Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

赤い服 3

2021-08-17 14:10:39 | 日記

 何だろう?、この何だろうは私が関わっている何だろうじゃないかな、と、私は感じました。「何かあったの?。」、当然私は近くにいた女の子達に尋ねました。

 学校祭2日目は、朝がこう始まっただけに私の周囲広くに空間が広がった感じでした。当時の仲良しの女子も、この日はある程度付き合って歩いてくれましたが、その内これ以上は付き合えないと言うと去って行きました。そこで私は午後は殆ど1人で校舎内にいた感じでした。

 この日の私への同級生の声掛けというと、もう記憶は定かでは無いのですが、女子からは、またその服着て来たの。2日も続けて如何いうつもりなの。似合うと思ってるの。等が批判的な声でした。相変わらず、可愛いねとか、その服いいね、赤い服っていいね。私も買って貰おう。等の声もありました。賛否の割合は否の方が確実に多かったのは確かでした。教室や廊下で、居合わせたりばったり出会ったりのその都度の同性の声掛けに、私の感情は持ち上げられたり下がったり。それ等はほぼその日の午前中に集中していた様です。振り返ればそれは私に連れがいた時間帯の様です。私が1人でいた時間には、努めて、同級生の方は私から距離を取るという方向でいた様です。

 さて、以上は私と同性の女子の反応でしたが、私には異性である男子の方はというと、やはりその対応に少々変化がありました。廊下や階段で出会った男子に、その服似合う、可愛いよ。とか、女の子は赤い服がいいね、今日の私は普段と違いとても良い等、という様な褒め言葉を掛けられたのです。小5になると殆ど男子と話をせず、女の子達の輪の中にいた私にはこれは意外で、やはり嬉しい驚きでもありました。

 が、小さい頃から愛想が良いと知っている男子の場合は、これはお愛想ねと思ったものですが、殆ど話をした事が無い男子からの声掛けには、同級でも少々驚いたものです。すれ違ってから私は首を傾げました。同級生達の普段と違う空気、特に異性の声掛けにハッとした私だったのです。如何やら、赤い服というのは問題がある様だと感じ始めた私です。『着ない方が良いのかもしれない。』、私は慎重に考え始めました。

 その頃迄未だ横にいた当時の仲良し女子に、私は自分の感じ取った事を話しながら時折考え込んでいました。その為でしょう、寡黙になりがちな私から彼女は去って行ったのでした。


赤い服 2

2021-08-17 13:26:18 | 日記

 実際、自分もごく普通の女の子なんだなぁと、自分で改めて思ったものです。こうやって学校祭の初日は普段通りに明るく気持ちよく過ぎました。私は機嫌良く自宅に帰ってきました。

 帰宅した私の顔を見て、母が、如何だった?というような声掛けをして来たと思います。『学校祭が如何だったか、かな?。』、これまでそんな質問が無かった母と思うと私は不思議な気持ちを感じて母の顔を見詰めていました。

 何時に無く私に赤い服を買って一手間掛けて着せてくれたり、学校祭から家に帰った途端私に問い掛けて来たり、この例年にない母の出来事に私は妙な違和感を感じましたが、合点するような事に思い当たらず、良かったよと、皆もいいねと言ってくれたと返事をして、母が何時もと違う様子で如何したのか、何かあったのかと、逆に私が母に尋ねた一コマがこの後夕飯までにあったと思う、5年生の学校祭初日でした。

 さて、おやおやと、妙に思ったのが次の日でした。私は前日の機嫌の良い気分そのままに、また初日と同じ赤いツーピースの服をにこにことして着て行きました。そして、朝の例会の為自分の教室に入ったところで、この奇妙な空気という物を感じ取りました。

 先ず、その場にいる同級生の殆どの女子が私から視線を外しているという状態に出会いました。教室に入って来た私を見ようともしていないのです。何時もなら、私が教室に入るや否やにこやかに顔を向けておはようと声掛けしてくる女の子が数人はいるのですが、そこにいた同級生の表の顔が何処にも見えないという様な不自然で妙な光景でした。これはその日これから始まる私の疎外感の幕開けだったのですが、私はそんな事とは未だ全然、これっぽっちも気付いてはいないのでした。変だなぁと思ったくらいでした。なので私は何時もの様に、そこにいる同級生達の誰にという事もなく、朗らかにおはようの声掛けをしました。

 そうして、この時の同級生達の反応も、男女それなりに妙な物でした。返事するなよという男子がいれば、ハッとした様に私を振り返って、急いで笑顔でおはようと言ってくれる女子がいたり、いいじゃ無いかという男子がいたり。私は何だろうと感じた物です。