「てんがらもんラジオ」は、「てんがらもん」216回 石神紅雀さん で。
番組で紹介されている川柳はこちらで、
「てんがらもんラジオ」としては始まったばかりの川柳ですが、既にこの文芸の魅力に触れています。今回は講師の石神紅雀さんが会長を務めていた鹿児島県川柳協会の「南日本川柳大会」の直後でしたので大会で発表された特選句等が紹介されました。
大会と特選句等については石神さんのブログをご覧下さい。
http://synjyoko.exblog.jp/25776159/
ここで紹介されている句はどれも印象に残るものですが特に、
百態の修羅をくぐった母の帯 石塚ひろみ
つくられた石塚さんは80歳代の方だそうです。石神さんは紹介しながら格調の高い句だと言われていました。80歳代のご婦人が手にしている母親が締めていた帯、母の生活については自分よりも知っている、それを知っている物への想いが掌に伝わってきます。
俳句に、
白露や死んでいく日も帯締めて 三橋鷹女
花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ 杉田久女
があります。
俳句と川柳の違いを考える手がかりがあるかもしれませんが、それよりも五七五という言葉の流れを口にする心地よさと、十七文字で表せる意味と情緒の深さ豊かさです。そして川柳の強みという意味では俳句以上に森羅万象ことごとく対象にしてしまうことでしょう。一言で言えば「向かう所敵なし」の感です。
石神さんのブログには大会でのご自分の句が紹介されていません。大会では総合得点最高でトップ賞でした。
番組で紹介されていましたので、ここでも、
安全な愛ですひとついかがです
乱舞する血よあなたに逢ってから
(聴き取り違いがあるかも知れません)
この句からでも川柳の「無敵性」が伺えるのですが、如何です。