Reflections

時のかけらたち

マルタ・アルゲリッチ ドキュメンタリー「アルゲリッチ 私こそ、音楽!」 ・・・ Bloody Daughter

2020-08-18 23:57:10 | movie


8月16日にたまたま登山のドラマの最終回を初めて最後だけ見た時に、そのあと何とアルゲリッチのドキュメンタリが
あり、途中まで見て録画して時間のある時に見直しました。

  

[BSプレミアム]
2020年8月16日(日) 午後11:00~午前0:37(97分) ジャンル映画>洋画
番組内容世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチの素顔に迫るドキュメンタリー。実娘のステファニーが監督・撮影を
てがけ、母、女性、天才音楽家としての知られざる姿を映し出す。
出演者ほか【監督】ステファニー・アルゲリッチ,【出演】マルタ・アルゲリッチ,スティーブン・コヴァセヴィッチ,
シャルル・デュトワ
詳細クラシック音楽界の“女神”としてたたえられ、50年以上にもわたり第一線で活躍し続けているアルゼンチン出身の
世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチ。しかし、急な演奏会のキャンセルや取材拒否、父親の違う3人の娘など、
その私生活は謎に包まれていた。そんなマルタに、三女のステファニー・アルゲリッチが密着。母として、女性として、
天才音楽家の素顔に迫り、知られざる姿を映し出していく音楽ドキュメンタリー。




世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチの実の娘ステファニー・アルゲリッチが監督を務め、生身の母親の姿を捉えた
ドキュメンタリー。メディアの取材を受けないアルゲリッチの、家族だからこそ撮れた名ピアニストの素のままの姿を映し
出す。元夫のロバート・チェン、シャルル・デュトワ、スティーヴン・コヴァセヴィッチらも登場。彼らとの間の3人の娘
たちとの関係を軸に描かれる、一人の女性の生きざまに魅了される。

今世紀最高のピアニストの1人として知られるアルゲリッチは、アルゼンチンに生まれ、後にスイスで人生の大半を過ごす。
子どもの頃から非凡な才能を発揮し、12歳でウィーンへ留学。16歳にして数日間のうちに2つのコンクールで優勝を飾り、
24歳でワルシャワのショパン国際ピアノコンクールで優勝。その後、あらゆる著名オーケストラとの共演を果たし、世界中で
演奏活動を行っている。世界中のジャーナリストが取材を熱望するが、ある時からアルゲリッチ本人が取材やインタビューを
受けることはなくなり、生ける伝説のピアニストと呼ばれている。

「パリ、オペラ座のすべて」「クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち」の敏腕プロデューサーが手がけた本作は、アルゲリッチ
の奇跡の演奏はどうやって生み出されるのか、いかにして“生ける伝説”となったのか、実の娘ステファニーがカメラを向け、
家族だけが知る母と3人の娘たちとの関係とともにピアニストの素顔を紐解いていく。“奔放な性格こそ、彼女の芸術の一部”と
言われる天才アルゲリッチの、ベールに隠されたプライベートを見られる本作は、ファンならずとも楽しめる貴重な音楽
ドキュメンタリーだ。

アルゲリッチは大分県で毎年開催されている別府アルゲリッチ音楽祭が記憶にある程度で、今まで興味を持ったことがありません
でした。音楽界に君臨している女帝みたいなイメージでちゃんと音楽を聴いたことがなかったのですね。一時期ミッシェル・ベロフと
恋愛関係にあったことは有名な話で、このドキュメンタリーにも触れられていましたが、ベロフのドビュッシーは生で聴きに行った
ことがありましたが、ドビュッシーとかラヴェルはそういう感性を持っていないと弾けない作品で、彼の音楽は素晴らしかったです。
ベロフは80年代に一時期右手首を傷めて、指揮の勉強などしていたが、マルタ・アルゲリッチの進言がきっかけとなって90年代に
ピアニストとして演奏界に返り咲くことができたことを今知りました。その後もいい演奏をしているようで、教育者としても活躍して
チョ・ソンジンがどうしてあんなにドビュッシーが弾けるのかと思ったらベロフが育てたということでした。若い頃感動したベロフ、
3年くらい前にも来日してコンサートがあったことを知り、今度そういうチャンスがあればさらに磨きがかかった彼の演奏を聴いて
みたくなりました。
シャルル・デュトワと夫婦だったことも知りませんでした。娘さんがデュトワそっくりでした。

この作品を作ったのはピアニストとの間にできた娘ステファニーです。音楽家を母に持つということはこういうことなのかと
わかる部分が多くありました。芸術家たちの家族は親は世界もので孤独な生活を送らざるを得ない。宿命かな・・
仕事というものはある意味そういう部分があって、家族のために仕事をするけれど、家族が犠牲になってしまうこともある。
社会のために働くということと、家族への愛。アルゲリッチと3人の娘たちは今すごくいい関係であることが伝わってくる
ドキュメンタリーでした。一言では言い表すことができない天才の人生を少しだけかすめたような感じでした。学校へは
ほとんど行っていないけれど刺激的な娘たちとの共同生活。

アルゲリッチの今に少しだけ触れて、コンサートに行く機会があれば、実際の演奏を聴いてみたいと初めて思いました。
シューマンが一番ぴったりくると話していました。飽きることがない音楽の世界で、いつも新しい発見があるということでした。
音楽も力強くそして自由な感じがしました。

タイトルのbloody daughter は悪い意味ではないとステファニーの父であるピアニストのコヴァセヴィッチが話していました。
日本語のタイトルとあまりにもかけ離れているのでちょっとびっくりしました。


コメント (2)
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