遊びをせんとや

毎日できるだけアンテナを張って
おもしろがりながら楽しみたい。
人は「遊びをせんとや生まれけん」です。

塩田千春 つながる私アイ 中之島美術館(追記あり)

2024-10-14 07:52:26 | 美術館、博物館
中之島美術館の塩田千春 つながる私アイ展へ満を持して行った。
娘と旦那と三人で。
思えばコロナ禍真っただ中の頃、岸和田まで観に行ったのが懐かしい。
2020年2月であった。もう4年も前。

赤い糸 ~塩田千春 岸和田~ - 遊びをせんとや

以前から、興味があった塩田千春の作品展が岸和田で開かれるという。岸和田は彼女の出身地だ。マドカホールという文化ホールで無料。娘が東京でやっていた森美術館の展覧会...

goo blog

 

この展覧会で衝撃を受けた。
現地で複数人で制作する赤い糸の作品。


今回、アプローチからすでに赤い糸。エスカレーターを5階まで登ってすでに赤い世界が迎えてくれる。


 
黒い服の人が多かったようなので、その人物の黒も作品の一部になるような色彩。
これは入り口の係員の人。

今回は赤い紬と黒地に赤いバラが描いてある自作の帯を締めようと意気込んでいたが、あまりの日中の暑さにめげた。
袷は無理なので友達から譲ってもらったシルクウールの単衣に織の赤~黄色の帯で。

暑さ対策に麻の長襦袢に縮緬のクリーム色の衿で。


巡る記憶 
一転、白いロープで蜘蛛の糸ような天井を張り巡らせて

川が現れる。上に管がめぐらされていてそこから水滴が落ちる。

 
画面では伝われないが、水滴の落ちる音が聞こえる。
川の表面に波紋が広がる。

振り返ると微かに赤い世界も見える。
なんだか、凄く生に関する根源的な物を感じた。

初期の油絵

 
大学では一旦絵を描けなくなったそうだ。
自分のやりたい表現を突き詰めたかった塩田千春さん。
ドイツの浴室で泥水を被ったり(バスルーム)血管を思わせる透明チューブに赤い液を巡回させて自分の身体に巻き付けたり(ウォール)直接的で根源的な表現を色々やってみて、自分の表現したい物に肉薄する。

たどり着いたには赤いロープ

アトランダムなようで凄く緻密で不思議とダイレクトに伝わってくる。


家から家

 
これは現場で観るより、今こうやって写真を整理してみるとなんだか感動する。
圧巻の赤。


多様な現実 長いドレスは彼女の皮膚だそうだ。


 
宇宙とつながるシリーズ

つながる輪

 
それぞれ事前に書かれた紙のメッセージを読むと本当に沢山の人の思いが込められている。
床に落ちる影も美しい。


 
   
他者の自分 不思議なフォルムに見入ってしまった。


第二の皮膚 珍しい黒のワイヤー

ショップの充実していた。

 
この手ぬぐいが素敵で娘が左下の手ぬぐいをプレゼントしてくれた。
彼女も立体ポスターと額を買っていた。


 

写真には撮れなかったが、読売新聞で連載していた多和田葉子「研修生」の挿絵もコラージュを多用したり、とても素敵だった。

映像で彼女の仕事を紹介したり、インテヴューや多和田葉子との対談の映像を流したり、解りやすい展覧会だった。
堪能した塩田千春であった。


お昼ご飯を食べて珍しく午後からトリオ展にも挑戦。

to be continued








愛知への日帰り旅 その① 苅谷市美術館 宇野亜喜良展

2024-10-07 08:13:52 | 美術館、博物館
日曜美術館で東京で開催された宇野亜紀良展の様子と宇野亜紀良と横尾忠則の対談を観て、是非この展覧会が観たいと思った。
巡回展は苅谷市美術館。
ぎりぎり、日帰り可能。
ついでに岡崎にも行きたいと旦那が言うので。

娘にも声を掛ける。
近くでは泊まらないということなのでなおさら日帰り。
まず、朝なんば始発のヒノトリの座席押さえる。
休日なので早めにゲット。
家をかなり早く出ないといけないのと、お天気も今一なので着物は前日に諦める。

当日、早い目に家を出て、最近よく電車が止まるので、一本早い電車でなんばへ。
なんと、駅に着くと珍しく近鉄名古屋線、四日市から名古屋の間で人身事故。
四日市までは普通に運転するとのこと。途中で運転再開予定。


ひさしぶりのヒノトリ

列車の座席間が広く、シェル型になっているので後ろに倒しても気を使わない。
しかも座席事に電源あり。

今回は果物とお菓子、コーヒー、水持参。

途中で運転は再会されたが、かなり遅れそう。
四日市を過ぎたあたりで徐行。
結局40分遅れて名古屋着。この40分が後で響いてくる。
娘とは苅谷駅で待ち合わせ。
東海道線に乗り換えて刈谷駅へ、そこから車で5分の苅谷市美術館へ。

 

内部はこじんまりした二階建てだが、本当に所せましと宇野亜紀良さんの作品が満載。
途中にアニメ映像コーナーあり、インタビュー映像コーナーありのてんこ盛り。(いい意味で)
文化祭みたいだった。


若い頃の自画像。圧倒的なデッサン力。

若い頃のメモ。宇野さんの原点。



初期の油絵



初期の読書週間ポスター



タバコのパッケージのデザイン

マックスファクターを始め、様々な商業デザインポスター

 

本の装丁

 
なつかしのSFマガジンの表紙絵

大好きな遠い海から来たCoo

雑誌の表紙

近代建築のデッサンが凄かった。新婦人。


人形劇、人魚姫の人形


もの凄い、渋い色でかえって立体的に描いてある絵本の原画

 

 

日本の昔話
 
   
     
       
         
圧倒的な色彩。構図。

おびただしいポスター

 
ジュリーの写真のコラージュ


シアターコクーンのポスター

 
ブラックライトで光るポスター

 

立体 ベートーベン

 

ディズニーのキャラクターイラスト



お芝居の被り物

 
舞台美術、舞台衣装のデザイン
キリコの展覧会と同じように溢れかえるように生まれるイメージが多才

娘が遊んだというおしゃれのコラージュアプリ

どこまで行くんだ宇野亜紀良
この50年以上にわたるリアルタイムの彼の作品はあまりに身近で「宇野亜紀良」なんだと言うのが気が付かなかった物も正直多すぎた。凄いエネルギー、凄い想像力、創造力。

圧倒されて観終わったあと、美術館を後にする。

 
隣接してお茶室があって、午後1時から2時間ほど、呈茶があり、300円でいただける。惜しい、時間が合わない。


ここから、岡崎まで1時間くらいかかるから沿道でお昼を食べて行くことになり、近くのうどん屋さん権兵衛へ。

少し待ったが、店内が広くほどなく入れた。
愛知に来たのだから、私は味噌煮込みうどんデラックス

味噌が甘くなくちょっと酸味が効いていて美味しかった。
見た目ほりボリュームはない。

娘は天ぷらうどん。

旦那はなぜかかつ丼。当然上に乗っているのは味噌。
満足して、一路岡崎へ。
お城の回りに屋台が出ていて、車が満杯。
岡崎編はつづく。


 


  



デ・キリコ展 神戸市立博物館(追記あり)

2024-09-26 14:30:01 | 美術館、博物館
9月14日から一斉に観たい展覧会が始まった。
前売り券は5種類コルクボードに貼ってある。

9月中にペアチケットを買うと500円安くなる神戸市立博物館のデ・キリコ展へ。
幸い、お天気も良く涼しい風が吹いている。


9時半開場なので、出遅れてしまったが、まずまずの人出。
きっと10月になったら混むだろう。
この日は単衣、白地にペケポンの茶の模様、バリバリの紬、船場センタービルで買った。例のチェーン店で結城と言われたけれど違うやろと思っている。でも好きな着物。麻の長襦袢、麻の帯。長襦袢の袖丈が全く合わなくて、中でゴロゴロになってた。でも麻の帯は涼しい。
思い切って伊達じめをやめて、紐だけにしてみた。衣文が少し抜けにくかったかな?暑さは少しまし。


 
ロビーのキリコの写真
イタリア人らしい風貌、ギリシャで生まれたことが彼の創作の原点になっているとは思うけれど。

自画像が並ぶセクション1

17世紀の衣装をまとった公園での自画像
結構がっつり油絵なんだと思った。
私の知っているキリコはペタッとしたマチエールばかりだったから驚き。

いよいよ形而上絵画
その片鱗が仄見える「山上への行列」大胆な色面でも不思議な立体感が漂う。不穏な立体感。

画像はWebよりお借りしました。


沈黙の像(アリアドネ)

いくつか写真撮影OKの絵がある。こんな感じが一番いいかな。全てOKなら私も全て撮影してしまうし、ダメならダメで写真は撮らないが全てNGもなんだか物足りない。ちょうどいい感じ。


綺麗なブルーが目立つ球体とビスケットのある形而上的教室

形而上絵画とはなんぞや
どこかで遠近感がわざとくるっていて、結構リアルに描かれているのでありそうな気がするシュールリアリズムの一種、少し立体感が狂っているので観た人は不安を覚える。と私は思っていた。

ウイキペディアによると
デ・キリコの典型的な作品に則して述べれば、形而上絵画の特徴としては、主としてイタリア広場を舞台にしつつ、下記のような特徴が挙げられる。これらの特徴の結果、作品を見る者は、静謐、郷愁、謎、幻惑、困惑、不安などを感じることが多い。

1,画面の左右で、遠近法における焦点がずれている。
2,人間がまったく描かれていないか、小さくしか描かれていない。
3,彫刻、または、マネキンなどの特異な静物が描かれている。
4,長い影が描かれている。作品によっては、画面内の時計が示している時刻と影の長さの辻褄が合わない。例えば、時計は、正午に
 比較的近い時刻を示しているのに、影がひどく長い、など。
5,画面内に汽車が描かれており、煙を出しているので、走っていると思われるのに、煙はまっすぐ上に向かっている。
デ・キリコの作品で、形而上絵画の嚆矢としては、1910年頃に制作された下記の油彩画4作品が挙げられることが多い。なお、デ・キリコの形而上絵画作品は、1910年代だけで100点以上存在する。


ということである。
なるほど。

孤独のハーモニー
なんだか漫画に出て来るキャラみたい


預言者
いよいよマヌカンの登場である。

形而上的なミューズたち


奥さんをモデルに描いた 風景の中で水浴する女たちと赤い布

追記:この展覧会で初めて知ったけれど、ルノアールに影響を受けたんだ。フォルムはそのままでタッチだけルノアールという不思議なキリコの絵を観たのは驚いた。


なんだか漫画チックに思えて割と好きな作品 オデュッセウスの帰還

写真は全てNGだったけれど最後に彫刻が出品されていて、なんだか癒された。
立体なら形而上がましになるから、すごく安心して「美しい」とそのフォルムの美しさを観てられる。

ヘクトルとアンドロマケの抱擁

画像はお借りしました。

最後に舞台衣装などが展示されていてキリコの多才さが解った。
旦那は一番好きな絵が無かったと言っていて何?と聞くと「スペイン広場」っていうけれど

これだそうだが、ちがうやん「街の神秘と憂鬱」という題です。これも画像はWebよりお借りしました。
これはなかったです確かに。

買わなかったけれど、オリジナルグッズも素敵

 
   
     

ロビー横のカフェはいつの間にか休憩室に変わっていた。

 
水分補給はいいが、飲食は厳禁
美術関係の書籍が沢山あって、ライブラリーのようになっていた。

横に貴賓室のような部屋もあった。入室はできない。

堪能して、すぐ近くの大丸のレストランへ。

群愛飯店

群愛ランチ

三皿ついて、ボリューム満点1980円。
少し旦那に食べてもらった。
海まで歩こうかと思ったが結構午後から日差しが強く暑かったので断念。高齢者は無理をしない。

晩御飯は、残り物の大根の煮つけ。つるむらさきの胡麻和え。豆腐、玉ねぎ、シイタケのお味噌汁。焼きサンマ、大根おろし。







島津製作所創業記念資料館 

2024-09-11 07:38:15 | 美術館、博物館
かねてより、ここに一度行ってみたいと思っていた京都二条、島津製作所総合記念資料館に予約を入れた。
ここは開いているのが、月、火、木、金しかない。土日祝は閉まっている。しかも電話で予約必須。
入館料は300円とお安い。

体調も戻ったので団体が9時半から入っているとのことだったので10時30分に予約する。

 


説明によるとこの高瀬川のほとりに仏具制作をしてはった先代島津源蔵さんが工場を建て、教育用理化学機器を作り始めたそうだ。
先見の明があっただろう。その息子の二代目源蔵さんがまた賢くその発明工夫を繰り返し、日本で初めてのx線撮影に装置や蓄電池を開発したそうだ。

資料館は後で建て増しした住居部分を改装した建物である。

ここで簡単な歴史を漫画の映像で見る。解りやすい。

 
随所に見られる明治のデザイン

二階の資料室にはセンス良く展示された島津製作所が手掛けた数々の製品。

 
  
   
レトロでガラス管などは不思議な美しさがある。


サーキュレーター。扇風機の原形。


 
3D写真


 

剥製や

マネキンも手掛けていた。


古い家屋の梁を活用した素敵な展示室


明治から昭和、平成、令和を振り返る。

 
  
ノーベル賞を受賞した田中耕一さんは島津製作所の研究員。


色々な不思議

 
自分で簡単な実験をするコーナーもある。

木製の顕微鏡

一階に戻るとエックス線撮影のコーナーがある。

 
  
    


玄関脇の胸像

堪能して、お昼を食べに行く。
近くの雰囲気のある鴨川沿いのお店はお高く、予約で一杯。
真ん前にあるがんこ二条店は前日に電話を掛けたら予約で一杯。
ダメもとで飛び込みで聞いてみると少しお庭を観て待ってくれたら大丈夫とのこと。
ラッキー。
このお店は元山縣有朋の別荘第二無鄰菴である。


以前一度コロナ開けの頃に来たことがあるが、その時よりお庭がきれいになっていた。

 
  
    
     
でっかい灯篭。


 

大広間には結構な人数の団体客の用意がしてあったので、このために予約はあかんかってんなと納得。
私たちが通されたのは洋間のはしっこ。

 
  
十分な広さがありゆったりしてるし、窓から新緑が見えていい感じ。


食べたのは私はマグロ入りのお刺身定食。旦那は鰻重。
冷たい麦茶が美味しかったし、さすがお寿司のがんこ、お刺身も十分美味しかった。これにご飯と赤出汁と白菜お漬物が付いている。
私にはこれくらいがちょうどいい量だ。二人で5000円。サービス料10%取られるがお庭も観れたし。
あまりの暑さに少し寺町通を散策したが早々に地下鉄、阪急で帰宅。

昨日の晩御飯は辻仁成レシピの鳥胸肉のフリット。どんこしいたけも揚げる。

ミネストローネスープにとろけるチーズを入れてオーブンで焼いた。


もずく、セロリ、キュウリ、シラスの酢の物。
フリットがジューシーで美味しかった。







奥村厚一 光の風景画家展 京セラ美術館 

2024-09-09 07:03:37 | 美術館、博物館
この展覧会は始まってから知って、体調を崩していたので、ついつい忘れていた。
9月後半から始まる展覧会が目白押しなので、、、。
和服ブロガーさんの記事で「そうや!いかな。」と思い立ち、日曜日だけれど、最終日、体調も万全。
あまりの暑さに黒のかわり絽を着ようと思った。


村上隆が前日に終わって、ロビーの巨大展示を撤去していた。
10時過ぎに着いたが、結構な人が入っていた。

日展に出品、新制作の最初からの発起人。京都市立芸大日本画教授。私が受験した前の教授だ。

清光 この作品と

浄晨 この作品に
囲まれたらもう身震いした。
ほんまに清浄 絵と言えども空気が違う。


浪 波の表情を限界まで日本画としての線と形にそぎ落とした作品。ある意味モダンデザイン。
このすこーし緑がかったグレーが私の心をとらえて離さない。この色に惹かれて岩絵の具で絵を描きたかった。


この色


川 この川面のきらきらとくすんだ家並みにそこはかとなく暖かい物が流れる。


オランダ風景 一瞬に変わるヨーロッパの空。独特の家並み。


花の原野(アラスカ)


山のスケッチや旅の風景スケッチが盛りだくさん。
小下絵も。

最初から風景の構図がばっちり決まっていて、自然の中のコンポジションのすばらしさを瞬時に発見できるとこは天才だ。
鉛筆スケッチから山の陰影が濃く表現されている。
色鉛筆で一部着色されているスケッチもあり、
私たちが学生時代に描いた絵の原点がここにあると懐かしかった。
高山辰雄に人物画
きっと何度も観に行った新制作の奥村厚一の風景画に魅了された時代だったのだ。


 
   
     
こんな風な旅の風景が何ともほっこりする。色といい、取り上げた構図といい。まるで絵本の挿絵みたい。
軸に表装されていても何の違和感もなく、ここに日本の昔からの絵画の繋がりを感じる。

堪能した。急いで日本画で一緒だった友達にラインを送る。
彼女もこの展覧会の情報は見逃していたみたいでお昼から観に行くの返事にほっとした。
きっと山好きの彼女だから余計に感慨深い物があるだろう。

この日もお昼にはマックス暑く、東山がきれいに見えた。

昼食はいつもの権太呂

 
玄関前のお茶室

お店に風情があり、だいたい待たずに座れるので重宝。蕎麦がダメな私でもここの腰のあるうどんは大好き。

私は天ざるうどん。
旦那は親子丼



この日はかわり絽に麻の帯、帯締めと帯揚げだけは深い緑で秋を感じさせて。唐津で買った陶器のブローチを帯留に。

昨日の晩御飯、痩せたサンマ、大根おろし。レタス、セロリ、ブロッコリのサラダ。温泉卵に長芋のすりおろしに青海苔、めんつゆをかけて巣ごもり卵にように。つるむらさきの胡麻和え。人参、玉ねぎ、薄揚げのお味噌汁。お昼に野菜がほぼなかったので野菜一杯。


せっかくデイゲームで巨人、広島が負けたのに阪神も負けた。

高山辰雄展 佐川美術館

2024-08-23 06:46:50 | 美術館、博物館
あまりにも暑くてどこも出かけていないので、ちょっとフラストレーションがたまっている。
思い切って、事前予約を取り、久しぶりに佐川美術館へ出かける。
高山辰雄展をやっていたからである。


 
ここへ来るのはいつも夏?秋も来たか。
水辺に赤とんぼが飛んでいた。

高山辰雄さん
まさに私が大学の時に正統派日本画として日展でご活躍されていた。
私たちはこの人の人物画にノックアウトされ、色とタッチに魅了され、影響を受けたというか、真似したというか。
何しろ神だった。

写真はNGだったので、Webよりお借りしました。
たべる
この人の背景の色やタッチが独特で真似をしたけど足元にもたどり着けない。


いだく
このあたりの作品になると仏画に近い。
あー、本当に絵を描く、塑像を作る、物を造るというのはその人の精神性がそのまま出る。

静物画も何点もあったが、また人物画と違う筆致で興味深かった。
もっと硬質

若い頃に試行錯誤してゴーギャンの影響を受けたこと。なるほど。
一つの作品を一本の筆で描ききること
福田平八郎と同郷であること
色々今さらながらに解った。

朝早くに目が覚めたので、長襦袢の衿を薄ピンクの絽に付け替え、アイロンをかけた。
お腹が空いたので、早めにカフェでお昼ご飯

私はなんだか胃の調子が悪かったので暖かいとろろかけ湯葉蕎麦。
旦那は冷製パスタ

食後のホットカフェオーレ

そうだ、ここはイノダコーヒーなのでホットで良かった。
少し睡眠不足でお盆前後の暴飲暴食、冷たい物取り過ぎでお腹を壊して治りかけなのだが、行きの新快速の冷房がよく効いてなくてはっきり言って夏バテですね。

楽吉右衛門館で直入のお茶碗を観て

 

ここのロビーはいつも圧倒される。壁に映し出される水の影をいつまでも観てられる。

上は

こんな風になっている。

佐藤忠良の彫像を観て12時台のバスに乗って帰路に着いた。


この日は絽の着物から交織の楊柳の着物へ。きっと麻とポリの混紡なんだと思うけれど、これはこれで涼しい。

帯はこの前、ゆりざくらさんで買った紫井桁模様の麻帯。芯材が入ってなく、薄く柔らかいので長さもあって、結びやすかった。
久しぶりに銀座結びにした。ちょっと浴衣感覚で。涼しくて楽だった。
 
下の伊達じめのピンクが見えてますね。やっぱり帯枕を使えばよかった。
帯締めは生成り。白っぽくいきたかった。帯揚げはこれもゆりざくらさんで買った紫×白


昨日の晩御飯は帰りのバスで爆睡してすっきり体調も戻り、典型和食。

焼き鮭。こんにゃく、ゴボウ、人参の煮物。キュウリ、オクラ、つるむさき、ワカメの酢の物。長芋、玉ねぎのお味噌汁。
美味しかった。

9月になれば 美術館、歌舞伎

2024-08-19 06:47:44 | 美術館、博物館
毎日、あっつい日が続く。
いつになったら、クーラーを入れずに寝れるのか。
それでも、夜明け前に目が覚めたら、日が昇るのは少しずつ遅くなってきている。
不思議。

この暑さに出歩くのはためらわれるが、9月には観たい展覧会が目白押し。
できるだけお得なチケットを前売りで買っておく。
楽天チケットで買うとポイントも使える。
ペアチケットはローソンチケットしか扱ってないとか色々調べる。

まずは神戸市立博物館のデ・キリコ展
これは特設サイトからペアチケットを手に入れた。

デ・キリコ展 | イベント | 関西テレビ放送 カンテレ

20世紀美術に衝撃を与えた孤高の画家 デ・キリコの大回顧展

イベント

 

このペアチケットは9月中に行かなければならない。すごく、楽しみ。

次に大阪中之島美術館の塩田千春 つながらう私(アイ)展

塩田千春 つながる私(アイ) | 大阪中之島美術館

大阪中之島美術館 |

 

塩田千春さんのどんな世界を観る事ができるのか。

そして9月後半から兵庫県立美術館で始まる石岡瑛子 Iデザイン展
兵庫県立美術館 || 石岡瑛子 I デザイン Eiko Ishioka I Design
石岡瑛子さんパルコのポスターで一斉を風靡し、舞台衣装など一時代を築いた人である。大好きである。

そして、南座の「あらしのよるに」再演。
9月は中盤から大忙しである。早く涼しくならないかな。

九月花形歌舞伎|南座|歌舞伎美人

松竹が運営する歌舞伎公式サイト。歌舞伎の公演情報、ニュース、俳優インタビューなどをお届けします。こちらは九月花形歌舞伎|南座に関するページです。

歌舞伎美人

 


昨日の晩御飯は、焼き鮭。オクラ、しらす、ワカメの酢の物。空芯菜、ブロックベーコンの炒め物。人参、玉ねぎ、薄揚げ、シイタケの具沢山味噌汁。

夏野菜が美味しい。



江戸時代のきもの 日本の伝統文化を知る 奈良県立美術館

2024-08-02 08:15:26 | 美術館、博物館
ものすごっく暑い日々
できたら一歩も外に出たくない。
以前から観たい展覧会には意を決して行くことにする。
奈良県立美術館。あんまり暑いので海外の観光客は少ないだろうと踏んでいたが、近鉄電車の中にはスーツケースを持った外国人で一杯
そりゃそうだろうなー。未曾有の円安。安全、下手したらその辺に荷物を置いておいても無くならない。食べ物は美味しいうえに安い。
8ユーロも出せばお昼のランチは定食が食べられる。暑さも何のそのって感じ。

さすがに着物は諦めて、リネンのワンピースで。
奈良県立美術館 地味だが、いつも面白い企画展が多い。


 
入館料は大人600円である。


明治時代の婚礼の打掛。渋い。

平安時代の武士の衣装。狩衣

これは江戸時代の物ではあるが。こんな感じ。狩衣は思った以上に大振り。
その下に着る小袖を昭和になって復元した物



明治時代の振袖。地の紫がくすんでいて渋い。

桃山時代の辻が花の染の小袖裂

白地に紫の模様が美しい

江戸時代の武家の若い結婚した女性の姿


江戸時代18世紀の遊女太夫の打掛

打掛の下に着る間着

朱に袖口、裾から衿に掛けて刺繍がしてある。なるほど。見えるところだけ模様がある。

独特の紺と朱の色である。


明治時代の打掛、黒繻子地。
ここまで観てきて、後の方で展示されている西洋の染料が入ってくるまではくすんだ地色が多い。そこに日本人の美意識を感じる。


間着。裾だけに模様がある。



明治時代の綿に染め

とっても粋

江戸時代の夏物
鼠地絽に龍と富士山に夕立が降っている図の単衣

これは江戸時代後期の着物だけれど、意匠に妙があり感心する。かっこいい。


縹絽地秋草の文様。涼しそう。縹色独特のくすんだ青。


白地の木綿。江戸時代後期。浴衣がいきわたった時代かな?

江戸時代初期の着物を令和の技術で模造してみる企画



江戸時代の着物

麻である。令和の模造



江戸時代18世紀の麻着物

これなんてとても透け感があって素敵。
令和の模造



いずれも模造するのに大変な時間と難しい作業があったようだ。
麻も江戸時代、夏物として出回っていたのだ。

元禄期の友禅。萌葱縮緬。渋い色。




元禄時代の華やかな小袖 

 
  

 

文字もちらし始めた

地色の浅黄色がきれいだ。

光琳文様と呼ばれる文様



間着。裾の裏側に扇も模様が隠れている。

振袖。まさに琳派。


綺麗な薄紅色の地色


下前に裾だけに模様があるチラ見せ

これも上部に全く柄がなく裾だけに豪華な文様。



この色も大好き。きっと麻だと思う。前部の模様は薬玉である。文様の遊び心が可愛い。

透ける絹地に秋草模様の単衣

江戸時代武家の女房装束

歌川豊国作 御殿女中図


萌葱繻子の打掛 黒の刺繍が取れているが、それがあれば迫力のデザイン


きっぱりした白麻




江戸時代から明治時代のお公家さんの着物

なんだかモダン。


 
明治時代に外国の染料が入ってきたのでこんなにくっきりした藍が。


被衣と言うものを着用していたようだ。頭からかぶる着物

ショールのような物も同じ柄。モダン。


かっこいい文様。このまま着物で着たい。わらびの裾模様。


渋いモノトーングラデーション

一階のギャラリーでは「奈良晒 麻から糸へ、糸から布へ」特別展が行われていた。

 
  
江戸時代に高品質と言われた奈良の麻の制作過程を映像と、展示で説明。
気が遠くなるような行程を経て、麻は植物から布になる。

ランチはすぐ近くの「ごはんの間」

  
新築の居住ビルの一階がお店

このセットに

私は天ぷら、旦那はミンチカツ。この二択。1100円なりは安かった。メインは出来立て、美味しかった。
11時開店と共に近くのサラリーマンらしき人たちやおばちゃんや高校生などが食べていた。

あまりの暑さに他に寄り道もせずに電車にのり、ニトリで実家に持っていく簡易洗濯物台を買い、図書館で七緒を借りる。
晩御飯は、何故かがっつり肉が食べたくて、ポークケチャップ風。

温泉卵にトマト。豆腐、ワカメ、シメジのお汁。

洋服姿の自分の姿に下半身豚になっているのに気づき、すっかり着物体形になり、アイスを封印することにした。
猛暑に食欲は全く落ちず。困った物である。







広重 摺の極 あべのハルカス美術館

2024-07-24 07:31:37 | 美術館、博物館
あべのハルカス美術館へ広重の作品を観に行く
ジョルジュ・レスコヴィッチ氏蔵の作品を中心に日本各地の広重の作品を大々的に集めた展覧会である。

  

ちょっと出遅れて、10時少し前に美術館に入口に着いたらもうすでに開場していた。
チケットを持っている人がかなり並んでいたからだ。

東海道五十三次などの風景画以外、役者絵、美人画、花鳥、静物あらゆるモチーフの作品が並んでいた。
写真は一部を除いてNGだったので
Webからお借りしました。
私の思い出の大事な一枚

蒲原 夜之雪
この作品を中学生の頃に模写した。たぶん、鉛筆画で。ひょっとしてエッチングにしたかもしれない。
蒲原にはほとんど雪が降らないというのは知られた話である。
この場所に雪を降らした広重の感性。静謐な雪景色中の寒さ。行きかう人の雪を踏みしめる音が静かな中に聞こえるようである。計算され尽くした白黒のグラデーションが私の心をとらえたのである。
大人になって蒲原に雪は降らないということを知って、「そうかー。」とうなった。だって、夜が雪の白さで明るくなっているような気がしたけど、そんな事はありえないから。広重の幻想の世界である。

何回も遠近感の授業で使っていた亀戸梅屋舗

斬新な梅の枝はもとより、その手前に木札が描かれていたことを解説を読んで初めて気がついた。


おなじような手法の深川万年橋

写真OKのコーナー

 
風景を捉えるアングルや構図が素晴らしい。
きっと風景そのままではないが、その風景のエッセンスを切り取って凝縮されているのだろう。
これを観た江戸時代の人は、現地に行って「やっぱり」と思ったのだろう。



細かく描き込まれた人物。またこれが楽しい。

それぞれの生活が垣間見えるような表情と造形だ。

凄い人になってきたので、戻って初期の作品も観たが、早々に退出。
総じて初版が多いのでとてもくっきりした作品群だった。
同時開催されている大和文華館にも是非行ってみたい。
かなりの作品が後半入れ替えになるので、観に行こうかな。

入口前のガチャガチャ

なかなか精巧

この日のランチは東洋亭のハンバーグ

前菜のサーモンサラダ、トマトファルシ。

 
あっつあつのハンバーグ。ポテト。ご飯も美味しかった。

こんな日はビール

さすがにこの後、色々より道するので去年作った水色リネンのワンピースで。
このお店、凄く混むのに定員さんのサービスは本当に行き届いている。気持ちいい。

昨日の晩御飯は、肉じゃが。鱧のお吸い物。キュウリ糠漬け、スイカの皮の浅漬け。セロリとちりめん山椒の酢の物。






泉茂 1950s 陽はまた昇る  伊丹市立ミュージアム

2024-07-22 07:33:38 | 美術館、博物館
少しの間美術館へ行ってないので、テレビで放映されていた、伊丹市立ミュージアムの泉茂 1950s 陽はまた昇る展へ行った。
ほんまに朝から暑かったが、紗の着物でバス、モノレール、バスと乗り継いで、1時間足らずで着く。
途中、大阪空港で涼む。国内線のロビーは割と空いていてまだ空席のある便もある。
空港の風景はとても解放されていて空が広い。なんだか涼しいような気がする。

少し早めに美術館の前に着く。

 
暑ーい。

館内は撮影NGだったので。写真は全てWebからお借りしました。
エッチングから始まり、リトグラフや油絵。まさに昭和の時代を変転していく作品。


夜明け前
私、初期のエッチングの作品が奥行があって好き。
この人の精神の奥深さを感じる。
若い頃は大阪の大丸の宣伝部で働いてはったそうだ。
大阪市立工芸の出身。
1950年代。私が生まれた時代だ。
時代の勢いが一番あった頃かもしれない。
諦めず、陽はまた昇ると変転を続ける泉茂の作品。
なんだか、とても懐かしく、しっくりくる。


代表作 机上 LOSTの文字が入れ込まれている。


インディアン メキシコを感じる

カラフルなリトグラフの作品を観ていると、とても懐かしい。


Work  孔雀の羽の模様から
遠くから観ると透明感があるが、近づくとすごく力強い作品。不思議。


晩年のカラフルな 逃げたスペード2
すごく自由

日本の画壇にいては、ダメになるとニューヨークに留学
帰ってきて大阪市に居を構えて、陽はまた昇ると変転を繰り返した画家泉茂

ここの昭和の時代を観る事ができた。
いつも伊丹市立ミュージアムには満足する。
いい展覧会だった。

お昼は暑いので冷やしうどん。
以前行った駅前の商店街から一筋入ったところ。千舟屋

私はビビンバ冷やしうどん キムラ君。麺に腰があり、塩気を感じないので大好き。
旦那は肉カレーうどん。

もう一度、ミュージアムに戻って伊丹国際クラフト展を観る。
これも楽しめた。かなり前にガラスのぐい飲みを買った。二個のうち一個割れたけれど。
美しい個性的な茶道具が見ごたえがあった。結構手に入るお値段だ。

満足して併設カフェでかき氷

でっかかったので旦那と半分ずつ。私には珍しいミルク金時。これが宇治金なら食べられない。

あまりの暑さに2時過ぎには家に着いた。
2時間半ほど昼寝をするぐらい疲れていた。

昨日の晩御飯はヒラマサのアラ炊き。冷奴。温泉卵。キャベツ、人参、ベーコンのカレー味炒め。新生姜甘酢漬け、キュウリの浅漬け。玉ねぎ、シメジのお味噌汁。


阪神も勝ってほっとした。