kaeruのつぶやき

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ドラマと史実。

2016-03-28 23:18:32 | 「真田丸」

   昨日つぶやいた畑山博さんの『真田幸村』、なかなか面白く読んでます。作家としては歴史物が専門ではなくても、歴史少年であったことや小諸から上田へかけての思いの深さが作品になっています。

   今回の大河ドラマが上田城も物語の中心のひとつであることから、ドラマのなかに史実がどう生かされるのかに関心を持つようになりました。どの大河ドラマも時代考証担当によって内容が史実との関係で検証されるのでしょうが、今まで気を向けたことがありませんでした。

   育った町、思い出のある城が舞台となると面白いだけではない、本当はどうなの、の思いも強くなります。そこで今回の時代考証担当のひとり・平山優さんの書かれたものに目が向きます。写真の本は二冊とも平山さんの書かれたものですが、『真田三代』の「あとがき」には2011年9月15日と『真田信繁』は2015年9月23日となっています。

  書かれた時期で四年間、新書版で300余頁と単行本では380余頁の差があり、一方は「真田三代  幸綱・昌幸・信繁の史実に迫る」内容で、他は「真田信繁  幸村と呼ばれた男の真実」を書くものです。

『真田信繁』の「あとがき」で平山さんがこう書かれています。

【 真田信繁についての史料が乏しく、手元に集積された史料は、先学の猪坂直一、小林計一郎氏らが戦後、信繁の伝記を公表した頃とほとんど変わっていない。そうした中で、新たな信繁伝をどのように書くべきか苦悩したが、常に自分の脳裏にあったのは、旧書『真田三代』(写真の右の新書版)における真田信繁伝への反省である。事実の検証や歴史叙述に、大いなる甘さを残した旧作に対して、私は痛痒つうようを感じ続けてきた。それを払拭ふっしょくするためにも、膨大な史料群と向き合う決意を固めた。】

   そして平山さんは「通俗的な大坂の陣論や家康論」に異議を唱えることになったのです。このことについて紹介できるほど私が理解をしていませんので後日とします。大河ドラマも小説も史実を縦糸に人間のつながりと言動を横糸にして生き生きとした「物語」を描きだし現代に甦らせます。