さてさて、またしても予告通り(笑)、今回は去る4月15日に行ってきた、シカゴとヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのジョイント・コンサートのレポートなんである。結論から言うと、両バンド共とても良かった。どこまで伝わるかは、相変わらず疑問だが、つらつらとコンサートの模様など書いてみたい。
その前に、この両バンド共かつてとメンバーが代わっている。なので、現在のメンバーを頭に入れておこう(笑)
シカゴ
ロバート・ラム
ジェームス・パンコウ
リー・ロクネイン
ウォルター・パラゼイダー
ビル・チャンプリン
ジェイソン・シェフ
トリス・インボーデン
キース・ハウランド
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース
ヒューイ・ルイス
ジョニー・コーラ
ビル・ギブソン
ショーン・ホッパー
ジョン・ピアース
ステフ・バーンズ
マーヴィン・マクファーデン
ロン・ストーリングス
ロブ・サダス
シカゴは、ロバート・ラムからウォルター・パラゼイダーまでの4人がオリジナル・メンバー、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースは、ヒューイ・ルイスからショーン・ホッパーまでの4人がオリジナル・メンバーである(たぶん)。つまり、バンド結成以降、どちらも半分のメンバーが交代したという訳だ。時代は動いているのである(意味不明)
と、メンバー構成が頭に入った所で(笑)、簡単ながらレポにいきましょう。
このジョイント・コンサート、まずはヒューイ・ルイス&ザ・ニュースが登場である。セットリストは、
The Heart Of Rock & Roll
So Little Kindness
I Want A New Drug
Small World
Doin' It(All For My Baby)
The Power Of Love
Jacob's Ladder
Perfect World
It's Allright
So Much In Love
Under The Boardwalk
Heart And Soul
But It's Allright
We're Not Here For A Long Time
Back In Time
Bad Is Bad
Workin' For A Livin'
またしてもうろ覚えだったので、偶然コンサートで隣の席だった(爆)Brendaさんのブログから頂いてきた(笑) ただ、うろ覚えとはいえ多少の疑問もあり、Perfect Worldなんてやったっけ?とか、あの曲Under The Boardwalkだっけ?とか、まぁいくつかあるのだが、細かい事は気にしないようにしよう(笑)
オープニングのThe Heart Of Rock & Rollは、ほとんど予想通りだった。バンドが演奏を始めてから飛び出してきたヒューイ・ルイスの第一声を聴いて、少なからず驚く。声が全然変わってない! これは嬉しい。少し声量は落ちたみたいだけど^^; 厚生年金会館の3階席から見る限り、体型等々にも変化はない。むしろ、他のメンバーたちの方が老けたかな、という印象(失礼)。
変わらぬヒューイ・ルイスの歌声に感動しているうちに、I Want A New Drug、The Power Of Love、Jacob's Ladder、と次々にヒット曲が繰り出される。アンコールは大丈夫なの? と余計な心配をしてしまったが(笑)。歌ばかりでなく、演奏も実に素晴らしい。20年程前にテレビで見た時も、いいバンドだなぁ、と思ったけど、その時のノリとほとんど変わってない。テンポが早くてもゆっくりでも変わらぬ、温かみを感じさせるバンドサウンドは健在だ。それがまた嬉しい。20年前とは、リードギターとベースが代わってるけど、基本メンバーが残ってるので、あの頃の音をキープする事が出来たのだろう。新メンバーの腕前もなかなか。曲にしても、単にレコードと同じように演奏するのではなく、所々アレンジを変え、ライブ向けのアイデアを取り込み、耳に馴染んだ曲たちが、違う曲のように感じられたりする。ヒューイ・ルイスもよく動き、でも他のメンバーがソロを取る時は、さりげなくライトの当たらない所に引っ込んだりして、気を遣ってるのが分かって微笑ましい。
途中で、待ってました!のアカペラ・コーナーもあった。この人たち、アカペラも上手いのだ。純粋にアカペラだけで一曲、少し楽器が入って一曲、2曲だけとは物足りないが、まぁよかろう(笑) フロントで歌うメンバー全員による振り付けも決まって、なかなか楽しいコーナーだった。
ほんとに、メンバー全員エンタテインメントに徹していて、見ていて楽しい。正に、陽気なアメリカン・バンドって感じ。グルーヴィーなバンド・サウンドも手伝って、なんかウルウルしてしまった。相変わらず、こういうステージをやってるんだなぁ、というのが分かって感動してしまったのだ。見に来て良かった。
ジョイント・コンサートというのもあり、シカゴとの共演も多少はあるのだろうな、と思っていたら、アンコールでシカゴのギタリスト、キース・ハラウンドが登場。一曲弾いたあと、今度はビル・チャンプリンがお出まし。ブルース風にアレンジされたBad Is Badで、歌うわギター弾くわの大活躍。ちなみに、彼が歌う時は、Bad Is Badではなくなってた(笑)
そんな訳で、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースは、エンタテインメント精神に溢れた素晴らしいステージを披露したのであった。アメリカン・ロックの伝統を守りつつける彼らに拍手!
さて、20分程のインターバルを挟んで、シカゴの登場である。
ステージにメンバーが勢揃いすると、やっぱり、てな感じで少し笑ってしまった。ステージ真ん中にブラス・セクションの3人が陣取り、上手にベース、下手にギター、後方雛壇の中央にドラム、両サイドにキーボードという配置。シカゴはやはりブラス・セクションがウリのバンドなのだった。それは今でも変わらないのだ。
で、シカゴのセットリストはこちら。これもBrendaさんとこから(笑)
Introduction~Questions 67/68
Ballet For A Girl In Buchannon
Does Anybody Really Know What Time It Is?
I'm A Man
Feel
If You Leave Me Now
Call On Me
Alive Again
I Don't Wanna Live Without Your Love
Look Away
You're Not Alone
Love Me Tomorrow
No Tell Lover
Hard Habit To Break
You're The Inspiration
Beginnings
Just You 'N' Me
Saturday In The Park
Feelin' Stronger Every Day
Hard To Say I'm Sorry~Getaway
Free
25 Or 6 To 4
お馴染みのヒット曲ばかり。ただ、僕の場合は、この曲知ってるけどタイトルが分からない、というのがほとんどだったけど(笑)
オープニングは、デビューアルバムの曲で威勢よく始まった。Questions 67/68は日本語で歌ってたそうだが、気づかなかった(笑) ちょっとブラス・セクションの音が大き過ぎるのでは、なんて思ったけど、演奏自体はなかなかにパワフルだ。ブラス以外のリズム・セクションが若手なのが功を奏したかも(笑)
3曲目の「一体現実を把握している者はいるだろうか」では、なんとヒューイ・ルイスが登場して歌った。ここいらがジョイントの面白い所。そういえば、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースも、自分らの曲の途中に「一体~」のフレーズを挿入したりしてたし(笑) そして、その次の曲ではニュースのメンバーが大挙してステージに現れ、コーラスに参加。シカゴのキース・ハラウンドが、ニュースのギタリストにギターを預けて消えてしまい、ソロはニュースの人が弾く、なんて演出もあった。面白い。
共演はここまでで、あとは最後までシカゴだけのステージとなった。新作の曲に続いて「愛ある別れ」やら「アライブ・アゲイン」やら、懐かしい曲を演奏し、その後ビル・チャンプリンが紹介されると、いきなり80’sシカゴの世界。チャンプリンが弾くピアノのイントロだけで、場内の雰囲気が一変する。ああ、この音こそ80年代のシカゴなのだ、と実感。相変わらず、この時代の曲は同じに聴こえたけど(笑) でも、なかなかいい。チャンプリンの歌も案外と男らしい感じでよろしい。
このあとの「ラブ・ミー・トゥモロウ」では、ブラス・セクションも参加。80年代の曲には、ブライ・セクションの3人は参加しないのかと思っていたが、そうでもなかった。それどころか、レコードにはなかったブラス・アレンジを施していたので、あれこれあったけど、シカゴの曲には違いないのだから、ちゃんと参加しよう、という意志はあるようだ。いい事である。でも、ジェイムズ・パンコウは、デビッド・フォスターが嫌いなんだろうな(爆)
と、70年代も80年代も関係なくヒットが次々と演奏され、古いファンも少し新しいファンも、皆満足だったのではなかろうか。個人的には『ホット・ストリート』の曲を2曲聴けたのは嬉しかった。あと「サタデイ・イン・ザ・パーク」、アンコールと予想してたけど、違った(笑) でも、聴けて良かった。やっぱり名曲である。
本編最後は「素直になれなくて~ゲットアウェイ」のメドレー、そしてアンコールのラストは「長い夜」と、お約束はきっちり守ってくれて、こっちは大満足。パンコウはじめ、皆年とったなぁ、という感はあるけど、演奏はパワフルだった。間違いなくシカゴは、アメリカが誇る偉大なるロックバンドなのだ、という事を思い知ったのである。ただ、ロバート・ラムの影が薄かったようなのが残念。
という訳で、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースそしてシカゴと、タイプは違うが、いかにもアメリカンなロックバンドのライブを、十分に堪能した一夜だった。これで13000円は決して高くない(笑)