河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

犬と話をつけるには

2006-07-19 22:21:39 | 読書(その他)
多和田悟、文春新書。
犬と「話をつける」のであって、「話をする」のではない。
もしそんなタイトルだったら買わなかった。
盲導犬を初め、補助犬というやつは、「使役動物」だ。
向いている性質を持つ動物だけが選ばれる。
(途中で向いてないとわかったやつはどうなるんだろう、全部ペットにするには多いよな)
人間は、向いてなくてもその仕事についているけど、犬はそうはいかない。
「お前、この仕事やってけそう?」「うん、大丈夫、楽しいよ」と
反応してくれる(話をつけられる)犬だけが盲導犬その他になっていくのだ。
シビアな世界だ。
第1章で犬の性質をかいつまんで解説。
「犬は明日のことを考えない」「犬は後悔しない」等々そのとおり!っていう感じ。
第2章は、著者のキリスト教的思想も含めて、
盲導犬を育成することについての考察、みたいなものが語られる。
犬は、きっかけなのだ。
犬のおかげで人生が変わる訳ではなく、
盲人としての人生を自信を持って歩んでいくためのきっかけ。

知人の動物愛護団体の方は、犬を道具と見なす補助犬に反対している。
動物を使わなくてもいいじゃないか、人が手伝えばいいじゃないか、という。
その意見への反論は、この本からは得られなかった。
手伝ってくれるのが、人と動物では大きく違うと私は思う。
でも、反論できないでいるのだ。
コメント
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