雪は偏重な気分を運んで来る物のようです。
『どうして自分はこんな雪深い暗い土地に生まれたのだろう。』
家を多雪から保護する為に雪囲いで覆う日、その昨年の晩秋のある日、こう思って沈み込んでしまう子供は少なからずいるのでした。私もその様な子供の1人でした。そして、やはり1年で最も明るい日、「もうこれで雪が降らない!」という日を確実に知りたいと考えるのでした。
その日を知る事が出来たなら、皆とても嬉しいに違いない。何故ならその日は1年で最も歓喜に満ち満ちた日になるのだから。こう考えると当時の私、又は私達は皆一様に春風の吹く明るい青空を見上げるのでした。そこには気も晴れるような澄んだ青い空と白い雲が有ります。穏やかで暖かな日差しさえ眩しく煌いて見える弥生3月、又は4月の頃です。目に付く所にまだ土筆は生えていません。
「如何したら、もう雪の降らない日を知る事が出来るんだろう。」
そんな遊び仲間の独り言を聞いた事が、私にも、この疑問を持つ事になった始まりの日であったようです。私はその子が如何してそんなことを考えるのだろうかと不思議に思ったものでした。この明るく晴れた春、大人(家の両親や祖父母等)から、もう雪が降らないと言われた嬉しい時期に、何故そんなことを考えているのか、私は実際に何故そんなことを考えるのかその子に訊いてみたのでした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます