしいナンバーが並ぶ。あまりシリアスなのは似合わない。色々な意味でアメリカらしいアルバムでありミュージシャンである。
☆150位☆
Let's Dance/David Bowie (1983)
レッツ・ダンス/デビッド・ボウイ
突如、ナイル・ロジャースと組んでポップでダンサブルなアルバムを作り、大ヒットさせてしまったボウイに対しては賛否両論だったが、その類い希な作曲能力をバックに変容を繰り返してきたキャリアを振り返ってみれば、『レッツ・ダンス』は不思議でも何でもない。タイトル曲はもちろん、「チャイナ・ガール」や「モダン・ラブ」にもボウイの才能を感じる。
☆149位☆
Stevie Wonder's Original Musiquarium Ⅰ/Stevie Wonder (1982)
ミュージックエイリアム/スティービー・ワンダー
異論はあろうが、スティービー・ワンダーは70年代が黄金期だったと思う。この頃の作品はどれも素晴らしい。神がかっている。その70年代のヒット曲を集めた本作が悪かろうはずがない。ファンキーな「迷信」「回想」「悪夢」、アダルト・オリエンテッドな「スーパーウーマン」「愛を贈れば」、そして哀愁漂う新曲の「ザット・ガール」、どの曲も超名曲。恐るべき才能である。
☆148位☆
Captured/Journey (1980)
ライブ・エナジー/ジャーニー
ジャーニーがまだローカルなアメリカン・バンドだった頃の最後の姿を捉えたライブ盤。テンション高い演奏、あくまでもスティーブ・ペリーを中心とした絶妙なアンサンブル、全編に感じられるいなたくも和気藹々とした雰囲気...ジャーニーがアメリカのトップ・バンドに上り詰める為に捨ててきてしまったものが全て、このライブ盤には詰まっている。
☆147位☆
Fleetwood Mac Live/Fleetwood Mac (1980)
ライブ/フリートウッド・マック
1979年から1980年にかけてのワールド・ツアーからの音源で構成されたライブ盤。音質といい演奏のグレードといい、とにかく素晴らしい。特にスティービー・ニックス主導のトラックが雰囲気も迫力も群を抜いている。「セーラ」は名演。天性のシャーマンか。ヒット曲中心の選曲も良く、リズム隊が無骨にロックしてる演奏も楽しめる。
☆146位☆
A Day At The Races/Queen (1976)
華麗なるレース/クイーン
本作のクイーンが、世間がイメージするクイーンに最も近いのではなかろうか。そのせいか、ファン以外にはウケがいいアルバムと思う。人気曲「愛にすべてを」最後までライブの定番だった「タイ・ユア・マザー・ダウン」日本語の歌詞が挿入された「手をとりあって」といった名曲だけでなく、他の曲も佳曲揃い。ただ、ややマンネリ気味ではある。
☆145位☆
Guilty/Barbra Streisand (1980)
ギルティ/バーブラ・ストライザンド
バーブラとバリー・ギブ、共に当時絶頂期を迎えていた2人が組んだ事で生まれた名盤。全曲ギブ兄弟による書き下ろしで、バーブラにとっては正に新境地であったろうと思われるが、その実力と感性で見事にクリアしている。さすがである。曲も粒よりで、タイトル曲は特に名曲。バラード系もディスコ調も歌いこなすバーブラがとにかく素晴らしい。
☆144位☆
Hot Streets/Chicago (1978)
ホット・ストリート/シカゴ
テリー・キャスの不慮の事故死は、予想以上に大きな傷をシカゴに与えた。それは、今までと違うアルバム・タイトルやジャケットにも窺えるが、本作自体は起死回生の傑作と言っていい。諸々の問題を乗り越えて前進していこうという姿勢が素晴らしい。「アライブ・アゲイン」はじめ、曲にも演奏にも、前向きな気持ちが感じられる。
☆143位☆
Songs From The Wood/Jethro Tull (1977)
神秘の森~ピブロック組曲/ジェスロ・タル
いわゆる”トラッド3部作"の一作目であり、ジェスロ・タルの最高傑作のひとつであろう。トラッド風味にプログレッシブな展開、複雑でありながらポップな構成、スリリングな演奏、どれを取っても最高傑作と呼ぶにふさわしい。ポップなメロディの「カップ一杯の不思議」、プログレ・ハードな「女狩人」、叙情的な「森の笛吹き」等、収録曲も名曲揃い。
☆142位☆
Wired/Jeff Beck (1976)
ワイヤード/ジェフ・ベック
フュージョンではなく、あくまでもロックのフォーマットで、ベックと参加ミュージシャン達との火花散るアンサンブルが展開される。曲や構成の分かりやすさも含めたロック・インストの最高峰。「レッド・ブーツ」「カム・ダンシング」「蒼き風」など、スタンダード化した名曲も多い。ベックはやはり自分と対峙する存在がいた時の方が、その真価を発揮する。
☆141位☆
The Godfather Part Ⅱ/Original Soundtrack (1974)
ゴッドファーザー・パートⅡ/オリジナル・サウンドトラック盤
ご存知フランシス・フォード・コッポラ監督の名作シリーズの2作目。1作目と続編の両方でアカデミー賞作品賞を受賞した唯一の作品である。ニーノ・ロータも本作でついにオスカーを獲得した。有名な一作目のテーマに負けず劣らずの哀愁を帯びたメイン・テーマが、とにかく素晴らしい。暗黒街でしか生きられない者たちの悲哀を表現したメロディは涙なくしては聴けない。
次回は140位→121位です^^