日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。
今週は、武井咲主演のドラマ「せいせいするほど愛してる」(TBS)について書きました。
程よいユルさが心地よい
武井咲「せいせいするほど、愛してる」
武井咲「せいせいするほど、愛してる」
今期の連ドラも終盤戦。全体的に低調といわれるが、スタート時と比べてじわじわ面白くなったものもある。「せいせいするほど、愛してる」(TBS系)はそんな一本だ。
有名企業の副社長(滝沢秀明)と広報担当社員(武井咲)の恋愛と聞いて、ありがちなシンデレラストーリーをイメージしていた。しかし、今やすっかりドロドロ系になっていて、びっくりだ。
滝沢には離婚寸前だった悪妻(木南晴夏)がいた。彼女は事故で昏睡状態だったが回復し、猛烈に武井を責めている。また、妻の姉(橋本マナミ)は自らの事業資金のこともあって離婚を阻止しようと暗躍中。
さらに武井の元カレ(高橋光臣)が橋本とつるんでストーカー状態だ。そこに武井を好きになった、ライバル社の広報マン(中村蒼)も絡んでくる。
このドラマ、展開はかなりドロドロのはずなのに、重さや暗さがない。気楽に見られる不倫恋愛物なのだ。
実際、周囲の若い衆は、ドラマを見ながらSNSなどで感想を発信する“ソーシャル視聴”を楽しんでいる。ストーリーにも登場人物にも、程よいユルさ、ツッコミどころがあるからだ。
そうそう、ティファニーやジミーチュウといったブランド企業が実名で登場しているのも特色。しかし、果たして会社のイメージアップになっているのか、いないのか、ちょっと気になる。
(日刊ゲンダイ 2016.09.07)