昨日は不破哲三さんの子ども向け講義〝山登りのすすめ〟連続五日間所要時間5分弱の第1話第2話でした。今夜は第3話からはじめますが、その前に登山靴の話を……。
それはね、第1話で「登山靴を買ってちょうど今年で11年になるんです…、」って不破さんが話してるでしょ、それでね、この本『私の南アルプス』のここを紹介したくなったのです。
運動靴から登山靴へという「労働手段の発展」の話です。それに「高い山への意欲がいつの間にか蓄積されてきて、それがその気にさせた」というように、無意識の蓄積が意識化されるという人間心理の弁証法の話でもあります。
横道無駄口は止して、講義の実況へと移ります。
第3話 題「やまをのぼる」 テーマ「ひとはしぜんとのかかわりのなかでいきている」
「めざすのは頂上ですけれども、その途中がとってもいいんですね。花もあれば緑もいっぱい。歩いているだけでいろんな動物に出会えるし、そこらへんにある岩や石もなかなかかっこういいんですよね。
そして山を歩いていると、ほんとうに自然のすごさ、大きさ、そのなかで人間がいきているということを実感しますよね。
なかなか都会で暮らしていると感じないものですけれど、やっぱり人間は自然のなかで生まれて、自然とのかかわりのなかで生きている、この実感が大切だと思います。じゃ、また明日」
第4話 題 「やまのちょうじょうにはなにがあるの?」 テーマ「ちょうじょうにはもののみかたをかえてくれるなにかがある」
「街にいるとまわりしか見えないでしょ。しかし山の頂上にたどり着くとほんとうに新しい世界が見えてくるんですね。
遠くの山がおりかさなって見える。海が見えるときもある。平野や街も見える。ほんとうに日本を見てるなあって感じがするもんです。空も山の頂上から見るとうーんと大きくて広いんですよね。
世界を大きな広い目で見るってことはほんとうに大切なことなんです。それでものの見方がかわってくるってこともあるんですよね。みなさん、山に登って少しものの見方をかえてみたらどうでしょう。じゃ、また明日」
第5話 題「やまをおりるゆうき」 テーマ「やまをおりるゆうきですあたらしいやまにのぼるゆうき」
「頂上は楽しいんですけれども、いつまでもいるわけにはいかないんですよね。あたらしい山に登るためにも思いきっておりる必要があります。
そしてまた次の山登りの計画をたてましょう。新しい山でもいいし、同じ山になんども登るのも新しい発見があって楽しいものですよ。
みなさんもぜひ山に登って、人生に役立ついろんなことを感じたり学んだりしてください。じゃあ、今度は山でお会いしましょう、そのときは〝こんにちは〟ってあいさつしましょうね。
みなさん、山に登りましょう。では、さようなら」