日々の覚書

MFCオーナーのブログ

南佳孝フェス

2023年10月01日 09時28分16秒 | ライブレポート

50周年おめでとうございます。

以前にも書いたが、孤高(笑)のシンガー・ソングライター南佳孝が、今年デビュー50周年を迎えた。これは凄いことである。あの大御所ユーミンが昨年50周年を迎えた時にも感じたが、この浮き沈みの激しい世界で、ほぼずっと、途中で休業したりせずに活動を続けてきた、というのは、本当に賞賛に値すると思う。本人のメンタルや努力の賜物だろうけど、なんだんかだ言ってもやはり才能ではなかろうか。優れた作品を発表してヒットさせることで地位を築き、創作活動を継続することで安定した評価と人気を確立させ、年月が経っても過去の作品が相変わらず評価されることで、世間に忘れ去られることなく、また経済的な潤いも得ることが出来る、こういうのは音楽の才能が背景にあるからこそ可能なのだ。ユーミンだって桑田佳祐だってそう。イメージ戦略やメディア戦略だけでは、こうはいかないと思う。そんな音楽家の一人が南佳孝なのであり、ほぼ同時デビューのユーミンや、一時期同列で評価されていた山下達郎あたりと比べるとめちゃ地味だが、それでも続けてきたのは、実に素晴らしいことと思う。

50周年おめでとうございます。

という訳で、先日、南佳孝の50周年記念コンサート『50th Anniversary Live 2023 南佳孝フェス』に行ってきたのである。同じ50周年で、春から年末まで全国アリーナツアーを展開するユーミン、毎年のように全国ホールツアーを精力的に行っている山下達郎、45周年記念で茅ヶ崎野球場で4日間コンサートを開催するサザン、といった大御所たちと比べて、50周年記念だけど東京国際フォーラムで、それも一回だけのコンサートというのはいかにも地味な感じだけど(苦笑)、それも南佳孝らしくて良いではないか。そもそも50周年記念コンサートなんて、開催出来る人の方が少ないのである。

という訳で行ってきた。

場内に入ると、お祝いの花束が、奥ゆかしく並んでいた。

今回のコンサートは、50周年でもあり、南佳孝だけでなく、普段から彼が交流を持ったり共演したりしているミュージシャンたちがゲストで登場する、というのは事前にアナウンスされていた。その顔ぶれはというと、

太田裕美、尾崎亜美、杉山清貴、松本隆(トークゲスト)、鈴木茂、小原礼 他

なかなかに豪華である。チケットには”他”と書かれていたが、実際には”他”のゲストはなかった(笑)

さて、予定より10分ほど遅れて、南佳孝フェスは始まった。ステージの上のメンバーは、ビアノ、キーボード&サックス、ベース、ドラムの4人に、南佳孝のギターとボーカル、という編成。去年見に行った『南佳孝 の松本隆を歌う』の時の編成にベースとドラムが加わった感じ。

暖かい拍手と歓声に迎えられて登場した南佳孝、ギターを手に一曲目「憧れのラジオガール」を歌い始める。意外だが、近年この曲よく歌ってる気がする。実に声がよく出ているのに、いつもながら感心する。で、そのまま「日付変更線」「涙のステラ」と歌い続けてから最初のゲスト、杉山清貴が登場。

この2人、何年も前から一緒に活動してて、ライブだけでなくCDも出している。確か、どういうわけか2人揃って『徹子の部屋』にも出た事があったはず(笑) 正直言うと、南佳孝と杉山清貴のイメージが、僕の中ではどうも重ならないので(笑)、何故一緒にやってるのだろう、と不思議だったが、この時のMCでは、割に共通点があるらしい。一カ所に長くいられないとか海が好きとか(笑) ま、ここでこの2人の共演で2曲。杉山清貴と言えば、僕にとってはやはりオメガトライブなんだけど、その当時と全く変わらない声と声量は素晴らしい。あの頃より少し太ったような気はするけど^^;

杉山清貴とのセクションが終わってから「Scotch And Rain」「プールサイド」の2曲が演奏された。MCで南佳孝が、今回の50周年記念に、作詞家の来生えつこを呼びたかったのだが、体調不良で参加出来ないと返事があった、と言ってた。みんな年齢も年齢だし、色々あるんだね、なんて事も言ってたけど、来生えつこも何か病気を抱えているのなら、早く良くなって欲しいもの。「プールサイド」はそんな来生えつこに捧げたような感じかな。

南佳孝と言えば、松本隆の作詞による作品が一番多いと思うが、来生えつこと組んだ曲も意外と多いし、また名曲率も高い。有名な「モンロー・ウォーク」も作詞は来生えつこだ。確かに、この場にいても不思議な人ではない。個人的には、来生えつこって写真すらも見た事ないので、どんな人なのか見てみたい気持ちはあったけど(笑)

そして、ここで2番目のゲスト登場。尾崎亜美&小原礼である。南佳孝と尾崎亜美の組み合わせも意外だが、この2人も割と共演すること多い。この前日も、所沢で一緒だったらしい。と言っても、小原礼のバンドSKYEのイベントに南佳孝も尾崎亜美と共にゲスト出演した、という事のようで、言わば返礼みたいなものか(笑) ステージ下手から尾崎亜美・南佳孝・小原礼の順に並んで、3人とも大好きだというビートルズのナンバーなど3曲を披露。中でも、尾崎亜美の代表作と言っていい「オリビアを聴きながら」を南佳孝が歌う場面があり、これがまた良かった。”ただ歌うだけでなくドラマを感じさせるシンガー(松本隆・談)”である彼の正に面目躍如。耳慣れたはずの「オリビアを聴きながら」が違う曲に聞こえた。アコギだけのバックで歌ったこともあり、声も含めて南佳孝の個性が際立っていたように思う。やや意外ではあったが^^;

尾崎亜美は皆さんご承知の通り、非常に才能豊かな人であり、名曲も多く発表しているが、その存在は今イチ地味である。本来なら、ユーミンや中島みゆきとまではいかなくても、竹内まりやくらいのポジションにいてもおかしくない人なんだけど。不思議だ。その夫である小原礼は、ゲストなんだけど、意識しておとなしくしてた感がある。確かに、この人は本来ベーシストだしね。もっとベース弾いて欲しかったけど無理か(笑)

ここでまた南佳孝ひとりに戻って「コンポジションⅠ」「夜の翼」「ブルーズでも歌って」と隠れた名曲が続く。たまりません。なんか進行を間違えたらしいけど、ご愛嬌ってことで(笑)

ここで3番目のゲスト、太田裕美登場。こちらも意外な組み合わせだが、先ほどの尾崎亜美同様、結構付き合いは古いらしい。まずは太田裕美の大定番「木綿のハンカチーフ」を2人で歌ったところで、松本隆そして鈴木茂登場。ひとしきりトークに花を咲かせた後、この日の為の新曲を、鈴木茂を交えて演奏。太田裕美はここまでで、ちょっと残念。客席から見る限り、外見も声も全く昔と変わってないのが凄い。衣装も昔のまんま。恐れ入りました(笑)

鈴木茂はそのままステージに残って「そばかすのある少女」「スタンダード・ナンバー」、そして、客席とのコール&レスポンスを交えてランディ・ニューマンの「Sail Away」。この前にもう一曲演奏したように思うのだが、忘れてしまった^^;年は取りたくない(爆)「そばかすのある少女」には杉山清貴も参加。何でも、彼は昔から鈴木茂のファンだったそうな。

余談だが、今から40年近く前、当時通っていた大学の学園祭に南佳孝がやってきて、もちろん見に行った事がある。その時も、アンコール(だったと思う)で「Sail Away」を歌っていた。この日のMCから察せられたが、思い入れの深い曲のようだ。確かに名曲だし、歌ってて気持ち良さそう^^

ただ残念なことに、「Sail Away」でコンサートは終了。ちょっと少ないような気がしたが(笑)、ゲストとの共演もあったし、こんなものかな。

もちろんアンコールありで、ゲストもステージに勢揃いして「スローなブギにしてくれ」「モンロー・ウォーク」とお約束の定番曲。太田裕美と尾崎亜美も曲の一部で歌ったのだが、2人とも低い音域で歌ってもなかなかである。素晴らしい。さすがキャリア長いだけあって実力は十分なのだ。

50周年記念コンサートを締めくくったのは、これまた定番「冒険王」。松本隆もいたし、これしかないかな。いつ聴いても素晴らしい曲であり歌なのであった。

2時間ちょっとのコンサートで、もっとやって欲しかったけど仕方ないか^^; 年を取るにつれて、南佳孝の歌は円熟味を加え、以前にも増して素晴らしい。堅実なバックの演奏(特にピアノが素晴らしい)もあり、またゲストとの楽しいトーク等もあり、非常に素晴らしいコンサートだった。南佳孝は、普段はもっと小規模な会場でライブを割とまめに行っており、いつまでも歌い続けて欲しいと思う。また、この日松本隆とのトークの中で、新曲作ろうなんて話も出てて、これまた楽しみ。

という訳で、南佳孝フェスのライボレポでした。50周年おめでとうございます。またいずれ、ライブ行きますのでよろしくです(笑)

で、最後におまけ(笑)当日、会場で配っていたパンフレット。今回のゲストの皆さんのお祝いメッセージが掲載されてます。読めないと思うけど(笑)

50周年おめでとうございます。

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The Journey Yumi Matsutoya 50th Anniversary Concert Tour

2023年05月21日 15時46分47秒 | ライブレポート

前にも書いたが、ユーミンこと松任谷由実が昨年デビュー50周年を迎えた。J-POPの草分け、そして女性シンガー・ソングライターの第一人者として、第一線をキープしながらの50年である。ただひたすら凄いとしか言いようがない。正に前人未踏。今後、ユーミンに匹敵する人は現れないだろう。本当に凄い人だ。

そのユーミン、デビュー50周年を記念して、3枚組ベスト盤『ユーミン万歳』をリリースし、翌年つまり今年、50周年記念全国アリーナ・ツアーを行う事を発表した。それが『The Journey Yumi Matsutoya 50th Anniversary Concert Tour』である。で、なんと!そのコンサートを我々も見る事が出来たのだ! なんたる幸運!! で、せっかくなんで、そのユーミンの50周年記念コンサートのレポートをアップさせて頂きたいと思う。ま、ツアーは今年いっぱい続くんで、ネタバレにならない樣に軽く、という事で(笑)

↑のURLで確認出来るが、ユーミンの50周年コンサート・ツアーは一期・二期合わせて2023年5月~12月で全54公演開催予定。会場は全てアリーナ・クラス、チケットは既にソールド・アウトという事なので、一会場平均観客数が15000人とすると、81万人を動員する事になる。こういう数字を並べるだけでも凄い(笑) 

我々が幸運にも見れたのは、ツアー初日のぴあアリーナMM公演。このぴあアリーナ、文字通り横浜のみなとみらいにあり(MM=みなとみらい)、僕は知らなかったが(汗)、2020年7月に営業開始したらしい。2020年7月といえば、新型コロナ感染拡大による一回目の緊急事態宣言が解除された頃だ。開業スケジュールが、不幸にもコロナ禍と重なるとは...ちなみに、こけら落としはゆずだったらしい。さすが横浜^^

ここは、民間主体で経営されており、1万人規模のコンサート会場としては、民間主導は日本初らしい。演じる側と見る側、双方の視点を重視し、どちらにとっても使い勝手の良いホールになっているのだそうな。確かに、観客の入退場のルートも考えられているように思えたし、会場内のみならず客席でも飲食可、というのもいい。ただ、飲食可はいいけど、たまたまかもしれないが、食べ物や飲み物を提供する店はひとつだけで(やたらと混雑しないような配慮はされてたけど)、飲食が出来るスペースはなかったし、客席も他のホールと同様決して広くはなく、ドリンクホルダーがあるだけで、食べ物等を置けるスペースはなかった。飲食可を謳うなら、こういう点にも配慮して欲しいところ。別に不満はありませんが^^;

コンサート自体は実に素晴らしかった。かなり前から、ユーミンのコンサートは演出も華やかで、非常にスペクタクルでエンタテインメント満載、誰もが楽しめるコンサートだ、とは聞いてたが、それは嘘ではなかった。ネタバレになるので(笑)、詳細は控えるが、アリーナ中央にセットが設営され、観客は周りから見る感じ。セットの上には、ユーミンのみならず、バンドのメンバーもユーミンを囲むように配置されていて、ちょうど僕の席からは、ドラムの小田原豊が一番近かった。本物の火を使ったりもしてて、その熱さは客席まで伝わってきた。

セットリストについても、ここでは控えます(笑) もっとも、僕のレベルでは知らない曲が半分以上あったかな。以前、ユーミンの苗場プリンスでのコンサートを配信で見た事があるが、その時のセットリストは、冬とか雪とかをテーマにした曲が大半を占めていた。多分、そのコンサートのコンセプトに合わせたのだろうけど、今回も同じような考えとすれば、歌われた曲はコンサートのコンセプトに沿ったものなのだろうか。う~む、なんとなく分かるようなそうでないような^^;

コンサートはアンコール入れて2時間くらいだった。ユーミンは3回くらいお色直しして、20曲くらい歌ったかな。最後までちゃんと声は出てたし、サービス精神旺盛で、素晴らしかったと思う。ほんと、年齢を感じさせないステージだった。新しいもの、今まで見たことないもの、から刺激を受ける感性をこれからも持ち続けたい、という発言もあり、この人はまだまだ老いることはないと思えた。人力によるバンド演奏も実に素晴らしい。武部聡志とか小田原豊なんて完全にレギュラーだな。詳しくは言えないけど、演出も素晴らしく、アッという間の2時間だった。

今回のコンサート、昨年のうちに支払いは済ませていたのだが、電子チケットが配信されてきたのは、コンサートの3日前、席が分かったのはコンサート当日の昼頃、と徹底して転売対策だったみたいで、これもトレンドなのか(やや意味不明)。この方式だと、スマホを持ってる人じゃないとチケットは購入出来ないような感じで、そこいらは疑問だが、ま、いいか(笑)

という訳で、レポになってないユーミンのコンサート・レポートでした(笑) 初めて見たユーミンのコンサート、ほんとに素晴らしかった。感動の極みです。ツアーはまだまだ続くので、これから見る人もいるだろうから、詳細は一切書いてないけど、実際には既に3公演終了していて、見た人たちがセットリストから何から結構SNSでアップしてるらしい。詳細を知りたい方はそちらでどうぞ。ま、僕も、ネタバレ気にせずに書いていい、と言われても書けないしね。そもそも、そんな文章力ないし(爆)

という訳だ、とにかく、今の気分はユーミン万歳!なんである^^

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角松敏生 presents MILAD1 THE DANCE OF LIFE~The Beginning~

2022年09月25日 11時54分01秒 | ライブレポート

久々に角松敏生を見てきた。以前にも書いたけど、妻が好きなので、過去2回程角松敏生のコンサートを見に行った事がある。これとかこれとか^^; が、チケット買った時には気づかなかったが、今回はいわゆるコンサートとは違うパフォーマンスのようだ。

↑の写真をご覧頂いての通り、「脚本・演出・音楽 角松敏生」とある。つまり、音楽と演劇を融合させた舞台なのかな、と思う訳だ。で、実際見てみたら、正にその通りの舞台だった。

場所は神奈川芸術劇場。初めて行ったが、なかなか広々とした空間が心地良い所である。

 

↑3番目の写真はホールの外壁に描かれていた壁画というか何というか^^; 「人間は忘れる生き物」というのが何とも...(笑)上演物のタイトルかな?

今回は開演時刻を間違える事なく(爆)会場に到着。席はホールの3階席でステージほぼ正面。よく見えるのはいいが、3階席それも結構傾斜があり、しかも客席は縦長長方形に作られているので、ちょっと怖い(笑) ま、立ち上がったりしなければ大丈夫でしょう、という感じ(笑)

開演前は緞帳が下りていたので、ステージの詳細は分からなかったが、パフォーマンスがスタートすると、全容が見えてきた。ステージの後ろ半分が高くなっていて、そこに角松敏生と演奏者たちがいる。バンドは角松(Vo,G,Per)はじめG、Bs、Key、Dsが一人づつ、加えてホーン・セクション4人、コーラス5人、それとビオラとチェロが一人づつ、の総勢16人。そして、ステージ前半分に、演技者たちが踊ったり芝居したりするスペースがある。角松敏生プロデュースによる「THE DANCE OF LIFE」は、バンドによる演奏に合わせてステージ前方でダンスをする、というパフォーマンスからスタートした。

この「THE DANCE OF LIFE」だが、音楽と演劇を融合させた舞台パフォーマンスなのでは、と前述したけど、始まってみるとやや違うような間違ってないような^^; 基本的に音楽つまりバンド演奏は、ダンスの伴奏という形で、セリフを喋る時はバンド演奏は基本的になし。ミュージカルではないのだ。芝居の登場人物の大半はダンサーなので、ダンスシーンも当然ながら多く、ダンスするには音楽が必要だからバンド演奏も違和感ゼロ。セリフが歌になるミュージカルとは明らかに違う。正直言うと、たまにミュージカルの不自然さが気になる事があるのだが、この「THE DANCE OF LIFE」では全くそういうのは感じなかった。これは盲点(ん?)と思う。角松さすが^^

一応ストーリーはあるのだが、言っちゃ悪いがとても陳腐なので^^;ここでは触れません。すいません^^; 

角松率いるバンドが演奏した曲は、この舞台の為のオリジナルなのか、それとも既発表曲をアレンジしたものなのか、は不明。角松敏生をそれほど聴いている訳ではないので、申し訳ない^^; とはいえ、知ってる曲も1~2曲はあったので、既発表曲も結構あったのではないか、と思われる。終演後、会場を出る時観客(もろん知らない人)同士で「あれはサビだけだったねぇ」とか会話してたし。けど、どの曲もハマってました。ま、基本的に演奏は全てダンスのBGMなんで、当然といえば当然。演奏自体もタイトで良かったです。個人的には、女4男1という構成のコーラス隊がファンキーで良かったな、と思った。

この企画、角松の念願だったそうで、生演奏のダンスを軸に舞台が進行する、というスタイルは今まであるようでなかったような気がする。実に素晴らしかった。バンド演奏も良かったけど、パフォーマー(全員がダンスも芝居も両方するので、負担は大きかっただろう)も熱演で、良い舞台だったと思う。場面によっては、登場人物たちの感情や心理を、ダンスとバンド演奏だけで表現しているようなのもあり、陳腐なセリフを聞かされるよりも説得力があったような気がする。特に最後、カーテンコール前の物語を締めくくるダンスと演奏(それも2曲続けて)は圧巻だった。カーテンコールももちろん生演奏で、こちらも感動的だった。この舞台を見る限り、言葉より音楽の方がずっと響いてきたように思う。

いやいや、最初は???状態で見に行ったけど、実に素晴らしい舞台だったです。既に、来年続編の上演が決まってるらしいけど、どういうストーリーになるのか? ネタバレだけど、主人公は最後に死んでしまったように思えたので、どうなるんだろう? 来年も見に行くかどうか、はまだ決めてないけど(笑)

でも良かったです。ほんと、音楽って素晴らしい^^

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南佳孝、松本隆を歌う

2022年09月11日 22時44分47秒 | ライブレポート

唐突だが、久々にコンサートに行ってきた。こちらです。

知ってる人は知ってるけど、あの超有名な作詞家の松本隆と南佳孝は、実は深い関係にあり、南佳孝のデビュー・アルバム『摩天楼のヒロイン』も松本隆全面プロデュースで制作されている。その後も二人の関係は続き、松本隆作詞・南佳孝作曲のコンビで「スローなブギにしてくれ」「スタンダード・ナンバー」「Paradiso」といった名曲を世に送り出した。一説では、松本隆は南佳孝に80曲もの歌詞を提供した、と言われている。

で、前置きが長くなったが^^,、今回の『南佳孝、松本隆を歌う』というコンサートは、文字通り、松本隆作詞の曲のみでセットリストを構成する、という企画であり、しかもそれだけにとどまらず、松本隆がゲスト出演する、というアナウンスがされた時点で、奇跡のようなコンサートになってしまったのである(笑)

という訳で、チケットを購入した。妻の分も合わせて2枚購入したのだが、妻の方は、はっきり言って、南佳孝はどうでもよく、ひたすら松本隆目当てであった(笑)

ま、それぞれの思惑はともかく(笑)、コンサートの日がやってきたのだが、ここで僕は大失態を犯してしまう。↑のチラシにもあるように、開演は16時なのだが、僕は18時と勘違いしていた。初めての会場だし、早めに到着して、場所を確認しておこう、という訳で、17時頃に会場に着いたはいいが、実は16時開演なもんで、当然ながら、既にコンサートは始まっていた。それに気づいた時は、さすがに死にたくなったです(爆)

ま、それでも、後半は見れたので、まだ良かったかも。確かに、松本隆作詞の曲ばかりで、それも、普段はコンサートで歌う事はないのではないか、という曲が大半で(「波止場」「天文台」「二人のスロー・ダンス」「PEACE」等々)、個人的には大満足。南佳孝自身も70才は超えているはずだが、とてもしゃんとしていて、声も出ていたし、まだまだ大丈夫という感じのパフォーマンスだった。実に素晴らしい^^

ここで気になるのは松本隆なのだが、こっちは途中から入場してるので、もしかして松本隆の出番は終わってしまったのかも、と半ば諦めていたが、アンコールで出てきたので驚くと同時にホッとした。生の松本隆は初体験だが、予想していたより大柄で声も野太くて、僕としては華奢な文学青年みたいなのを想像してたもんで、そういう意味ではやや拍子抜け。でも、なかなか貴重なエピソードも披露してくれて、良かったです。願わくば、この二人のトーク・コーナーをもっと長く取って欲しいな^^;

松本隆とのトークの後、「Simple Song」「冒険王」そして「スローなブギにしてくれ」と定番曲で締めて、コンサートは終了した。素晴らしかった。最初から見たかった。開演時間を間違えるなんて、ほんと死んだ方がいいな、と思いました(爆)

ロビーでグッズを販売していたが、TシャツかCDを買うと、本人がサインしてくれるらしい。迷ったけど、Tシャツ買って、サイン町の列に並んでサインして貰った^^

サイン街の列。この先に南佳孝がいたのである。

Tシャツとサインはこちら。

 

ちなみに、この絵は南佳孝の自筆だそうです。ロビーには、コンサートで披露した曲のイメージに合わせた、本人自筆の絵が数点展示されていた。撮影OKだったので、公表してもいいのだろうけど、なんか気が引けるので^^;、一枚だけ紹介させて頂く。

「夜の翼」この日も歌ってました。

で、今回のチケット代は記念品付きで、それは何かというと、

なんと、スペシャル・ライブCDなのであった。なんと有り難い。コスパ最強(笑)

とにかく大失態のせいで、半分しか見れなかったけど、素晴らしかったです。南佳孝自身の歌もだけど、やはり歌詞が素晴らしい事を再認識。素晴らしい詞の世界、素晴らしいメロディ、そして歌唱。ほんとベテランの味というかオトナの時間だった、という感じ。南佳孝も松本隆も凄い人です。

この企画、さすがにゲスト・松本隆という事で好評だったようで、追加公演が12月に決定した。サイン貰う時に、南佳孝に「12月も来ます」と言ってしまったけど、よくよく見ると、公演日は平日で、開演はやはり16時、これは行くの難しいかも^^; 結果として嘘ついた事になってしまうかもしれないので、今のうちに謝っておきます。申し訳ありません(爆)

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スピンオフ四人囃子

2021年03月06日 22時13分25秒 | ライブレポート

去る3月3日、スピンオフ四人囃子のライブ配信を見た。

確か3~4年前、岡井大二と坂下秀実に、根本要と西山毅と山崎弘を加えたメンバーで、スピンオフ四人囃子のライブが開催された。オリジナル・メンバー2人がいるとはいえ、本物ではないのでスピンオフな訳だが、本家が活動していない事もあり、自分的には意外な顔ぶれにも興味をそそられてたりもして、これは見たいとずっと思っていた。そんな中、去年の4月、六本木でスピンオフ四人囃子のライブがあると聞いて、勇んでチケットを入手したのはいいが、コロナ騒ぎでライブは延期となってしまった。非常に残念だったが、仕方ないと言えば仕方ない。

と、紆余曲折を経て、先日、スピンオフ四人囃子のライブは開催されたのだが、僕は諸事情によりチケットを払い戻していたので、延期になったライブ日程を知らなかった。気づいたのは実は妻で、たまたまぴあから来たメールを見て、スピンオフ四人囃子のライブ開催及び配信があることを知り、僕に知らせてくれたのだ。もちろん、ライブは既にソールドアウトで行けないのだが、配信のチケットは間に合うタイミングだったので、すかさず申し込んで貰った。そして、有り難い事に、ついに念願だったスピンオフ四人囃子を見る事が出来たのである。

という訳で、スピンオフ四人囃子のライブなのである。まずメンバーはというと、

岡井大二(Dr)
根本要(G、Vo)
西山毅(G)
山崎洋(Bs)
三国義貴(Key)

当初、坂下秀実(Key)が参加すると聞いていたが、昨年末の不慮の事故(岡井がMCでそう言ってた)により、今回は不参加で、三国義貴が代役を務めた。この人、僕は不勉強にも知らない人だったのだが、札幌出身でなんと、四人囃子の2代目ギタリストの佐藤満とバンドやってたらしい。三国が大学入学で上京した頃に、佐藤が四人囃子に加入し、その縁で、岡井をはじめとする四人囃子のメンバーとは知り合いなんだそうな。驚き。

根本要は、ご存知の通り、スターダスト・レビューのあの人だ。その根本が、四人囃子に参加するなんて、意外中の意外であったが、やはり当日のMCによると、1974年のワン・ステップ・フェスティバルで四人囃子を見て以来のファンらしい。ワン・ステップ・フェスティバルに行ったのは、別のバンド目当てだったそうだが(笑) その時こっそり録音したテープを元に、四人囃子の曲をコピーしてバンドで演奏してた、というから筋金入りだ。その当時、自分で録音した音源とは別に、どういうコネクションが分からんが、PA卓で録音されたテープも所有しており、それが後年、ワン・ステップ・フェスティバルがCD化される際に根本から提供されたそうな。なんというか、凄い関わり方をしてる人なのだ。

西山毅は、元ハウンド・ドッグだそうで、申し訳ないけど、全然知らない人だった。実に上手い人ではあるが。彼は、高校生の時、アマチュア・バンドこのコンテストに出て、予選で落とされたそうだが、その時の審査員が岡井大二だったらしい。これも凄い縁だな。ちなみに余談だが、僕の大学の先輩がプロを目指してコンテストに出場して見事に玉砕したが、その時の審査員も岡井大二だったらしい。かなり厳しい事を言われたそうな。

ま、そんな濃いつながりを持つメンバーによるスピンオフ四人囃子、オリジナル・メンバーは岡井大二しかおらず、要するにプロによるコピバンみたいなものだ。もちろん、そこいらのアマバンとは比較にならない演奏を聴かせる訳だが。とは言っても、皆さん嬉しそうな顔して四人囃子の名曲の数々を演奏してるので、やはり根っこは変わらないのだなぁ、と感じた(なんのこっちゃ)。そんな、ちょっとアマチュア感も漂う素晴らしいライブだった。

とここで、セットリスト。

眠たそうな朝には
Chaos
おまつり
昼下がりの熱い日
カーニバルがやってくるぞ
ハレソラ
空と雲
Nameless
機械じかけのRAM
al-sala-di SCENE
なすのちゃわんやき
一触即発
(アンコール)
泳ぐなネッシー
空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ

選曲は岡井大二らしい。四人囃子の全オリジナル・アルバムから満遍なく選曲されていて、定番と言えば定番のセットリストだが、どうせなら、もっと自分の曲を入れても良かったのでは、なんて思ったりして(笑) 「気まぐれの目かくし」とかね。

曲数の割には長いライブだったが、それはMCが長かったからで、演奏する前に必ずその曲について色々と裏話等が披露される訳だが、根本要が完全なファン目線で喋っててなかなかよろしい(笑) 岡井自身による、当時のエピソードも披露され、非常に興味深いものがあった。ファンとしては言うことなし(笑)

アンコールの「泳ぐなネッシー」は、根本のギター弾き語りだったが、これがまた良い感じだった。今回不参加の坂下秀実に捧げた、というところかな。

正直言うと、森園勝敏や佐藤満と岡井・坂本組が仲違いかなんかして、一緒に出来ないので、代わりのギタリストを入れてスピンオフとしてライブ活動やってるのかな、なんて思っていたけど、実際には、10年くらい前から森園も佐藤も病気でステージに立てる状態ではないらしい。徐々に快方に向かってるので、いずれ昔の顔ぶれで何かやりますよ、とMCで岡井は言ってた。その事は知らなかったけど、現在の四人囃子では、演奏活動の出来るメンバーは岡井しかいない、という事になる訳で、歴代のベーシスト2人(中村真一、佐久間正英)と茂木由多加は故人だし、ほんと呪われたバンドみたいになってしまっている。本当に、復活を祈願してます。

という訳で、スピンオフ四人囃子の配信ライブで、久々に興奮していたのであった。しかし、配信ライブというのは凄いな。昨年からのコロナ禍で、仕方なく広まったという感もあるが、新たな商売として成立してるのではなかろうか。そりゃ、ライブなんてものは現場で体感するものではあるが、遠方とかだと移動の問題もあるし、人気のあるアーティストだとチケット手に入らなかったりするし、その点、配信だと、ライブの時だけ時間を取れればいいし、見に行くより代金は安いし、自宅等で飲食も含めて気楽に見れるし、言うことなしである。アーティスト側も、席数だけチケット売るより、配信でキャパの数倍の人が見てくれた方が儲かるのでは(笑) ライブ配信、今後は主流となりそうな予感。

という訳で、スピンオフだろうと何だろうと、四人囃子最高!!

ところで、↑のチラシの下の方にも、3月3日に豪華3枚組CD BOX発売決定、とあるが、これは『Printed Jelly』『包』『NEO-N』の3枚にボーナストラックを加えて、セットにしたものだ。ファンとしては素通りは出来ないが(笑)、中味をよくよく見ると、『Printed Jelly』『包』のボートラは既発表みたいなんで、それなら個人的には『NEO-N』のみ買いそびれて今に至るので、『NEO-N』だけでいいな、ボートラで「拳法混乱」も入ってるしな、これが一番貴重だな、なのでセットじゃなくてバラ売りしてくれないかな、なんて思ってしまった(笑)

いつの日か、あの四人囃子が復活しますように。

コメント (6)
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