河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

【新釈】走れメロス他四篇

2008-11-06 22:08:18 | 読書(小説)
森見登美彦、祥伝社。
もう、このひとは。
実は、斉藤秀太郎とその周辺しか描いてないんじゃ。
よくもまあここまで妄想を広げられるものだ、と。
どんな名作も、斉藤周辺に陥れるあたり、
これはこれですごい。
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仏果を得ず

2008-11-05 21:37:38 | 読書(小説)
三浦しをん、双葉社。
すいすい読めてしまった。
文楽、という、素人には全くわからん世界で、
主人公健(たける)大夫(たゆう)は、
この世界に入って10年。義太夫にはまりまっくている。
世襲の大夫もいるなか、訓練所出身の健はがんばっている。
まあ、才能のある男なので、気持ちいいほどにがんばって、
がんばりがそのまま上達して、周囲にも認められていく。
ついでに恋もGET。これぞサクセスストーリー!ってところ。
自分に理解できない役柄を理解するために、いろいろ経験していく
訳だが、3つ続くとちょっとワンパターンかな、という気もするが。
面白く読めたから、よしとしよう。

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博物館の裏庭で

2008-11-03 14:43:34 | 読書(小説)
ケイト・アトキンソン、新潮クレストブックス。
いや~、かなり良かった。
カバーに「百年の孤独」のイギリス版、みたいに書いてあったけど、確かに。
主人公ルビー・レノックスが生まれて現在に至るまで、を、
彼女の母や祖母、曾祖母の時代の小話をちりばめて描いている。
ジリアン、エイドリアン、アルバート、何人かに一人現れる天使の系譜や、
行方不明になる少年ロレンスなど、ここいらが「百年の孤独」。
あと、ルビーの夢遊病の謎解き付き。ちょっとしたどんでん返し。
なにせ、受精の瞬間から意識が芽生えた少女であるから、
何でも知っていると思いきや・・・。ちりばめられた伏線の数々。
なにより、私たちは、祖先がいてこその存在であること。
しかし、アリス、ネル、バンティ、ルビー、4代そろって結婚はイマイチで、
結婚生活にあまり希望を持ってないあたりは、作者の人生観なんだろう。
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