「あの子、好きじゃない。」
茜さんは蜻蛉君に言いました。
「あんたは誤解してる、あの子はあんたの事絶対好きじゃない。と思う。それに、今、あの子あんたの事をとても怒ってる。」
「そして、」と、茜さんは再び困った顔でシュンとすると言いました。
「そんなあんたをあの子に最初に紹介したのは私なんだから…。」
茜さんは言葉を詰まらせました。
「それで、」
と漸く蜻蛉君は声が出るようになると彼女に尋ねるのでした。
「それで、如何、如何だというんだ。」
と、彼は茜さんが何を言いたいのかと尋ねてみます。
「如何?」
如何って、彼女は答えました。
「1度、あの子に謝った方がいい。」
「謝れば、それなりに怒りが収まるみたいだから、あの子。」
そう言いながらも、彼女はうな垂れたままこうも言うのでした。
でも、やっぱりあの子遊ばなくなると思う。遊ばないって?それはあんたとよ。茜とは?。私は、あんたが謝れば私の方は親戚だから、そう影響は無いと思うけど…。
茜さんは蜻蛉君と話しながら、考えていました。ここ迄言うと彼女はやはり何だか心配な様子に変わり、
「ああ、やっぱり、念のため叔父さんに言って置こう。」
と呟くのでした。
謝るなら早い方がいい、あんたがあの子ともう遊ぶ気が無いならこの儘でもいいけど、茜さんがそう蜻蛉君に言っている所へ、当の話の主の蛍さんが遊びに復帰する為に2人の傍へ戻って来ました。
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