碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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2016年09月15日 | 遥か南の島 2015~16/18

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“昭和のデカ”唐沢寿明が面白い「ラストコップ」

2016年09月15日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評



日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。

今週は、ドラマ「ラストコップ」(日テレ)を取り上げました。


ドラマ「ラストコップ」
唐沢演じる“昭和のデカ”が面白い

突然、元気な刑事ドラマが始まった。唐沢寿明と窪田正孝の「ラストコップ episode0(ゼロ)」(日本テレビ系)である。

もともとはhuluで配信されたオリジナルドラマだが、10月から地上波で放送することになった。そこで9月中にエピソード・ゼロと称する3回分を流し始めたのだ。

いわば“前哨戦”であり、壮大な“予告編”でもある。

30年前の事件で昏睡状態に陥っていた横浜中央署の刑事、京極浩介(唐沢)が目覚めて復活した。コンビを組まされたのは、年齢もタイプも異なる望月亮太(窪田)。

まずは2人のボケとツッコミが見どころのひとつとなっている。とはいえ、最大のウリは“昭和の刑事(デカ)”京極の破天荒ぶりだろう。

暴走ともいえる強引な捜査。連発される親父ギャグは困るが、きっちり結果を出す男だ。唐沢は、朝ドラ「とと姉ちゃん」の天才編集者・花山とは真逆のコミカルなキャラクターを喜々として演じている。

また、京極の妻(和久井映見)が後輩刑事(宮川一朗太)と再婚していたり、一人娘(佐々木希)は京極が実の父親だと知らなかったり、捜査以外の設定も抜かりない。

さらに脇役が豪華だ。県警本部長が小日向文世。京極と対立する警視正には藤木直人である。

最近の刑事ドラマにしては珍しく、しっかりドンパチ(発砲シーン)があることも含め、大人が楽しめる「相棒」日テレ版だ。

(日刊ゲンダイ 2016.09.14)