人それぞれ、よく十人十色というように、同じ場面であっても人それぞれの感情は違う物かもしれません。私の場合はそうだったという話です。
さて、過日もそうでしたが、次に中学校の校舎で会った時、友人の私に対する態度に普段と何等変化は無く、彼女は終始にこやかで穏やかでした。私もこの後この友人に対して、それまでと何も変化の無い態度で過ごせた物でした。
この様に翻ってみると、皆質素で奥ゆかしく穏やかに和を尊ぶ、そういう生徒を培った校下であったように思えます。
以上、懐かしい小学校校庭での出来事を基にした私のエッセイを、僭越ながら、去り行く小学校に寄せて私からの餞と致したいと思います。
さて、次は赤いパンタロンのカラージンズの話しです。私の住んでいる市にも当時流行りのカラージーンズがやって来ました。商店街にはジーンズの専門店が幾つか出来ていました。これ等のお店でジーンズを買うと、店内に置かれた専用ミシンで裾上げをして、待っているお客に買ったばかりの商品を直ぐに渡してくれました。私はもう、こういったカラージーンズを買って貰った年代をハッキリと覚えていないのですが、小学校高学年か中学生になった頃だと思います。それは従姉、または当時の友人の勧めで購入を決めたのでした。
或る日、私は母を伴ってジーンズのお店を訪問しました。私は既に、お店に行く前から型は流行りのパンタロンと決めていました。ここは私が買うといいよと勧められていたお店の1つです。ここでこれ迄の流れを言うと、私が母に強請って購入の許可を取り付けたのでした。母からのOKを貰うと、私は意気揚々とにこやかに母を従え、商店街を進んで母を案内しこのお店へやって来たのでした。昭和一桁の母にはジーンズが物珍しかった様子でした。へーっという様子で店内を見回していました。これが今時の若い子の流行りなのねという感じでした。