波田陽区似ネタで悪ノリ
NHK「ニュースウオッチ9」
NHK「ニュースウオッチ9」
NHKの「ニュースウオッチ9」(NW9)はもはや報道番組ではないようだ。
8月18日の放送では、1時間番組の中で45分を割いて、リオ五輪である。番組の前後で中継しているにもかかわらずだ。むろん、レスリング女子3人が金メダルを取ったことも、卓球男子団体が銀メダルを取ったこともめでたいのだが、
「男子卓球のエース・水谷隼がお笑いタレントの波田陽区に似ているからと言って、わざわざ福岡でユニホーム姿の波田にネタまで披露させ、リオのスタジオにやってきた水谷選手に東京の鈴木奈穂子アナが、似ていることについてさらにブツける……民放の報道番組でもやらないでしょうね」
と呆れるのは、上智大学の碓井広義教授(メディア論)である。
「NHKの看板とも言える報道番組『NW9』ですが、昨年春にキャスターを河野憲治・報道局国際部長と鈴木アナに交代してから、『NW9』がどう伝えるか、という期待感が薄れています」
7月の参議院選挙では、投票3日前というのに、一言も報じないことさえあった。“ニュースに政治を持ち込まない”と揶揄もされていたのだが、
「だからといって、報道番組をバラエティに持ち込むことはない。NHKでも砕けたところを伝えたかったのか、盛り上げるにしても方向を間違えてます」(同)
番組では“自己満足のための練習は100時間やったとしても無駄な練習”という水谷選手の言葉を引用していた。練習を“報道”に置き換えてみてはどうか。
(週刊新潮 2016年9月1日号)