日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。
今週は、ドラマ「ラストコップ」(日テレ)を取り上げました。
ドラマ「ラストコップ」
唐沢演じる“昭和のデカ”が面白い
唐沢演じる“昭和のデカ”が面白い
突然、元気な刑事ドラマが始まった。唐沢寿明と窪田正孝の「ラストコップ episode0(ゼロ)」(日本テレビ系)である。
もともとはhuluで配信されたオリジナルドラマだが、10月から地上波で放送することになった。そこで9月中にエピソード・ゼロと称する3回分を流し始めたのだ。
いわば“前哨戦”であり、壮大な“予告編”でもある。
30年前の事件で昏睡状態に陥っていた横浜中央署の刑事、京極浩介(唐沢)が目覚めて復活した。コンビを組まされたのは、年齢もタイプも異なる望月亮太(窪田)。
まずは2人のボケとツッコミが見どころのひとつとなっている。とはいえ、最大のウリは“昭和の刑事(デカ)”京極の破天荒ぶりだろう。
暴走ともいえる強引な捜査。連発される親父ギャグは困るが、きっちり結果を出す男だ。唐沢は、朝ドラ「とと姉ちゃん」の天才編集者・花山とは真逆のコミカルなキャラクターを喜々として演じている。
また、京極の妻(和久井映見)が後輩刑事(宮川一朗太)と再婚していたり、一人娘(佐々木希)は京極が実の父親だと知らなかったり、捜査以外の設定も抜かりない。
さらに脇役が豪華だ。県警本部長が小日向文世。京極と対立する警視正には藤木直人である。
最近の刑事ドラマにしては珍しく、しっかりドンパチ(発砲シーン)があることも含め、大人が楽しめる「相棒」日テレ版だ。
(日刊ゲンダイ 2016.09.14)