河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

サマータイム・九月の雨

2008-05-06 21:26:04 | 読書(小説)
佐藤多佳子、偕成社。
「四季のピアニストたち」と題された上下巻。
「サマータイム」「五月の道しるべ」「九月の雨」「ホワイト・ピアノ」
計4編。
小5の時に進が出会った片腕のない男の子、広一くん。
お母さんはジャズ・ピアニストで、
彼自身も、父親と片腕を事故で失うまではピアニストを夢見ていた。
進の姉、佳奈が加わり、ジャズの名曲、サマータイムのデュエットが響く。
佳奈と進の姉弟と広一の3人の目線で語られる、4つの物語。
「九月の雨」のあらすじで、ちょっとちょっと、そういうラブストーリーに
なっちゃうわけ?と心配したけど、裏切られてよかった。
「五月・・」のツツジの鮮やかさや、「ホワイト・・」のピアノのイメージが美しい。
進のまっすぐさや、佳奈のあまのじゃく、広一くんのひねた大人っぽさ、
少年少女の、(そのときだけなんだけど)一生懸命な生き方が、
情景と共に描かれていて、わざとらしくなくて、面白いと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする