花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

ポッジョ・ア・カイアーノ(2)ヴィラ・メディチ(お屋敷見学)

2015-11-17 06:29:05 | 美術館

さて、ヴィラ・メディチ(La Villa medicea di Poggio a Caiano)のお屋敷見学が始まりました。一応コースがあるようでしたが、参加者は見学可能な部屋を好きなように見て回れます。

エントランスホールの壁

エントランスホールから入ってすぐは、何と劇場でした!舞台の下には楽団用のスペースもあります。このヴィッラは時代とともに使用者も変遷もあったようで、次の間には大きなビリヤード台のある娯楽室になっていました。来客をもてなす部屋が続きましたね。 

で、右の扉を出て次の部屋に移ると大きめのガランとした部屋に出ます。しかし、壁には絵画が展示されていました。よく見ると、えっ!ヴァザーリ?! あ、ヴェロネーゼ!! 

ジョルジョ・ヴァザーリ作品がありました。

ヴェロネーゼ作品もありました。(他に2作品が展示されていました)

この部屋はフランチェスコ1世・デ・メディチの2度目の妻である、あのビアンカ・カペッロ(Bianca Cappello, 1548 - 87年)の居室だったのです!! ヴァネツィア生まれの彼女はヴェロネーゼの絵を愛していたとのことです。 

ビアンカの部屋にある暖炉のマントルピースが印象的でした。支える足はヘルメス柱でしょうか??

ビアンカの部屋の暖炉(ヘルメス柱??)

暖炉のある部屋の奥には優雅な階段部屋もありました。

変わった設えの階段でした。階段の上にも部屋があるようです。明かりは見えるのですが、見学コースには入っておらず、残念ながら入室して見ることができません。

ちなみに、フランチェスコ1世もビアンカも、ほぼ同一時期にこのヴィッラで亡くなっています。

で、2階に移動すると、おおっ、大広間があるではありませんか!!入口には仰々しく「レオ10世」の文字が刻まれています。そうです、ロレンツォ・イル・マニーフィコの息子ジョヴァンニです。

レオ10世を顕彰する大広間

豪華にも壁面はフィレンツェ・マニエリスムの画家たちが競演して描いています。アンドレア・デル・サルトやポントルモも!!

壁にはアンドレア・デル・サルトが!

(一部拡大)身のよじれ具合はまさにマニエリスムですねぇ。

大窓上のルネッタにはポントルモ作品が!

(一部拡大)ポントルモが生き生きと描いているんです!!

更には大きな会食用のダイニングや、凝った装飾のある部屋を通り、奥まった部屋に行き着きました。そこはリソルジメント後、フィレンツェがイタリア王国の首都の頃、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世が一時滞在した部屋で、寝室はこじんまりとし、寝台も小さく、意外に質素な設えでした。ちなみに、王様の母上はトスカーナ大公家のご出身です。ヴィラの反対側にある王妃の居室や寝室の方が装飾的にも凝った造りになっていましたね。

このヴィラの模型や三角破風のテラコッタ装飾などを見て出口に向かうと、そこはヴィラの広いテラスになっていました。テラスからはトスカーナらしい風景が望めます。

ヴィラ見学の出口は階段のあるテラスに続いていました。三角破風にはメディチの紋章が。

テラスからトスカーナ風景を望む

テラスの優雅にカーブを描く階段を下りながら、ちょっとばかり貴族気分を味わい(^^;)、「お屋敷見学」は終わりました。でも、ヴィラを出てからもお楽しみは続いたのです。ということで、まだ続きます(汗)。