という訳で、前回の続き(笑)
と、キャンパス内をうろうろしていると、ライブの開場時刻となったので、我々は体育館に向かった。そう、プロを招いてのライブは学園祭の名物であり、会場はなんといっても体育館なのだ(は?)。
実は、学生時代、僕はここの体育館はほとんど使った事がない。教養課程に体育の授業はあったけど、教養課程は別の校舎だったので、学園祭が行われる本校の体育館とは縁がなかったのだ。卒業式の事はほとんど覚えてないし(爆) 従って、ライブを見る為に足を踏み入れた体育館は、昔と変わっていたのかどうかは分からない^^;
さて、今回の学園祭ライブ、出演は今注目の家入レオである。まだ高校生のシンガー・ソングライターで、今年レコードデビューしたばかり。シングル3枚を出した後、1stアルバムが先月発売された。正に今が旬の、文字通りの若手である。巷で評判になってる、というのはなんとなく聞いてて、名前もなんとなく知ってた。けど、曲は知らない。妻は一曲だけ知ってる、と言ってた。僕の家入レオに対する認識はその程度だが、母校の学園祭で見れるのであれば、やはり見なければ。しかも、普通のライブより安いし(笑)
家入レオは17歳と若いので、ファン層も若いのでは、と思っていたが、会場には意外と年齢高そうなのもいた(笑) 体育館内にはステージが設営され、アンプやドラムセットが鎮座していて、新人だけどバンド付いてるんだ、とミョーに感心したりして(笑) バンドなしでカラオケで平気な顔してライブする人たちも多い昨今、実に見上げた心意気である。ロック系という理由もあるだろうけど、やはりライブと言ったら生バンドの生演奏でないと。つーか、こんな事で感心してしまう昨今の音楽事情が情けない(爆)
会場内はオールスタンディングで、大台を過ぎた身にはスタンディングのライブはしんどいのだが(爆)、その状態で待つこと約30分、開演時間になると、場内が暗転し、ステージ上にバンドメンバーそして家入レオが姿を現した。そして、ライブスタート。
バンドの演奏が意外に整然とした感じで、生特有の荒っぽさはなかったけど、こういう音が近頃のトレンドなのか。しかし、そんなちょっとした不満も、家入レオが歌い出した瞬間どこかへ行ってしまった。実によく声が出てて、決してバンド演奏に負けていないし、発声も良く言葉がダイレクトに伝わってくる。若いけどかなりの実力派だ。家入レオって、実は何年かに一人の逸材かもしれない、と大げさでなく、僕はそう感じた。しかも一曲目で。
ライブが進むにつれ、その感覚は次第に確信に変わっていく。この日歌った曲は全て家入レオの自作(作曲は共作)という事だが、どの曲もフックが効いた印象的なものばかりで、曲作りの才もなかなかのもの。前述したように、歌詞がよく耳に入ってくるのだが、10代の女の子にありがちなナルシズムもおセンチな雰囲気もなく、とてもクール且つリアルな印象があり、同世代のみならず、僕のようなオジサンでも受け入れられるものがある。少なくとも、他の若い子の歌を聴いた時のような「勘弁してよ」みたいなのはない。本人は、尾崎豊に影響されて歌手を志したそうだが、その尾崎よりも家入レオは「大人」である。
そのルックスから、家入レオはクールでパンクなロッカーだと思い込んでいたが、実物は案外よく喋る(笑) いわゆるお喋りではなく、ライブも歌を聴かせるのが基本だけど、MCも上手にこなしていた。通っている高校の文化祭でのネタとか、ここいらは普通の女子高生という感じ。歌っている時のロックスター然とした佇まいとは少し違う雰囲気で、この辺のちょっとしたギャップが、好感度アップに一役買ってるかも(笑)
少し難を言えば、曲自体は良いのだが、やはり似たような雰囲気のが多くて、しばらく聴いてると同じに聞こえてくる、というのが感じられたけど、途中に長めのMCを挟んだ後の仕切り直しの一曲でペースを変え、それまでとちょっと違った雰囲気に持っていって、結果として最後まで飽きさせずに聴かせた、というのはさすがというか何というか。
とまぁ、それにしても、空恐ろしい17才である。歌唱力は申し分なく、曲作りも巧みで、ステージも堂々としたもの。ちなみに、この日は14曲程歌ったが、1ステージでこれだけ歌ったのは初めてらしい。にもかかわらず、この安定感は凄い。常にステージ上から真っ直ぐ客席を見つめて歌う態度も立派だし、若者だけでなく、オジサンをも唸らせるロックシンガーである。今後が楽しみ^^
家入レオの今回のライブは、本人にとっては初ライブみたいなもんだったらしいが、とにかく素晴らしかった。1stアルバム発表直後のライブなんて、そのアーティストのキャリアがこれからも続くという事を考えると、実に貴重である。僕にとてはフォリナーの初来日と並ぶライブだな(爆爆) と、それはともかく、家入レオ、今後が楽しみである。願わくば、一発屋で終わらないで、というか、20才になったらただの人、なんて事にはならないで欲しい。
という訳で、家入レオのライブ、素晴らしかったのである。え? 褒め過ぎで気持ち悪い? 仕方ないでしょ、本当なんだから(笑) 1stアルバムをアマゾンに注文しなければ、と思いながら、体育館を出ると、すっかり暗くなっていて、学園祭も終わりの時刻になっていた。
てな訳で、家入レオのライブも含め、25年ぶりの学園祭、とても楽しかったのである。ゆとり世代とか何とか、巷では色々言われるけど、母校で見た学生たちは、僕らの頃と全く変わってない、って感じがしたし。我が母校は昔から、大人しいというか地味な校風で、学生たちも真面目なのが多かった(もちろん僕も。笑) 何故か、地方出身者が多く、しかもあまり裕福な家庭の出身もいなかったせいか、割に真面目で地味めで決して金持ちではない、という学生ばかりだったのである。男も女も、渋谷や六本木で夜遊びするでもなく、ブランド品を身につけるでもなく、バイトしながらコツコツ自炊してたりなんかして、当時流行ってた『なんとなくクリスタル』なんて、一体どこの世界の話やねん、みたいな感じだったのだ(爆) そんな雰囲気は今でも脈々と続いているようで、妻も「ここの学生は、あまりすれてない」なんて言うくらい(笑) そんな昔と変わらぬ母校の後輩たちを見ていると、日本の将来に多少希望が持てたりなんかして(爆爆)
という訳で、学園祭レポートでした。写真を載せたいけど、大学が特定されてしまうので、敢えて掲載しません。って、既にバレてると思うけどね(爆)