Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

赤い服

2021-08-12 16:42:44 | 日記・エッセイ・コラム

 還暦の時に買った赤い服を思いながら、また来てみたいと機会を考えたりします。それはチエックのワンピースであったり、Tシャツであったりするのですが、着る事を考える理由は年齢的な事ばかりではありません。過去に経緯が色々あるのです。その一番は、私がこの色の服を着ると、同性、女性の機嫌が頗る悪くなるという事があるんです。不思議ですね。

 私は物心着く頃から、子供時代に赤い服を持っていた覚えがありません。よいとこでピンク色止まりでした。オレンジ色さえ持っていた記憶が有りません。そんな私が、子供時代の最後頃ともいえるような小五の学校祭用にと、珍しく朱色のツーピースを買ってもらうという事がありました。

 「如何したの?。」と、その時の私は一緒に服を買い求めに出た母に問い掛けた程です。その服は母のお薦めだったのでした。お前も大きくなったからとか、たまには赤い物を、と、母から返事として言われた覚えがあります。それでそうかと、私も納得して母の薦めてくれた服を買うことに同意しました。

 この服は婦人用で、上着の丈はまあ着れない長さという事はなかったのですが、幅や、スカートになると丈も長過ぎて、ミニの時代にマキシ丈になるという、当時の私にはハッキリと不似合いで、サイズ的にブカブカ不恰好も甚だしい物でした。多分色もそうだったのでしょう、後から同級生に言われました。そんな服でしたが、母にスカートの裾上げをしてもらうと試着してみて、如何にも女の子らしい赤い服に私の乙女心はくすぐられたものです。

 

 着慣れない色に、私は学校祭当日の朝はやや緊張して登校したものです。それでも女の子らしい色合いに慣れてくると、私はほんわかと幸福な気分になり、乙女チックな学校祭の日を過ごしていました。同級生の女の子達も、赤い色いいね、可愛いねとか、私にしては珍しいねとか、それぞれに声を掛けてくれました。中には似合うねという子もあり、まぁと、私は笑顔でありがとうと言ったものです。正直半信半疑でした。前日試着した時、自分に合うかどうかより、その可愛らしい色合いに微笑んでいたものです。私もごく普通の女の子でしたからね。