河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

空のあらゆる鳥を

2021-08-09 22:41:22 | 読書(小説)
チャーリー・ジェーン・アンダーズ、東京創元社。
ネビュラ賞とローカス賞受賞というだけあって、
SF要素もあるが、基本はファンタジィ。
だって、主人公は魔法使いと科学技術者。
子どもの頃、鳥の集会に参加して、謎を与えられたパトリシア。
「木は赤いか?」答えを引き伸ばしたものの、忘れてしまう。
家庭ではいびられ、学校でもパッとせず、居場所はない。
同じく、いじめられっ子ロレンス。
彼は2秒巻戻るタイムマシンを完成させ、科学者たちと知り合いになる。
そんな二人が仲良くなるのを、未来を予知した暗殺者が狙う。

なかなか吹っ飛んだ話。
そもそもパラレルワールドなのかもよくわからん。
ロシアとか日本とか出てくるので、普通にアメリカのつもりなんだろう。
でも、魔法使いがいて、専門の学校がある。
そして、世界を破壊する機械を作った(ほんとは違うけど)科学者集団と、
それを阻止する魔法使い集団の争いが始まる。まじで。
なかなかの世紀末ぶり。津波だの台風だのと災害が押し寄せる。
子どもの頃、ロレンスが開発して、パトリシアが育てたAIが
最後の最後でなんかすごい未来をつなぐ。
人間、自然、機械の融合。
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魔女の子ども

2021-08-09 22:23:55 | 読書(小説)
ケリー・バーンヒル、評論社。
御伽話のような語り口で進むお話。
魔女の子どもは双子で、どちらかがダメな方。
海を目指した二人は溺れ、一人は亡くなり、
一人は父親に助けられ生き延びる。
死んだタムの魂は、魔女が、生き残ったネッドに縫い込んだ。
だが、ネッドは、言葉も出てこず、
生き残ったダメな方として引きこもって育つ。
一方、漁師の母が死に、父は元の仕事=山賊に戻り、
父に森へ連れてこられた少女、アイン。
魔女が抑えてきた魔法が力をつけ、アインの父を変え、若い王を唆す。
ネッドとアインの二人+オオカミが出会い、世界を元に戻す。

魔法の扱いが面白いし、魔法を取り込んだネッドの姿は、
ビジュアル的にもかなり面白い。
巨石たちもなかなか味がある。
世界の果てには、何もないと思ってた人たちが、
いろいろあって、最終的には海を目指す。
ネッドの国の女王がかなりいい感じ。
面白かったよ。
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