花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

ポッジョ・ア・カイアーノ(1)「静物画美術館」

2015-11-16 05:48:00 | 美術館

土曜日、Fさんご夫妻とポッジョ・ア・カイアーノのヴィラ・メディチ(La Villa medicea di Poggio a Caiano)「静物画美術館(Museo della natura morta)」に行ってきました。

ヴィラ・メディチ(La Villa medicea di Poggio a Caiano)

このヴィラは元々ロレンツォ・イル・マニーフィコの時代(1480年頃)、ジュリアーノ・ダ・サンガッロにより建築が着手されたものの、ロレンツォの死後、メディチ家追放時代に中断し、息子ジョヴァンニ(教皇レオ10世)の時代にようやく完成したようです。現在、「静物画美術館」として静物画作品が展示されていますが、「お屋敷見学」もでき、それぞれ事前予約が必要です。私たちは午前10時からの美術館見学と、11時30分からのお屋敷見学に参加しました。 

まずは階段を上って「静物画美術館」からです。メディチ家のお抱え画家だったバルトロメオ・ビンビ(Baltromeo Bimbi,1648-1729)の作品が多く、質的にも良い仕事をしており、ヴィッラ内を華やかな花卉や動植物などの静物画で装飾したのだろうと想像できました。

バルトロメオ・ビンビの花卉静物画

ビンビの作品を観ていると、例えばレモンの品種が多数描かれた絵など、実はその品種名一覧まで描きこまれており、百科全書的な記録用の絵画(現代なら写真)なのかもしれません。きっとメディチ家からの指示によるものでしょうし、描かれているのはヴィッラ庭園の作物なのかもしれません。

バルトロメオ・ビンビ《レモン》種類別に番号が書いてある。

下に一覧で番号毎の種類名が書いてある。

ビンビの他にもフィレンツェの画家やフランドルの画家、ナポリの画家まで、様々な画家たちの静物画が展示されています。メディチ家の他のヴィッラを飾った静物画も一緒に展示されていました。特にフィレンツェの画家による《さくらんぼ》は現代にも通用するデザイン性を感じました。

この美術館一押しの静物画《さくらんぼ》

で、ゆっくり眺めているうちにヴィラの「お屋敷見学」の時間が迫りました。「静物画美術館」を出て一階に戻ります。

「静物画美術館」の出口です。美術館のロゴマークが見えます。

1階の玄関に戻ると、意外に多くの人たちが見学ツァー(解説はありません)開始を待っています。ちなみに、「静物画美術館」の方はガラガラで、ほとんど私たちの貸し切り状態のようした(汗)。みんなもお屋敷だけでなく美術館も観れば良いのにねぇ、とFさんと一緒に残念がってしまいました。

ということで、ヴィラの「お屋敷見学」は、次回に続きます。