日々の覚書

MFCオーナーのブログ

Turning Back The Time

2025年02月11日 22時29分56秒 | 音楽ネタ
先日、第67回グラミー賞が発表された。なんとなく、グラミー賞の授賞式って2月の終わりみたいなイメージで、今年は早いな、なんて思ったけど、どうなんだろう? 

そのグラミー賞、今年の主要部門は、ビヨンセがアルバム・オブ・ザ・イヤー、ケンドリック・ラマーがレコード・オブ・ザ・イヤーとソング・オブ・ザ・イヤーの2冠、という結果になった。ビヨンセは最優秀カントリー・アルバムも受賞したというから驚きだ。とにかく、おめでとうございます。

個人的には、レコード・オブ・ザ・イヤーにビートルズの「ナウ・アンド・ゼン」がノミネートされてたのが、意外というかやや驚きだった。

そのグラミー賞ほどではないと思うが、アメリカにはロックの殿堂というのもあり、ここに入るのも一応名誉なことなのだと思う。殿堂入りするミュージシャンは毎年発表されているが、昨年、なんとフォリナーが新たに殿堂入りした。栄誉て言っていいだろう。ちょっと遅いかな、という気もするが(苦笑) 最初のレコードを出してから25年以上経った人(グループ)が対象になる訳だが、フォリナーの場合は47年が経過している。ファン投票と選考委員の投票で決まるらしいが、選考基準に、ロックンロールの発展に貢献している事、みたいなのもあり、フォリナーに対する一般の評価はそんなものなのだろう。仕方ないか。あのイエスですら、殿堂入りは2017年と遅かったし、ま、ファンとしては、ここは素直に喜んだ方がいいのだろうね。ただ、告白すると、僕はフォリナーの殿堂入りを式典が終わって2ヶ月以上過ぎるまで知らなかった(恥) 大変申し訳ありませんm(_ _)m

で、殿堂入りを記念してなのかどうかは分からないけど、タイミング良くフォリナーの新編集ベスト盤が出た。



皆さんご存知の通り、フォリナーってベスト盤がかなりの点数出ていて、はっきり言って訳分からない(苦笑) 実は僕もいくつか持っているが(『Records(1982)』『The Very Best...And Beyond(1992)』『Anthology : Juke Box Heroes(2000)』『40 : Forty Hits From Forty Years(2017)』)、どれも似たような内容なんで、フォリナーのベストはもういいかな、それより新作出してよ、なんて毎回思っていた。そこへきて今回の『Turning Back The Time』である。最初はスルーする気でいたが、新曲が一曲収録されていて、なんとルー・グラムが参加している、なんて話を聞いてしまうと簡単に素通りは出来ず、とりあえずカートには入れておいた訳だ(笑) そしたら殿堂入りを知ったもんで、ご祝儀のつもりと言い訳しつつ注文してしまったのであった(笑)

収録曲は、いつも通り70年代から80年代のフォリナー珠玉のヒット曲がずらりと並び、案の定というか何というか、『Unusual Heat』と『Mr. Moonlight』からは一曲もセレクトされてない。それどころか、ライナーに掲載されているディスコグラフィーでも、この2枚はカットされている。気の毒に。黒歴史なんだろうか...ま、それは置いといて(笑)、何度聴いても色褪せないヒット曲たちは、ほんと素晴らしい。ただ、どれもシングル・バージョンで収録されているのに『Long Long Way From Home』だけはアルバム・バージョンだった。何故だ? ま、いいか(笑)

で、肝心の新曲であるが、結論から言うと、素晴らしい出来映えだ。ま、過去のフォリナーの実績からすれば、これくらいの曲はフツーに作れるとは思うのだが、でも良い曲と思う。なんたって、ルー・グラムが歌っているのである。これだけでも感激だ。曲自体は、ミックとルー、そしてミックと最近一緒にやっているマーティ・フレデリクセンとの3人の共作で、レコーディングはミックとルーに、このマーティ・フレデリクセン(G、Bs、Perc)とエヴァン・フレデリクセン(Ds)(兄弟ですかね)を加えた4人で行われたらしい。録音は最近なのかなぁ。録音日時、場所などの詳細はクレジットがないので分からないが、ルーの声が若い頃とは違うけどルーには違いないし、歌いっぷりだってやっぱりルー・グラムだ!という感じで、実に素晴らしい。今のルーがこれだけ歌えるのなら、喜ばしいというか感動の極致だが、昔の録音かもしれないしな...いや、でも、良いです。どこへ出しても恥ずかしくない、感激のフォリナーの新曲なのである。

先ほど、本ベスト盤のリリースが殿堂入りと関係してるかどうか分からない、書いたが、それは間違いで、やはり殿堂入り記念らしい。ブックレットにミック・ジョーンズのコメントがある。せっかくなので紹介させて頂きます(意訳:MFCオーナー)

「フォリナーの殿堂入りは、私のキャリアに於いて、金で買えない最高の場面である。2024年10月19日は、私、ルー、アル、デニス、リックにとって、感動的な日としてずっと記憶されるだろうし、イアンとエドの家族にとっても、特別な日となるだろう。殿堂の名誉議長ジョン・サイクスと選考委員会議長のリック・クリスは、新しい時代の包括性と関連性の中でリーダーシップを発揮し、殿堂のあるべき姿に反映させた。私たちは、この一員になれた事を誇りに思う。私はこの曲たちのコレクションが私たちをここへ連れてきたと思うし、我々の行き先を照らしてくれるいくつかの最近の録音も併せて、私と同様にそれらを聴く全ての人々もそうだ、と意味する事になるだろう。」

後半は何だかよく分からないが^^;、ま、そういう事なんだろう(爆) ちなみに、断るまでもないが、10月19日は記念式典が行われた日。ま、なんとなくだけど、このコメントに、ミック・ジョーンズの殿堂入りに対する複雑な思いを感じてしまうのは僕だけか?(笑)

僕だけではなく、大半のフォリナー・ファンにとっても、殿堂入りは大した問題ではないと思う。本ベスト盤を聴いてみても分かるように、フォリナーが今までに数多くの素晴らしい作品を発表し、それらをヒットさせてきたという事実が重要なのだ。本作に収録された18曲(新曲1曲含む)は、今までに何度聴いたか分からない、でも今でも聴くたびに新たな発見があり感動がある。実にエバーグリーンな名曲たちなのだ。誰が何と言おうとフォリナーは凄い。デビューから48年、ミック・ジョーンズも80歳になり、正直言うと、新作も来日公演もこの先期待出来ないけど、僕はずっとフォリナーのファンであり続けます。よろしく(って誰に言ってるんだか。笑)
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過激な楽天主義

2024年12月30日 15時08分21秒 | 音楽ネタ
先日、我が家の年末恒例のイベントでもある、第九演奏会の事をプログネタにしたが、そのベートーベン作曲の交響曲第9番について、色々と興味深い話を聞いた。この曲の初演は1824年の5月、場所はウィーンだったらしい。ちょうど200年前である。つまり、2024年は第九200周年だったという訳だ。特に世間は騒いでなかったけど(笑) で、日本に於ける第九の初演は諸説あるものの、1924年11月とされていて、なんと今年で100周年。実は、第九に関しては、今年2024年はメモリアルイヤーだったのだ。何故、もっと盛り上がらなかったのだろう?

という訳で、最近買ったCDから(相変わらず唐突)



正に現代の歌姫、デュア・リパの今年出た新作。通算で3作目らしい。僕は、デュア・リパと言えば、「コールド・ハート」でエルトン・ジョンと共演した人、という程度の知識しかなく、去年のマジソン・スクエア・ガーデンでのエルトン・ラスト・ライブのアンコールに登場して、エルトンと「コールド・ハート」を歌ったのを見て、モデルみたいなルックスの人、なんて思ったのだが、実際、本当にモデルもやってるらしい。確かに、スタイル良くてカッコいいからね。それでCD買ったわけではないけど(笑)

で、この新作を聴いてみようと思ったのは、FMで「フーディーニ」を聴いて気に入ったからだ。実際に注文するまで時間が空いてしまったが(笑)、聴いてみると、予想通り、なかなかにスタイリッシュなポップスである。基本打ち込みのようだが、意外と楽器感(?)があって、80’sっぽい。メロディも分かりやすいし、デュア・リパのボーカルも割に低音域で聴きやすく、良い感じではなかろうか。ダンサブルな曲が多いが、決してダンス系ではないので、落ち着いて聴いていられるし、個人的にはバラード系が皆無なのもいいと思う。ボートラを除いた本編の演奏時間が、今時珍しく30分台なのもよろしい(笑) 11曲で30分台だから、1曲あたり2分そこそこ、というのも集中力が衰えたオジサンにはちょうど良い(笑) 

と、とても聴きやすく、アーティストの主張も感じられて、飽きの来ない良いアルバムと思います。部屋でじっくり聴いても良し、車でかけてドライブのお供にも良し、とシチュエーションを選ばないのもいい。ジャケットもナイス。

続いては、



この人の事は最近というか2~3年前まで知らなくて、たまたまFMで耳にして注目してたのだが、実はキャリアは長いらしい。1997年にシンバルスというバンドのボーカルとしてデビューし、2004年にソロ・デビューしているそうな(メジャー・デビューは2007年)。全然知らなかった(恥) ちなみに、父親はあの土岐英史氏とのこと。

で、全く土岐麻子の事を知らなかった僕が、何故この人に注目したかというと、FMで偶然聴いて、カバー曲のセンスと素直な歌声に惹かれたからだ。色々とディスコグラフィーを調べてみると、オリジナルだけでなくカバー・アルバムも結構出してて、またその多岐に渡るカバーのチョイスが面白く、一度聴いてみたいと思うようになり、たまたまBSで見た歌番組に出ていて、その時歌ってたのが聴いた事ある曲だったというのもあって、この『Light!~CM & COVER SONGS』を聴いてみた、という次第。ちなみに、聴いた事ある曲というのは「Gift~あなたはマドンナ」で、もちろん本作にも収録、随分前だけどCM曲だったらしい。作曲はなんとあのEPOで、前出のBSの番組でも、共演してた。フックの効いたキャッチーな名曲である。

で、この『Light!~CM & COVER SONGS』、12曲中10曲がカバーである。洋のカバーと邦のカバーが5曲づつで、洋はともかく、邦のカバーは「い・け・な・いルージュマジック」「小麦色のマーメイド」「サマー・ヌード」など、オリジナルの歌い手の個性が強烈な曲が目立つが、アレンジやテンポを変えて、自分の世界にしてしまっているのが凄い。素直でクセのない声質だが、それが却って違和感を覚えさせない要因かも。声質もそうだが、やはり上手いしね。洋のカバーも、英語で歌ってるのと日本語の歌詞にしてるのとあるが、どちらも素晴らしいです。他にも色々聴いてみたくなった。

ところで、その土岐麻子はシンバルスというバンドのボーカルとしてデビューしたのには触れたが、よくよく思い返してみたら、シンバルスのシングルを何故か持っていた。これです^^


「Highway Star Speed Star」というタイトル。ディープ・パープルを連想した人も多いと思うが(笑)、全く音には関係なし(笑) この曲、2000年に出ていて、当時のシンバルスは3人組で、もちろん、土岐麻子もクレジットされてます(Singingとなってる)。割に都会的でオシャレなナンバーで、タイトル通り、なかなか疾走感のある曲調だ。僕の記憶に間違いなければ、このシンバルスも、90年代にちょっとしたムーブメントだった”渋谷系”のバンドとして紹介されてた気がする。オシャレなんだけど、昔っぽい音作りとかも”渋谷系”って感じ。今聴いても、オシャレなレトロって雰囲気で、こういうの、確かに当時多かったかな、なんて思ったりする(笑) なかなかいいんじゃないかな。”渋谷系”というのは、ちと胡散臭いけど(笑)
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ネフェルティティ

2024年12月29日 09時22分38秒 | 音楽ネタ
いきなりだが、最近買ったCDから。



今年は、個人的にはジャズ・フュージョン系をよく聴いてたと思う。もちろん、レコード・コレクターズの影響なのだが(笑)、そのフュージョンというかクロスオーバー化する前のジャズについては、実は疎くてほとんど知らないと言っていいのだが、やはりレコード・コレクターズの影響もあり(笑)、ちょっと手を出してみた。と言っても、せいぜいハービー・ハンコックとマイルス・デイビスくらいなんだけど。で、『ネフェルティティ』なんである。

僕はジャズには疎いので、60年代にマイルスをはじめとするジャズの人たちがやってたのがどういうものなのか、は分からない。ただ、この『ネフェルティティ』は1968年発表、マイルス以下、ウェイン・ショーター(Sax)、ハービー・ハンコック(Pf)、ロン・カーター(Bs)、トニー・ウィリアムス(Ds)の5人で録音され、マイルスの傑作として名高いだけでなく、アコースティック・マイルスの最後となった重要作でもある、というのはなんとなく知ってた。それと、この録音メンバーの5人が、マイルス・クインテットでは最強のメンツである、という事も。

で、聴いてみると、この時期のジャズに対して僕が持っているイメージ、つまり全編に漂う緊張感、単にソロ交換だけに終わらないインプロビゼーション、意外と分かりやすい曲構成と曲調、などがそのまま提示されている印象。曲や演奏が激しいものはあまりないので、リラックスして聴けるけど、静かな中に漲る緊張感がなかなか。ハービー・ハンコックの『処女航海』と似た雰囲気。違うものであるのは分かるけど。マイルスのプレイの特徴というのは分からないけど、この『ネフェルティティ』でのマイルスはクールで抑えめな感じ。少なくとも、自分ひとりが前に出ようとしてる感じではない。何回か続けて聴いてみたくなるアルバムだ。

本作で、重要なポジションにいるのが、ウェイン・ショーターである。ご存知、後にウェザー・リポートを結成した人であるが、やはり若い頃から注目されていた人らしく、ここでも6曲中3曲を提供し、プレイも溌剌とした感じ。ちょっと、この時期のウェイン・ショーターも聴いてみたくなった。ま、今年は多少でもジャズに目覚めたのは収穫かな。

閑話休題。

またしても訃報である。70年代に人気だった女優オリビア・ハッセーが亡くなった。享年73歳。癌を患い闘病中だったとか。仕方ない事とは言え、非常に残念だし悲しい。謹んでご冥福をお祈り致します。

オリビア・ハッセーと言えば『ロミオとジュリエット』である。もちろん、オリビアはジュリエットの役。文句なしに彼女の代表作であろうし、この作品によって彼女は一躍最も注目される女優となった。ただ、この『ロミオとジュリエット』の印象があまりにも強烈だったせいか、これ以降は正直なところ、あまり作品に恵まれなかったというか、『ロミオとジュリエット』を超える事が出来ず、伸び悩んでいた感がある。類まれな美貌の持ち主でありながら、グラビアでよく見る美人女優、という以上のステータスを得る事が出来なかったのは実に残念だ。今回の訃報記事もそうだが、日本ではオリビア・ハッセーと言えば布施明の元妻、という肩書がついて回るのもやや残念。

何度か書いているが、中学生の頃、僕は映画にハマっていて、友人に借りた『ロードショー』や『スクリーン』を夢中になって見ていたのだが、その頃、オリビアはもちろんトップクラスの人気女優で、毎号のようにグラビアを飾っていた記憶がある。ほんと、あの頃のオリビアはこの世の人とは思えないほど美しく、グラビアで見ていてもため息しか出ないくらいだった。けど、よくよく思い返してみると、僕はオリビアの映画は一本も見ていないかもしれない。代表作『ロミオとジュリエット』は見た記憶がない。それ以外の出演作にしても、『サマータイム・キラー』『失われた地平線』『暗闇にベルが鳴る』といった作品は知ってはいるが、やはり見た記憶がなく、結局、偉そうな事は言ってるけど、僕はオリビア・ハッセーの映画を見てないのである。スクリーンで見るオリビアは、グラビアの数倍も美しかったんだろうな。しかも動くし喋るし、ほんと素敵に違いない。惜しい事をしたと思う。って、今からでも遅くはないかも(苦笑)

オリビアは『ロミオとジュリエット』以降伸び悩んでいた、と書いたが、後年念願だったマザー・テレサをテレビドラマで演じた時は、とても幸運、女優冥利に尽きると語っていたらしい。ただ、その『ロミオとジュリエット』の監督フランコ・ゼフィレッリが亡くなってから、映画の中で全裸となった事について、それは児童ポルノ以外の何者でもなく、そのことが原因で映画公開から50年以上も精神的苦痛を受けた、として損害賠償を起こした、と聞いた時は、複雑なものを感じたりもした。結局、オリビアにとって『ロミオとジュリエット』は何だったのだろう? もしかすると、この映画に出ないで違う作品でデビューしていれば、もっと違った女優人生があったのだろうか。勿体ない気もする。それだけの逸材ではあったと思うだけに。

若い頃に憧れていた女優が、徐々にいなくなっていくのは寂しいものだ。仕方ない事ではあるけれど。
そんな思いをよそに、2024年は暮れていくのであった。


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100円なら買ってもいいアルバム

2024年11月03日 10時03分30秒 | 音楽ネタ
アバカブ/ジェネシス
デューク/ジェネシス
ガウチョ/スティーリー・ダン
エクスタシー/スティーリー・ダン
パートナーズ・イン・クライム/ルパート・ホームス
ディスカバリー/ELO
グレイテスト・ヒッツ/ポリス
闇からの一撃/レインボー
ナイト・オン・ザ・タウン/ロッド・スチュワート
カムフラージュ/ロッド・スチュワート
グレイテスト・ヒッツ/サイモン&ガーファンクル
仮面の正体/キッス
グラス・ハウス/ビリー・ジョエル
 
ニュアンスが伝わるかどうかビミョーだが、自分では所有していないけど、特に嫌いとか興味がないとかいうのではなく、知ってる曲或いは好きな曲も収録されてたりして、聴いてみようと思ってたんだけど買わないまま年月が過ぎてしまって、ふと思い出してたまに聴いてみたくなるんだけど、その欲求がそれほど強い訳ではなく、今までに買うチャンスなどはあったにもかかわらず買わなかったくらいだから、今さら大枚はたくのも何だし、ま、中古とかで100円なら買ってもいいかな、という感じのアルバムを列記してみた。一体、何の意味があるのか(爆)
 
たぶん、思い浮かばないだけで、もっとあるのだろうと思う。一応断っておくが、上記のアルバムたちを否定してる訳ではないので念の為。否定してたら、100円でも買いませんよ(笑) ま、聴きたい買いたいと思った時に買っておいた方が、後々の事を考えるとよろしいかと(笑)
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ブギウギ列車夜行便

2024年08月12日 09時48分34秒 | 音楽ネタ
ご存知の方も多いと思うが、こんなショッキングなニュースが流れた。


あのエアロスミスが、スティーブン・タイラーの声帯損傷が回復しないので、ツアーからの引退を決定した、というニュースである。このニュース、結構各方面に衝撃を与えたらしく、"同世代"のブライアン・メイも「悲痛だ」と涙の声明を発表したそうだし、FMでもこの話題を取り上げていて、DJは残念とかショックとかコメントしながら「エンジェル」をかけていた。

このニュースで驚いたのは、スティーブン・タイラーは76歳になってて、それでもツアーに出ようとしていたこと。確かに、大先輩のストーンズや"同世代"(笑)のクイーンあたりが未だにワールド・ツアーとかやってるので、エアロもまだ現役だしツアーは当然という気がしないでもないが、それにしても、この年でツアーというのには頭が下がる。いやほんと、もうゆっくりしてて下さいよ。その心意気だけで十分です。

で、エアロである。いや、今回のニュースに触発された訳ではなくて、ちょっと前に妻が突然エアロ聴きたいと言うので、車でエアロの90年代のアルバムとか聴いてたのだが、そう言えば70年代のアルバムでも持ってないのあるなぁ、と思って中古で探したりしてたのだ。

という訳で、最近買ったCDから。




ご存知エアロの2ndである。1974年発表。邦題は『飛べ!エアロスミス』。確か、本作でエアロは日本デビューを飾ったはずで、若手の有望株だったエアロを日本でも大々的にプッシュしよう、という意気込みが表われた邦題と言っていいのかもしれないが(笑)、当時の日本側の担当者は、バンド名とロゴとアルバム・タイトルから、"飛行機"や"翼"をイメージしたらしく、タイトルはもろそれだし(笑)、一曲目の「Same Old Song And Dance」は「エアロスミス離陸のテーマ」という邦題だった(笑) 本作と次作は全曲邦題がついてて、どういう方向に持って行こうとしていたのかは不明で、プロモートしやすくしようという意図は、なんとなく分かるが、なかなかにトホホな邦題もあり(笑)、本作収録曲だと、有名なヤードバーズのカバー「Train Kept A Rollin'」が「ブギウギ列車夜行便」という邦題で、これは僕にとっては歴代迷(名)邦題TOP10に入る傑作と思うが(笑)、今回購入したCDでは、この「Train Kept A Rollin'」と先の「Same Old Song And Dance」については、邦題はなくなっている。なんか残念(爆)

という訳で、エアロの2ndである。いや、なんというか、後にエアロが成功したから言うのではないが、2ndの割にはすでに大物の片鱗があちこちに感じ取れる傑作、と言っていいのではなかろうか。1stと比べると、曲作りも洗練され、80~90年代のようなキャッチーさはないけれど、独自の個性は確立されており、加えて風格すら感じさせる。カッコいいリフのハードロック「エアロスミスSOS」、ドラマティックに展開する「折れた翼」、曲が足りず穴埋めの一曲だったとは思えない「支配者の女」など、聴きごたえのある曲がも多い。エアロの場合、ヤードバーズをカバーしている事からも察せられるが、同じブルース・ロックでもイギリスのバンドからの影響が大きいようで、そこが同時期のアメリカン・バンドと一味違うところであるが、本作もブリティッシュな雰囲気の陰影を感じさせる音作りで、実に素晴らしい。イギリスのバンドと勘違いした人もいたかも(笑) 初めて組んだジャック・ダグラスの功績もあり、以降、エアロはダグラスとのタッグで名作を連発し、70年代の第一黄金期に突入していくのである。

続いては、




ま、文字通り、エアロのグレイテスト・ヒッツであり、ご存知の通り、エアロのベスト盤は何種類か出ていて、それらの収録曲の大半が80年代後半以降の、いわゆる復活後の第二黄金期のヒット曲で、70年代のベスト盤は本作だけである。故に貴重なのかどうなのか(苦笑) このベスト盤、1980年頃に初期バージョンが出て、その時は「ドリーム・オン」「セイム・オールド・ソング・アンド・ダンス」「スイート・エモーション」「ウォーク・ディス・ウェイ」「ラスト・チャイルド」「バック・イン・ザ・サドル」「ドロー・ザ・ライン」「キングス・アンド・クイーンズ」「カム・トゥゲザー」「リメンバー」の10曲入りだったのだが、いつの間にか、タイトルに"1973-1988"が追記された新バージョンが出ていた。今回僕が中古で買ったのも、その新バージョン。シングル曲のみだった初期バージョンに、1stから3rdから一曲づつ及びジョーとブラッドのギタリスト2人が脱退していた時期の曲も加え、さらにボーナス・トラックも追加されている。前述したが、エアロの70年代(正確にはコロンビア在籍時)だけの編集盤は、本作と3枚組の『パンドラの箱』くらいしかなく、やっぱりエアロは70年代のほうが好きな僕からすると、この時期の曲をまとめて聴けるのは有難い。

エアロというと、ワイルドなイメージが強いと思うが、実際には2ndや3rdで顕著な、陰影のある作り込まれた音作りが特徴で、ワイルドなのは『ロックス』と『ドロー・ザ・ライン』くらいなのでは、という気もする。ここで告白すると、えらそーな事言ってるけど、実は『ドロー・ザ・ライン』の次すなわち『ナイト・イン・ザ・ラッツ』『美獣乱舞』あたりは聴いてないのだが(激汗)、編集盤で聴く限り、決して悪くないな、とは思う。成功はしたものの、それによるプレッシャーなのかどうか、メンバーはアルコールとドラッグに溺れ、レコーディングもままならず、人間関係も最悪、という状況だったと言われている70年代のエアロだが、それでもクォリティの高い作品を出していたのは凄い。確かに、復活後のエアロと比べると、ややキャッチーさには欠けるけど、その分かりやすいけどちょっと武骨なとこも、この頃のエアロの持ち味でもある。「スイート・エモーション」とか、復活して以降の曲だったら、ちょっとブリッジとか足して、さらに魅力的な曲に仕上げたのだろうな、とは思うけどね(笑)

という訳で、70年代のエアロがやっぱり好きです(笑)

でも、冒頭のニュースにしてもそうだけど、やはりエアロ=スティーブン・タイラーなんだなぁ、と改めて思う。ずっとバンドのリーダーで、初期は音楽性も含めてバンドを牽引し、成功してからドラッグ漬けになったバンドの立て直しに尽力し、主要メンバーがいなくなってもバンドを維持し復活に導き、復活後は外部ソングライターの導入などのイメージ戦略を展開して、昔からのエアロのイメージを損なう事なく、キャッチーで洗練された曲を発表してファン層(購買層)を拡大し、エアロを全米ナンバーワン・バンドのひとつにまで押し上げた。素晴らしい功績である。メンバーにも彼に逆らう者はいないだろう。ま、ツアー引退し仕方ないけど、まだ新曲作ってレコーディングする意志があるのなら、是非頑張って欲しいと思う。ま、エアロを聴き始めた事は、エアロ(=スティーブン・タイラー)がこんなに超ビッグな存在になるなんて予想もしなかったけど(笑)

ほんと、クイーン・キッス・エアロスミス世代としては(笑)、いつまでも頑張って欲しい、と思うのであります^^
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