河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

都会と犬ども

2011-06-07 22:24:55 | 読書(小説)
マリオ・バルガス=リョサ、新潮社。
ノーベル文学賞取ったから、ちょっとだけ有名になったかな?
「緑の家」が賞を受けてから、たくさん翻訳本が出た。
こういうのはル=クレジオも一緒だがな。
1963年の作品。
レオンシオ・プラド士官学校のどもならん5年生たちが主人公。
田舎から出てきたカーバ、いじめられっ子奴隷(アラナ)、
代筆やエロ小説を書いてかせぐ詩人(アルベルト)、
暴力的で一組のリーダー格ジャガー(本名出てこなかったな)。
そして糞真面目な上官ガンボア中尉。
カーバが試験問題を盗み、奴隷が外出禁止をくらい、
カーバの仕業を告発して、学校を退学になった矢先、
奴隷が演習で弾に当たり死ぬ事件が起こる。
奴隷と仲良くしていた詩人は、真実を突き止めようとするが。

ストーリーはそれほど難しいものじゃないけど、
その運び方、語り口が面白い。
いろんな人の目線で語られるのだが、ひとりだけ、
だれなのかわからない少年がいる。
最初は奴隷かと思っていたが、どんどん坂道を転がっていく。。。
ラストで彼の正体も分かり、その後の人生にも触れられ、
ちょっとしたハッピーエンド。
15歳くらいの時の悪さぐらいじゃ人生ダメにはならないってことか?
くそ真面目ガンボア中尉は最後までいいやつだったなあ。
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トスカーナの贋作

2011-06-05 18:41:59 | 映画
キアロスタミ監督の最新作。進富座。
「贋作」という書籍を発行したばかりのイギリス人の男。
イタリアのトスカーナで、講演会にやってきたらしい。
その会場にきていた、子連れの女性は、中座するものの、
主催者に頼んで、翌日彼と直接会うことになる。
画廊を営む女性は、彼と贋作について議論しながらドライブし、
彼をルチニャーノに連れて行く。
そこのカフェで二人は夫婦に間違われるのだが・・・。

この人の作品はカメラワークが特徴的。
元は、お金がなかったからカメラを固定してたんだろうけど。
それと色彩。映画の画面一枚で絵になる構図。
だけど、どーにもストーリーがわからなくなってきて。
あれ、初めて会ったはずなのに、夫婦なの?あれ?

贋作、原題はCertified Copyだから謄本らしいぞ。
承認された写し。公認なんだ。偽物とわかってても。

英語とフランス語とイタリア語が飛び交って、
ヨーロッパの遺跡とか美術品がいっぱい出てくる、
ヨーロッパな映画だった。
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フードインク/ありあまるごちそう

2011-06-03 18:41:04 | 映画
映画。今池シネマテーク。
先週の日曜日に見たのにすっかり忘れていた。
フードインクはアメリカ制作。ありあまるごちそうはヨーロッパ制作。
アメリカの方が手法は面白い。章立てとか。
どちらも、「いのちの食べかた」にそれぞれ続きを作ったような内容。
その食べ物はこんなふうに作られるよ、廃棄されるよ。
保健所職員的には、ほぼ知ってる内容なんで、ショックは受けません。
つーか、ショックだろ!的な描かれ方をすると、
へー、こういうのショックなんだ、という感じ。
正直なところ、ほとんど内容忘れちゃった。あれ?

子供の頃から普通に、鶏が死んで肉になるって認識してたけどな。
機械は機械で、ここまで進化させると、別の意味ですげーと思う。
命は大事だから、残さず食べようと思う。
他の生命を食べて生きていることを忘れたことはない。
でも、オートメーション化した工場とかほげーっと見てて面白いんだなあ。

でもでもやっぱり、もっと自分の身近ですべてを完結させる世の中に戻らないかなあ、
戻れないかなあとも思っている。
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配達あかずきん

2011-06-01 21:28:03 | 読書(小説)
大崎梢、東京創元社。
本屋が舞台のミステリ連作集。
正社員の杏子が主人公だけど、
探偵役はアルバイトの大学生多絵。
本屋さんの仕事がよくわかるので
ちょっと勉強になった。
ミステリの話自体は、ほのぼのしていい話。
ちょっと出来すぎというか、作られた感あるけど。
特に「あさきゆめみし」の弟くんの話はかなりの非現実感。
ほいでも本屋さんぶりが面白かったので、
続編シリーズも読んでみるか。余力があれば。
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