葉山の四季

葉山の四季をお伝えしたいと思います。

行って来ました、 会って来ました。

2023-10-22 23:36:02 | 葉山そして人

まず「行って来ました」とは、地元の党後援会の行事です。

「会って」来た人は、

この人・小山田大和さん、この人について後援会のチラシに、

〝小山田さんは行政書士として地域の農業関係者の支援をしながら、自らも農園の耕作放棄地の再生などに携わっておられます。また、地域の田畑、山で採れた産品と自然由来のエネルギーで電気も食べ物も自給をする新しいスタイルの食・エネ自給カフェ「農家カフェシエスタ」も経営されています。小山田さんは保守を自認されていますが、選挙ではたびたび共産党応援の弁士を引き受けていただいています〟

と紹介されています。

写真はその人が私どもに向けて、「電気自給の畑」に立って熱を込めて語っている姿です。畑に来る前に「農家カフェシエスタ」店内で、何故自分がこのような取り組みに身を投じたのか、を聴き私は社会変革のエネルギーを受け取った思いがしたのです。

語っていただいた内容は、こちらに重なります。

少し長いのですが一読の価値あり、本文の文字移しをしておきます。

私が今日のように農業や自然エネルギーを組み合わせて地域の再生、地方創生事業を事業として行うに至る大きなきっかけは東日本大震災と原発事故でした。 正直に書けば、私は環境も農業も好きではありませんでした。また原発事故が起きるまで日本のエネルギーの問題についてまともに考えることもありませんでした。

日本の耕作地は現在約400万kmと言われています。 そのうちの4.5万kmが耕作放地となっています。小田原の耕作放棄地も年々増加し178haです。農家の平均年齢は約68歳。 農業人口に至っては統計の取り方の問題もありますが122万人となっており、いよいよ100万人を割り込む状況が見えてきています。一方で日本の食料自給率はカロリーベースで38%、東京都は統計を取って以来はじめて0%、神奈川県も2%という散々な数字となっています。

一方で農家を取り巻く状況は収入面でも決して楽ではありません。私は米を作っています。 半年間、懸命に働いても300坪からとれるお米は10万円にもなりません。こうした農業の現実を知ってしまった時、私は30代半ばでした。こうなってしまった責任は僕たちにもある。ならば僕ら世代が農業を持続可能な状態にして次の世代に継承させなければ一体、地域やこの国はどうなってしまうのか? そう思ったのです。

農業も農薬や除草剤や肥料を使わない自然栽培をやろう。そして、みかんをみかんのままで売らないで6次産業化してジュースにして販売しよう。耕作放棄地は〝おひるね〟していた畑だと捉えて、その活性化をすることで負債を資産に変えよう。こうして2013年の暮れから始まった「おひるねみかんプロジェクト」は10年目を迎ええ、近隣の箱根の有名ホテル、星野リゾート界箱根などでも取り扱われています。

そして、もう一つが農業と自然エネルギーを組み合わせるソーラーシェアリングです。ソーラーシェアリングとは太陽の光を発電と農業でシェアをすることからこうした名前が付けられています。 現在5基の発電所を運営しています。水稲のソーラーシェアリングは神奈川では私どもだけの取組です。そこで作られた自然栽培米は地元で寛政元年(1789)創業の井上酒造さんに持ち込んで日本酒にしています。同時にこの水稲ソーラーシェアリングで作られた太陽光の電気を同酒造に送っています。100%自然栽培米・自然エネルギーで作られた日本酒は恐らく世界でこの日本酒しかない、と思います。 SDGSの12番に「作る責任、使う責任」という項目があります。これからは生産者も地球に負荷をかけないように商品を作るべきであり、消費者もそうした商品を積極的に選択することが当たり前になる社会になって欲しい。そんな願いを「推譲」という言葉に込めました。推譲とは小田原が生んだ郷土の偉人二宮尊徳の言葉で、「儲けが出たならばそれを今の自分の為に使うのではなく、将来の自分のため、そして、広く社会のために使うべきである」という意味です。行動の質を決めていくという点でとても重要な言葉であると思っています。

更に自分で作った電気を物理的に離れた自分の運営する施設に届けるというオフサイト型PPA自家消費モデルのソーラーシェアリングにも日本で初めてチャレンジしました。いわばFIT(固定価格買取制度)に依存しない形の発電形態を作るべく、私どもがおひるねみかんプロジェクトで伝えたかった思いと価値を共有する場として農家カフェSIESTAを21年の1月にオープンさせ、そこに同時期に建設したソーラーシェアリングから既存の送電線を使って電気を届けました。

原発事故やコロナ、ウクライナ問題は、私たちに人間の生存に必要なものは出来るだけ自分の手元足元に留めておくことの重要性を教えてくれたように思います。 地域で自給できるものを自給する取り組みはしなやかで魅力的な地域を創れる。地域の外に出でいるお金を地域内に留め地域で経済を廻すことこそ究極の地域経済活性化策との思いから「食エネ自給」のまちづくりを推進しています。

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小山田 大和:1979年神奈川県生まれ、311を機に会社設立。農業と自然エネルギーを組み合わせたソーラーシェアリングを中心に地域おこしに取り組む。早稲田大学招聘研究員、宮城県丸森町耕野地区外部アドバイザー

 

コメント
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