卍の城物語

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ヒロサキバレエカンパニー40周年記念公演「眠りの森の美女」

2010-08-30 21:44:49 | 演劇鑑賞
ヒロサキバレエカンパニー40周年記念公演「眠りの森の美女」を観てきましたよ。
もちろん場所は弘前市民会館です

歴史ある(?)ヒロサキバレエカンパニーの発表会は毎年行われているけど、今年は40周年ってことで、まさかの「眠りの森の美女」の全幕公演を開催するのである。

チケットは前から買おう買おうと思っての先延ばしで、結局、当日券あるだろうって事で当日券目当てで行きあたりばったり。
もちろん当日券ありました。でもかなりの入りで、95%は埋まってた。さすが地元。
自由席がたったの1000円。1000円で全幕バレエは六ヶ所村でも観れない。

以前一度ヒロサキバレエカンパニーの発表会に行った事あるけど、あくまでバレエスクールに通ってる子ども達の発表会がメインなので、目に余る舞台の連続だったけど、最後はプロのバレエダンサーがゲストで出演したのが唯一の救いで、その踊りだけで元は取れたっていう内容だった。

今年もプロのダンサーも出ますよって事で観ることにしたのだが、果たしてどうなることやら。

しかも「眠りの森の美女」は、4月にKバレエカンパニーの公演で観たっていう・・・。
レベルの違いを見せ付けてしまうのでしょうか?

意外にも生オケでした。
オケは「弘前オペラオーケストラ」が担当。
先に感想から言うけど、このオケは下手でした・・・。
「眠りの森の美女」全幕なんて演奏した事ないだろうに。
「弘前交響楽団」の方が断然上手いので、そちらに担当してもらえばよかったのにね。

そんなわけで開演時間ギリギリに到着。
空いてる自由席を探して着席し、さっそく開演。

プロロ-グ
~フロレスタン王の宮殿では、オーロラ姫の誕生の祝いの宴が開かれています。
そこに悪の精カラボスがやってきます。カラボスは自分が祝いの宴に招待されなかったことを怒り「オーロラ姫は16歳の誕生日に糸紡ぎの針に刺されて死ぬだろう」と予言します。
そこでリラの精が「姫は死ぬのではなく眠るだけです」と予言します~。

狭~い弘前市民会館の舞台で踊るヒロサキバレエカンパニーの団員なんだか、生徒なんだか。
ま、それはひとまず置いておく。

ここで素晴らしき舞を踊ったのが「リラの精」役の吉田むつきである。

彼女はヒロサキバレエカンパニーで学んだ後、単身ロシアへ赴き、ボリショイバレエ学校に留学。
そしてモスクワクラシックバレエ団に入団し、現在に至る。

主役ではないが、リラの精は重要な役どころ。
そのリラの精は本物の妖精のようなイノセントな存在感と、確かなテクニック。
さすがといった綺麗な踊りを魅せてくれました。

その後一旦幕が下りて終了。
プロローグも一幕と捉えにゃならんので、全3幕どころか全4幕になっちゃいました。

第一幕
~オーロラ姫の16歳の誕生日。宴が始まり、オーロラ姫が登場します。
オーロラ姫は、彼女に求婚する4人の王子と踊ります。
そこに、老婆が登場し、オーロラ姫に花を渡します。オーロラ姫は喜んで踊りますが、そこには針が仕掛けてあり、オーロラ姫は針に刺されて倒れてしまいます。
リラの精が登場し、城全体を100年の眠りにつかせます~。

オーロラ姫役は青山裕子で、ヒロサキバレエカンパニー主宰者で、今回の全ての振り付けを担当した青山洋子の娘みたいですね。一応プロなのかな?

バレエ用語わからんので説明ヘタクソですが、スピンとかは華やかで上手いとは思うけれど、跳躍力がなかったのが目に付きました。
でも主役なので、堂々たる踊りだったと思います。

第二幕
~100年後、デジレ王子が森を訪れます。
王子の前にリラの精の現われ,オーロラ姫の幻影を見せます。
王子は幻影であるオーロラ姫と踊ります。オーロラ姫にひかれた王子は、リラの精に導かれ、眠りの森を訪れます。
そしてオーロラ姫を助ける為にカラボスを退治し、その後眠っているオーロラ姫にキスをするとオーロラ姫が目覚め、周りの人々も眠りから覚めます~。

デジレ王子役は菅野英男で、彼はキエフバレエ団に所属しています。

彼は去年、同会館で催されたキエフバレエ団の「白鳥の湖」にチョイ役で出演しましたが、ちょっとの時間なのにちゃんと足跡を残した実力あるダンサーです。
その関係もあっての今回のゲスト出演なのかと思われます。

はっきり言って彼はあまり有名ではないだろうけど、実力は本物です。めちゃめちゃ上手い。
ダイナミズム感じるスピンと、高さある跳躍力もお見事である。
第二幕はそんなに活躍の場は少なかったのが残念。

ここでの吉田むつきもさすがだった。
姫と王子が踊ってて、ただ待ってるだけのシーンがあるのだが、ただポーズを決めて立ち尽くしているそのシルエットが美しいし、そこにいるだけの存在感が強い。
彼女は未来がありそうですね。

第三幕
~オーロラ姫とデジレ王子の結婚式。
フロリナ王女と青い鳥、長靴をはいた猫と白猫、赤ずきんちゃんと狼などのおとぎ話しの主人公たちが次々と訪れ、2人を祝福して踊ります。
そしてオーロラ姫とデジレ王子が踊り、永遠の愛を誓います~。

お約束の赤ずきんちゃん他のゲスト達のシーンがだるかった・・・。

だけれど、姫と王子のシーンは今回のクライマックスで、グラン・パ・ド・ドゥは凄かった。
青山裕子は1人だとそんなに映えないが、菅野英男のエスコートが素晴らしいから、二人揃って一流のダンスだった。
ここらへんは観に来てよかったなぁと心底思った。

そんなわけで、意外と感動出来ました。
全体の9割はダルかったけど、残りの1割は世界レベルなんじゃないかと思われる一流の踊りを見せ付けてくれました。

東欧で頑張っている日本人の吉田むつきと菅野英男の今後の活躍に期待しましょう。

そしてこのド田舎の弘前で、バレエの素晴らしさを末端から養わせているヒロサキバレエカンパニーにも栄光あれ!

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