河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

驚きの介護民俗学

2016-09-10 16:04:45 | 読書(その他)
六車由実、医学書院。
民俗学だけど、介護関係ということで、
医学系(看護系)の出版社から出ている。
出版された頃から気になってたんだけど、図書館で借りてきた。

介護は給料も安いし、きつい仕事。
食事の介護、風呂の介護、排泄の介護。
力もいるし、臭いし、かなりの肉体労働。
なり手が少ないけど、ニーズはあって、
ニュースでは虐待とかも話題になる。
そんな職場で、時間をもらって、
元民俗学研究者の著者は老人たちから聞き語りをする。

たしかに、年配の人達の話には、
テレビドラマとかにはないような日常があって、
歴史の行間を埋めるような、当時こういうことは
普通はこうやっていたから、こうなったというような
小話がいくつもあって、当時の様子って
再現しきれないなあと途方に暮れることもあった。

この本は、そんな小話を集めた介護職員の話。
この根気良さとか、介護職を厭わないあたり、
多分、だれも真似できない気もするけど。
でも、老人ホームにいるじいさんばあさんすべてに、
物語が、歴史の断片がいっぱい眠っていることを、
この本は教えてくれている。
コメント
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