さて、「我が青春のサウンドトラック」続いてはLP編である。が、LPの場合、解説がどうしても長くなってしまうので、数回に分けることにする。今回は、LP編・その1、ってことで。
前回も書いたように、70年代中頃って、映画音楽のレコードが何種類も出ていて、特に“映画音楽全集”と銘打ったオムニバスが多かった。当然、これらの“全集”の大半はカバーレコードであり、値段も比較的安いのもあって、初心者向けというか単なるBGM集というか、ま、今回紹介するのは、そんな“全集モノ”のLPである。
マカロニ・ウエスタン/西部劇テーマ・ゴールド30
1枚目
A-1.さすらいの口笛~『荒野の用心棒』より
2.荒野の用心棒
3.南から来た用心棒
4.続・荒野の用心棒
5.怒りの荒野
6.さすらいの一匹狼
7.続・さすらいの一匹狼
8.帰って来たガンマン
B-1.夕陽のガンマン
2.続・夕陽のガンマン
3.荒野の1ドル銀貨
4.続・荒野の1ドル銀貨
5.皆殺し無頼
6.情無用のコルト
7.復讐のバラード~『ウエスタン』より
2枚目
A-1.駅馬車
2.ハイ・ヌーン~『真昼の決闘』より
3.ジャニー・ギター~『大砂塵』より
4.皆殺しの歌~『リオ・ブラボー』より
5.遥かなる山の呼び声~『シェーン』より
6.大いなる西部
7.黄色いリボン
B-1.OK牧場の決闘
2.テキサスの黄色いバラ~『拳銃稼業』より
3.誇り高き男
4.騎兵隊マーチ~『騎兵隊』より
5.遥かなるアラモ~『アラモ』より
6.帰らざる河
7.いとしのクレメンタイン~『荒野の決闘』より
8.ボタンとリボン~『腰抜け二挺拳銃』より
やはり、映画音楽聴くなら、マカロニと西部劇はマストでしょ(笑)。
という訳で、1枚に15曲づつ合わせて30曲詰め込んだ“全集”である。確か、小6の誕生日か何かで買って貰ったような気がする。映画音楽のLPで、最初に手にしたのがこれだった。ま、最初に買うなら、やはり西部劇がいい、と親にリクエストしたようなしなかったような(笑) 本当は、「荒野の七人」が入っているのが欲しかったのだが、買いに行った店にはなかった。その時の母の一言、「こういうLPは、よく知られている名曲が入っているものであって、荒野の七人はその条件を満たしてないのよ」、子供心にも納得いかなかったような...(笑)
と、前置きが長くなったが、マカロニ&西部劇のテーマ、よく聴いたなぁ。大げさでなく、毎日聴いてたと思う。曲目を見て頂いてもお分かりのように、とにかく定番曲ばかりであり、当時ガキだった僕でも、西部劇の方は知ってるタイトルばかりだ、なんて思ったくらい。どちらかというと、マカロニの方が好きだったかも。
一応明記しておくと、収録曲のうち、「さすらいの口笛」「荒野の用心棒」「南から来た用心棒」「怒りの荒野」「夕陽のガンマン」「続・荒野の1ドル銀貨」「復讐のバラード」「帰らざる河」は、サントラで、あとはカバー。
とにかく、「さすらいの口笛」は名曲である。「夕陽のガンマン」も素晴らしい。どちらも口笛で主旋律を奏でるのだが、哀愁漂う前者に対し、殺気が漲る後者、2曲とも作曲はエンニオ・モリコーネであり、偉大な作曲家として彼の名前は、僕の脳に深くインプットされたのだった(笑)
リズ・オルトラーニ作曲の「怒りの荒野」も、実にカッコいい。ド派手なイントロから一転、非情なメロディをエレキギターが奏でるという、一種のギターインスト。ベンチャーズみたいなのとは違うけど。また、当時は知らなかったけど、「続・夕陽のガンマン」の演奏はウーゴ・モンテネグロ楽団となっていて、実はこれ、アメリカでヒットしたバージョンらしい。
ついでにいうと、「帰って来たガンマン」と「皆殺し無頼」は、同じ曲が収められている。明らかにミスなのであるが、どっちが正しいのかは分からない(笑)
哀愁或いは緊張感を漂わせるメロディが多いマカロニに比べると、西部劇の方は、のんびりしてるというか、ちとトロい感じがした(笑)。それでも、「ジャニー・ギター」「大いなる西部」「OK牧場の決闘」「ボタンとリボン」といった曲は好きだったな。映画そのものとしては、『真昼の決闘』『黄色いリボン』『荒野の決闘』あたりは、名作という世間の評価ほど、面白くなかったという印象がある^^;
映画自体はともかく、音楽としては、やはりマカロニに軍配が上がるかな、という気がする。あの『必殺』シリーズの音楽も、マカロニがアイデアの元だというし。このLPには入ってないけど、『星空の用心棒』のテーマ曲も名曲なんで、是非聴いてみて下さい(笑)
さて、続いては...
SCREEN MUSIC
1枚目
A-1.燃えよドラゴン
2.チューブラー・ベルズ~『エクソシスト』より
3.ペーパー・ムーン
4.メイム
5.テリーのテーマ~『ライム・ライト』より
6.ゴッドファーザー
B-1.おもいでの夏
2.ある愛の詩
3.男と女
4.サウンド・オブ・サイレンス~『卒業』より
5.魅惑のワルツ~『昼下がりの情事』より
6.いそしぎ
2枚目
A-1.ドレミの歌~『サウンド・オブ・ミュージック』より
2.夏の日の恋~『避暑地の出来事』
3.トゥナイト~『ウェスト・サイド物語』より
4.ロミオとジュリエット
5.モア~『世界残酷物語』より
6.80日間世界一周
B-1.タラのテーマ~『風と共に去りぬ』より
2.太陽がいっぱい
3.慕情
4.第3の男
5.禁じられた遊び
6.エデンの東
これも正に定番中の定番ばかりを集めたLPである。皆さんも、多分半分以上の曲はご存知なのではないかと^^; ジャケットにもあるが、この時点で『燃えよドラゴン』と『エクソシスト』は最新映画という事で、目玉にしてたような感じ。
収録曲のうち、「燃えよドラゴン」「メイム」「おもいでの夏」がサントラで、残りはカバーである。「チューブラー・ベルズ」なんて、マイク・オールドフィールドのオリジナルに、実に忠実なカバーになっている。正に完コピ(笑) ちらっと聴いただけでは区別つかない。
カバーなんで、「サウンド・オブ・サイレンス」もインストである。S&Gバージョンを聴くのはもっと後のこと。あと、「夏の日の恋」について解説に、“公開当時テーマ曲が大ヒットした”とあるが、ヒットさせたのはパーシー・フェイスである、という事を知るのも、もっと後のこと(笑)
ここに入ってる曲の大半は、後にサントラを聴いたけど、原型をとどめてないようなカバーもあったりする。けど、オリジナルより、ここに入ってるバージョンの方が好きなのもある。「いそしぎ」とか「男と女」とか「第3の男」とかね。エレキでカバーしてる「禁じられた遊び」というのも、なんだかねぇ...(笑) すっかりビッグ・バンド・バージョンになってしまった「ゴッドファーザー(愛のテーマ)」も、やかましいけどよろしい(笑)
所で、この2枚とも、1975年に買って貰ったものであるが、マカロニ/西部劇の方は4000円、SCREEN MUSICの方は3400円である。レコードの値段って、あんまり変わってないのね(笑)