碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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NHK『ブラタモリ』とテレビ朝日『タモリ倶楽部』

2009年10月06日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

6日付けの『日刊ゲンダイ』の連載コラム「テレビとはナンだ!」。

今週は、NHKで始まった『ブラタモリ』について書いた。


見出し:
テレ朝はNHK「ブラタモリ」を怒っていい


先週木曜の夜、NHKにタモリが出てきたので驚いた。

いや、ゲストとかではなく、堂々のレギュラー番組らしいのだ。その名も「ブラタモリ」。

「タビうた」同様、タイトルがそのまま中身になっていて、タモリがぶらぶらするからブラタモリときた。

まあ、それだけなら笑っていられるが、番組を見ていて「おいおい、ちょっと待てよ」と思い始めたのだ。

1日の第1回は、タモリとNHKの久保田祐佳アナウンサー、そしてゲストの造園家・涌井雅之の3人が早稲田を歩いた。

早大の大隈庭園からスタートして、神田川沿いを行く3人。随時、古地図を登場させ、江戸や明治の地形との重ね合わせをする。

新宿区と豊島区の番地が入り組んだ地域があり、それはかつて蛇行していた神田川の名残だといった蘊蓄も出てくる。

さらに、「胸突坂」での坂道談義まで展開された。

さあ、こうなると、まんま「タモリ倶楽部」(テレビ朝日)である。

というか「タモリ倶楽部」で当てた“古地図ネタ”や“坂道ネタ”を含む街歩き企画に、「ちい散歩」(これまたテレ朝)をまぶしたようなものではないか。

タモリ本人が出演をOKしたとはいえ、この内容でレギュラー番組にしてしまうNHKも大胆過ぎる。

今週8日の第2回目は上野を歩くそうだ。その中身によっては、テレビ朝日も怒っていい。


・・・最近のNHKは、この手のものが目に付く。

お笑いの芸人さんが、約30分間、じっくり自分たちのネタを披露する「笑神降臨」。

このタイトルも、テレビ東京でずっと続いている「商品降臨」のもじりに見える。

大丈夫ですか?