沖浦和光、河出文庫。
被差別の原像を探る。
昭和2年生まれの著者からしたら、
昨今の陰陽師ブームは不思議だったらしい。
それくらい、戦前まで陰陽師のことは忘れ去られていた。
有名な安倍晴明は、宮廷陰陽師、
それとは別の民間の陰陽師がたくさんいた。
蘆屋道満系の陰陽師の源泉を辿る。
それは、被差別の有名な2つとはまた別の特殊部落、
正月の祝いの万歳をする流浪の人々や
人形浄瑠璃、歌舞伎、役者村へと続く人々は、
実は陰陽師系の星を読み暦を作る人々の系譜だった。
農作業せずにこういう仕事する人は、
お上からしたら納税しない困り者だから真似しないように
被差別カテゴリに入れて取り締まったんだろうなあ。
お肉や革製品、罪人の処刑から、民間の占いや芸能など、
日本の生活の歴史の底辺には被差別の人たちがいっぱいいて、
いなけりゃ成り立たなかったよなあ。
それがとても興味深いし面白い。
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