Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

赤い服 7

2021-08-19 16:03:13 | 日記

 私は彼女に手を振って、にこやかにここよと合図をすると、友人はひょっと一瞬驚いた雰囲気になりました。が、その後は半信半疑の体で、案外意外そうに私に近付いて来ました。そうこうする内に、彼女にも私の顔が判別できた様子でした。側に来た友人に、そうなのと、私の名前を言われたものです。

 そうよ、如何したのと、私は普段の授業には眼鏡で臨む彼女に微笑みました。分からなかった?、そうよ。と、お互いに知らない子だと思っていた事を2人で話したのでした。その行き違いに彼女と共に可笑しくなり、無駄に余計な時間を過ごしたとハハハハハ…と、2人一頻り笑い合ったものでした。

 私達はその後遊具に座り込み、何時もの様に話し始めました。私達の交友というと専らこのお喋りでした。その日も私はこの友人とのお喋りを楽しみに彼女を待っていたのでした。ニコニコして話し始めた私達でしたが、今日の彼女は何時もと一寸違っていました。

 先程、彼女がグランドの向こう端にいた時にも私は感じたのですが、私が遊具の移動をした時に、彼女の私を見る視線に鋭い物を感じたのでした。敵対する様なきつい目付きです。針で刺す様なと形容する様な視線でした。今も私が笑って話す端々で、私に注ぐ彼女の視線にキツキツと、数回それは浮かんでは消えていました。「如何したの?、今日は何だか変よ。」気になった私は彼女に尋ねたくらいでした。何だか彼女の会話も何時もの様に弾まないのでした。

 別にと答えていた彼女でしたが、その内私の服装の話になりました。彼女は何時もの地味目な服装と違うと指摘すると、私の方こそ如何かしたのかと聞いて来ました。そうだったと思います。そこで私はふふふと悪戯っぽく笑うと、私も女の子だから、それらしい服で纏めてみたの、と、冗談めかして笑うと、そこは可となく口に片手を添えたり、シナを作ったりして見せました。多分そうだったと思います。そこまでやっていた事でしょう。そこではハハァンと、彼女はこれが私のジョークだと察した様子でした。

 可愛いシャツ。そうでしょう。赤い色の花が女の子らしいね。とか、そんな風にファッション談義する内に、値段や売っていたお店、購入時期、その時のお店での品数等、話します。続いて赤いスカートへと話が移ると、これが私の家庭科の課題という事に、彼女の方はあまり合点のいかない様子でした。そう思うと、やはりデニム地の色や、スカートの型に各々違いがあったのでしょう。

 そうしておいて、不意に彼女は今日はこれでね、と言うと、彼女とこれからもっと話したいという私の気持ちを他所に、帰宅する為でしょう、さっさとグランドから去って行ってしまいました。今から思うと、やはり彼女も服を買いに走ったのでしょうか。

 さて、半ば呆気に取られ、ポカンとした私は1人グランドに取り残されていました。これは土曜の午後か日曜日の話です。元々広い小学校のグランドには友人と私の2人しか居なかったのです。友人とのお喋りが中途で終わり、不満足な気分の儘の私はポツネンとして直ぐには動けないでいましたが、やがて帰ろうと、腰掛けていた遊具から立ち上がりました。

 それにつけても、私は考えていました。今まで見たことの無い友人の鋭い目付きが気になりました。何だったのだろう?、私は何か彼女に対して嫌に思う様な事をしたのだろうか、と、私はその後何回か考え込んでいました。


赤い服 6

2021-08-19 15:09:29 | 日記

 ところが、女の子らしい姿のその人物は、一向にこちらに近づいて来ないのです。私の場所から遠く、グランドの向こう側でこちらに注意を向けるでも無く、その子はウロウロと右に左に移動しているだけの様子でした。私の待ち人では無かったのか、私はその人物の様子に思うと、友人を待つまでの所在無さにブランコを揺らしたりしていたのでした。

 遅いなと感じ始めた私でした。ひと所にじっとしているのが億劫になり、私はブランコから立ち上がると、小幅にポツポツちょこちょこと歩き校庭に置かれた次の遊具に移りました。そう揺れもしないデニム地のスカートの裾を揺らしながら、如何にもゆっったりと長ブランコに近付きました。そうして、私はその長ブランコにふんわりしゃなりと腰掛けました。これは、私が赤い服を着る様なメルヘンチックな女の子としての動きをしていた訳なんです。それは、その時の私が考える所の、身に付けていた服装の雰囲気に合わせてみたという動きでした。私は何処ぞのお嬢様を気取ると、そういったフェミニンな雰囲気を自ら醸し出し、自身がそのムードに浸っていたという訳なのでした。単なる暇潰しの一環、成りすましでしかなかったのですが、遠くにいた人物は私のこの様な動きにハッとした様子が感じられます。私は如何したのだろうと内心思いました。それでも、私はその人物が、自分と待ち合わせした友人とは露程も思わなかったのです。

 私が長ブランコに腰掛けて程なく、グランドの向こう端にいたその人物に変化が出始めました。今迄明るく楽しそうな、やはり私と同じく待ち人がいる様にも見受けられたその子は、何だか沈んだ様子で俯きがちに、少しずつ私のいる方向へと近付いてくるのでした。少し進んでは遊具の端に立ち止まり、止まっては近付いて来る。そう言った動きで、やがて彼女は私にその人物の顔が分かる場所に迄やって来ました。あれ⁉︎。顔が判別できた瞬間、私はその人物が自分と待ち合わせをしていた友人当人だと気付きました。


今日の思い出を振り返ってみる

2021-08-19 13:59:16 | 日記
 
今日の思い出を振り返ってみる

うの華 34 「父さんだって、」息子は言い返した。自分勝手な見解で早合点しないでくれ。昔からそうだ、「だから兄さんだって…。」彼が言いかけたところで、不意に彼は母に袖を掴まれその後......
 

   雨が降って来ました。世情はコロナの拡大で大変な様相です。クラスター、嫌ですね。でも、感染経路不明というのも不気味で嫌です。見えないウイルスが世に蔓延しているみたいで、私はゲンナリします。

    ワクチン接種、3回目が有るんでしょうか。2回さえ、漸漸受けてきた2回なのに…、と私は思ったりします。暫くいいわ(嫌よ😅)の感じは、初産直後の感情に似ています。😄と、言うと言い過ぎかも。