去る12月15日の土曜日、お馴染み京都北山のBBAで、「プログレ普及会第一回総決起集会」が行なわれ、大盛況のうちに終了したのである。僕も4曲で演奏してきたのだが、個人的にはマジで感動した一夜、きっと一生忘れられない一夜になったのだった。もちろん、次々と登場するプログレのコピバンの皆さんが、実に素晴らしい演奏を繰り広げ、聴いてるだけでも至福の夜だったのだが、個人的にはそれ以上に感激する事があった。それは...
四人囃子の「一触即発」を初めて演奏した
これに尽きる(笑)
この、「プログレ普及会第一回総決起集会」については、演奏に参加した皆さんが、既に自身のブログでレポートを上梓されているので、そちらを是非ご覧頂きたい。
http://plaza.rakuten.co.jp/brenda0928/diary/200712170000/
http://www.sandy-jp.com/onmyon/index.php?ID=720
http://www.sandy-jp.com/rokuman/index.php?ID=595
http://ninja.asablo.jp/blog/2007/12/17/2516868
http://neo-para.cocolog-nifty.com/issi/2007/12/post_da39.html
http://yaplog.jp/imagination/archive/1901
http://manun.exblog.jp/7748714/
ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、カンサス、ドリーム・シアター、UK、ラッシュ、といったバンドのコピバンが登場する中、僕は四人囃子チームに参加(実は、言いだしっぺ^^;)した。「一触即発」をやる、と決まった時点で既に感動してた(笑) もうひとつ、カンサスのチームにも参加して、「伝承」「帰らざる航海」の2曲を演奏して、もちろんこちらの2曲も好きな曲だし、実に楽しかったのだが、でも申し訳ないけど、四人囃子とは思い入れが違う。僕にとって、四人囃子の曲を演奏する、というのは他のバンドの曲をやるのとは全然意味が違うのだ。
高校生の頃から、四人囃子は憧れのバンドだった。崇拝すらしていた。中学生の頃に、クイーンをきっかけとして、キッス、エアロスミス、スイート、ディープ・パープルあたりを聴いて、ロックにのめり込み、自分もバンドをやりたいと楽器を手にしたのは確かだが、心底憧れ、こんなバンドになりたい(やりたい、ではない)と思ったのは四人囃子が最初だ。いや、最後かもしれない。70年代の四人囃子は、ひたすらカッコ良く、ストイックで、神々しく、後光がさしているようにすら見えた(当時、彼らのライブを見た事はなかったけど^^;)。こんな素晴らしいバンドが日本人のバンドである、という事がまた僕を惹きつけた。僕のとっての究極のロックバンドというのは、すなわち四人囃子に他ならないのであり、どんなバンドでどんな音楽をやろうと、四人囃子が指標であり目標だった。その四人囃子の曲を初めて人前で演奏することが出来るのだ。これが感動せずにいられるか(笑)
僕が四人囃子を聴き始めた頃、既にギタリストは森園勝敏から佐藤満に交代していたせいもあり、佐藤時代(佐久間時代と言っていいかも^^;)の方が若干思い入れが強いけど、森園時代も素晴らしい。特に「一触即発」である。日本のロックが生み出した比類なき名曲・名演であり、当時だって外国へ出しても恥ずかしくない楽曲だったと思う。この曲の凄いとこはとんなとこなのか、ちょっと箇条書きにしてみる(笑)
1.構成が実に巧みである。様々なパーツを繋ぎ合わせ、長い曲なのに聴く者を飽きさせず、尚且つそれらのパーツが実に自然に繋がっている。音楽的な破綻は一切ない。完璧な構成である。
2.欧米のプログレバンドたちがやってそうで、実はやってない事を「一触即発」はやってしまっている。静と動との対比、めまぐるしい曲展開、しかも決めるとこは決めるけど、その場の雰囲気で自由に展開できる部分も持っている。決してコチコチのテクニック重視の曲ではないのだ。そういう点では、ライブ向きかもしれない。演奏者の技量とセンス、双方が問われる曲、それが「一触即発」だ。イエスの構成重視、中期クリムゾンのインプロ重視、フロイドの雰囲気重視、その全てが「一触即発」には詰め込まれている。
3.歌詞がこれまた、意味があるのかないのか分からない。しかし、雰囲気を醸し出す、というか、聴く者のイメージを喚起させる、という点では成功している。あの時代に、こういう歌詞を歌っていた事自体が画期的と言えよう。
4.演奏者の技術を要求する曲なのは確かだ。しかし、ここでいう技術とは決してテクニカルな意味ではない。短い時間でたくさんのフレーズを弾くのとは違う、いわば簡単なフレーズもエモーショナルに聴かせる技術、そういうのが求められる曲なのだ。だから、単にコピーすればいい、というものではない。それだけでは、この曲に魂を吹き込む事はできない。“コピー”する事より、“演奏”する事が難しい楽曲と言ってよかろう。
う~む、ちょっと興奮してしまったかもしれない(爆) でも、どれだけ「一触即発」が凄い曲なのか、は分かって頂けたかと(ないない)。そんな魂の一曲を自分も演奏するのだ。四人囃子への想いもさることながら、自分自身のドラマーとしての才覚が問われる曲、プレッシャーはさりげなくデカい。思わず武者震いしてしまったよ(笑)
と、好き放題言ってるけど、本番2週間前にスタジオで合わせてみた時は、はっきり言ってメタメタだった。難しい曲だ、というのがイヤという程分かりましたです、はい(爆) 普段、バンドの練習の時、僕は割と他の人の音を聴きながら演奏してるのが多くて、自分が出来なくても他の人がちゃんとやってれば、まぁいいかな、なんて感じで演奏してるんだけど(笑)、今回ばかりは悪いけど、他の人たちの事まで気が回らなかった。自分の事だけしか考えられなかったのだ。こういう状態は久しぶり。皆さん、迷惑かけてすいません。でも、反面、ポイントさえ掴めばやれるかな、という感触もあった。それから本番当日まで、僕の頭の中は正に「一色即発」なんちて(爆)
という訳で迎えた本番当日、意外と冷静だったのは確かだと思う。けど、ライブが始まり、少しづつ「一触即発」の時間が近づいてくるに従って、かなり頭に血が上ってきた(笑) 興奮してるのか緊張してるのか。多分、両方だ。なにせ、この自分が「一触即発」をやるのだから。自分たちより前に演奏していたバンドたちの、テンション高い演奏ぶりにも刺激されていた。見てろよ、「一触即発」で叩きのめしてやる、みたいな感じで、アドレナリン上がりっ放し(笑) よく、出番前に倒れなかったものだ。いや、倒れるなら「一触即発」を完奏してから、なんて思っていたのかも(爆)
と言ってる間に出番が来た。ひとしきり興奮してせいか(笑)、意外と落ち着いて準備ができたような。でも、なんだかんだ言っても、ミスってしまった。シンバルスタンドのネジ締めが甘く、数回叩くと首が振られて、ついにスタンドが倒れてしまった。大醜態その1。その上、一回スティックを落とした。大醜態その2。念願の一曲をプレイするには、あまりにもお粗末なミスだった。情けない。穴があったら入りたい。天国で岡井大二が怒ってる(死んでないけど)。
で、約12分後、憧れの「一触即発」は終わった。至福の時間はあまりにも濃密で、しかし短かった。でも、終わった直後からじわじわと湧いてきた充足感。ついにやった。やってしまった。このオレが。
ここで、一緒に「一触即発」を演奏した皆さん、聴いて下さった皆さんにお詫びをしなければならない。僕は、自分のプレイに満足してしまいました。ゴメンナサイ。ミスもあった。決めの部分や展開が変わる所で、ちょっと合わない箇所もあった。でも、満足だった。あんな程度でよく満足だ、なんて言えたもんだこの恥知らず、と蔑まれるのは覚悟の上。本当に、この曲やれて嬉しかったし、ある程度はこなせたんじゃないか、なんて甘い認識はあるけど、とにかく満足だったのだ。本当に、チーム四人囃子として、この曲を一緒に演奏した、まんきちさん、TOMさん、忍者さん、huemuraさん、Brendaさん、の皆さんには、深く感謝しています。最高のメンバーで、最高の楽曲を演奏する歓び、本当に何にも代えがたいものを得ることが出来ました。
そんな訳で、「プログレ普及会第一回総決起集会」は終わった。自分の事ばかりで申し訳ない。でも、今回の企画は、僕にとっては「一触即発」で始まり「一触即発」で終わってしまった。勝手な思い入れなんだけど。あの時、チーム四人囃子が演奏した「一触即発」が、聴いてる人たちに何かしらのインパクトを与えられたのなら嬉しいけど、ま、ドリーム・シアターやらラッシュやら、超絶技巧集団の後だったから、印象薄かったかもしれない。だけど、僕は「一触即発」をやれて満足だったし、もう思い残すことはない、くらいの心境にも一時的に陥ったりなんかして(爆)、とにかく感激していたのだ。自己満足で申し訳ないけど。普段は、そういう気持ちになる事はあまりないので、あの時の僕は、完全にバンドを始めたばかりの小僧に逆戻りしていたと思う。
という訳で、この日の「プログレ普及会第一回総決起集会」については、いずれこちらでレポをアップします。今、写真集めてるとこなんで、撮影された方、是非写真下さい。できたら、全バンド分(笑) よろしくお願いします。
今読み返してみたけど、やっぱ舞い上がってるなぁ(爆) しかも、訳分かんないし(爆爆) どうもすいませんm(_ _)m